宝塚歌劇団月組「JAZZYな妖精たち/REVUE OF DREAMS」その2
宝塚歌劇団月組「JAZZYな妖精たち/REVUE OF DREAMS」
芝居の「「JAZZYな妖精たち」の感想です。
あらすじはこちらから。
ひとことでいえば、アイルランドからアメリカへ移民してきた若者が、妖精の力により、都会の暮らしの中で忘れてしまった幼い頃の純真な心を再び取り戻すまでの物語。
まずは妖精が、ニューヨークという都会にやってきたというのが御趣向。ニューヨークにやってきたからJAZZYな妖精。これはうまいところに目をつけたなあと思うです。 そして妖精の使い方もうまいですね。フシギな力をもつことから全知全能の神のように妖精をとらえる向きもあるかと思うですが、妖精とは神とは違い、自然そのもの。人になにかを授けるとか、願いをかなえるとか、そういう存在ではない。だから人間に対しても自然でありつづけようとする。シャノンの白血病も(治す力があっても)治してあげようとはしない。
妖精たちがしたことは、5人の若者が、再び純真な心を取り戻すよう、ほんの少し道案内をしただけ。それも彼らに気づかれないように。
もしかすると、この物語は妖精の目から見た、5人の若者の物語なのかもしれない。
さて、大劇場公演とは大きく変わったところといえば、最後のシーン。東京公演では5人が再開したところで幕となるが、大劇場ではその後シャノンが息絶えるところまであったらしい。大劇場版を見ていないので、なんとも比較できないのだけれど、どっちでもよいような気もする。ただ、大劇場版だと、妖精の力ではなく、シャノンの死が残った4人に再び純真な心を取り戻させたように感じられてしまうかもしれないな。
そんなことより気になるのは、この後、5人はどうなったかということ。5人の行く末を描くエピローグがあってもよかったんじゃないかと思うです。
パトリックはめでたく下院議員に当選、シャノンは若くしてかえらぬ人となったが、彼女の童話はロングセラーとなり、子供達の心のなかに彼女の思いは生きつづける。ティモシーは改心してまっとうな新聞社の社長として再出発。...とここまではよいのだが、暗殺犯人のウォルターも、彼を匿ったニックも、なんか将来が暗そうなので、やっぱりエピローグは無くて正解だったかもしれないな(笑)
これが映画だと、エンドロールの裏で、うまいこと5人の行く末を描いたエピローグを入れたりできるんだろう。そして最後の最後に出てくるのは妖精たち。アイルランドに戻った...かと思いきや、まだニューヨークにいたのでした。妖精がひと言、「けっこういい街だね♪」...なーんて落ちがついてたらDVD買ってもいいかな
さて、後半、マクガバンがウォルターにパトリック暗殺を依頼するが、最初、幼馴染に殺させるとは、なんと残虐なヤツと思ったのだが、ひょとすると、「いくら殺し屋といえども幼馴染を殺すことはできないだろう」と、建前上はパトリックを許さない態度をとりつつ、ほんとは殺したくなかった(息子も同然だから)のじゃないかなあと。
唐突なエンディングには、少々面食らったものの(まだ続くものとばかり思っていたのに幕だったから)、舞台全体の雰囲気は好き。行ったことはなが、ニューヨークの匂い感じられた。BGMのせいだとは思うが(笑)
その雰囲気味わうために、もう2,3回見てもいいかなと思う。
さて、次回はショーの感想だす。
-つづく-
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