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December 2006

December 31, 2006

2006年観劇リスト

Jan

宝塚歌劇団花組東京公演「洛陽のパレルモ/ASIAN WINDS」
Rカンパニー「とってもゴースト」
メタリック農家「熊」

Feb

自己批判ショー「KOGA・MAP古河まっぷ」
トムプロジェクト「夫婦犯罪」
月蝕歌劇団「人力飛行機ソロモン 劇場版」
聖ルドビコ学園「妖精パックの冒険日記 時の城のジュリエット」
劇団宝船「あいつは泥棒」
Hula-Hooper「何かのプレイバック」
あぁルナティックシアター「ラヴゲッチュ」

Mar

あぁルナティックシアター「美女木ジャンクション」
バジリコ・F・バジオ「あの娘を野に放て」
絶対王様「宇宙人の新選組」
開店花火「亀戸の松尾さん 29歳 『崖っぷち』」
宝塚歌劇団星組東京公演「ベルサイユのばら」フェルゼンとマリーアントワネット編
リトルショップ・オブ・エラーズ「STAR WAR2 ~帝国の哀愁~」
離風霊船「ゴジラ」

Apr

パニックシステム「ボク達の鹿芝居-らくだってヤツは-」
マンションマンション「キング・オブ・心中」
劇団四季「オペラ座の怪人」
ジーモ・コーヨ「Destiny Land-アナタのユメは、ドコですか?-」
風琴工房「砂漠の音階」
売込隊ビーム「よせばいいのに」
宝塚歌劇団雪組東京公演「ベルサイユのばら-オスカル編-」
東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」
劇団ビタミン大使「ABC」夏屋服部商店のやり方
サンリオピューロランド「ハロ-キティのくるみ割り人形」
クレネリ・ZERO FACTORY「春と爪」
東京スウィカ「皐月の天」
パニック・シアター「ロビンソンズ・ハウス」
渡辺センター「絶叫パーティー!~化け女、男狩り~」
劇団鹿殺し「SALOMEEEEEEE!!!(サロメ)」
東京乾電池「長屋紳士録」

May

BQMAP「天守物語」
劇団、本谷有希子「密室彼女」
宝塚歌劇団宙組大劇場公演「NEVER SAY GOODBYE~ある愛の軌跡~」
ミノタケプラン「中沢の沢は難しい方の澤」
大人の麦茶「ネムレナイト」
劇団四季「CRAZY FOR YOU」
月蝕歌劇団「龍馬は戦場へ行った」
ピンクアメーバ「イヴの眠る海」
トツゲキ倶楽部「狂い咲きヴァージンロード」
SHINKANSEN☆RS「メタルマクベス」
ロリータ男爵「エプロンの証」
ワンアワーパーキング「ウツワノイツワ」
南河内万歳一座「お馬鹿屋敷」

June

KAKUTA「ム-ンライトコースター」
新国立劇場「やわらかい服を着て」
座・キューピー・マジック「ルームメイト」
聖ルドビコ学園「ひめゆりの花を揺らす風」
もざいく人間「新宿学園王」
東宝ミュージカルミー&マイガール
パンプランニング「ブルースな日々・Oh!神様」
水性音楽「空に消える時」
エムズクルー「アイノキセキ」

July

回転OZORA「喧騒浜茶屋凪日記」
宝塚歌劇団月組東京公演「暁のローマ/レ・ビジュー・ブリアン」
Rカンパニー「泣かないで」
シベリア少女鉄道「残酷な神が支配する」
劇団Dotoo!「おいないさん」
劇団四季「ジョン万次郎の夢」
毛皮族「脳みそぐちゃぐちゃ人間」

Aug

プロジェクトムー「糸地獄2006」
猫のホテル「電界」
博品館劇場花嫁付き添い人の秘密
ボトムの夢「丸イモノニハ棘ガアル」
歌舞伎座「南総里見八犬伝」
SPIRAL MOONみちかける
阿佐谷南南京小僧「黄金街の首縊りの家」

Sep

劇団ブサイコロジカル。「イロトリドリノセカイ」
劇団ZAPPA「空-SORA2006-」
月蝕歌劇団「静かなるドン~魔界・天翔篇~」
シス・カンパニー「獏のゆりかご」
宝塚歌劇団花組東京公演「ファントム」
ル・テアトル銀座スウィートチャリティ
ネルケプランニング星屑の会「星屑の町~東京砂漠編」
Plug-In「法王庁の避妊法」

Oct

10quatre「雪月花」
オリガト・プラスティコ「漂う電球」
BROADWAY THEATER WORKSHOPDEBBIE DOES DALLAS ~デビーのイケナイ2週間~
座・キューピーマジック「想い出のテラス」
宝塚歌劇団星組東京公演「愛するには短すぎる/ネオダンディズム」
宝塚歌劇団月組特別公演「オクラホマ!」
劇団宝船「坩堝」
ニ兎社「書く女」
劇団、本谷有希子「遭難、」
聖ルドビコ学園「王子メフィスト 午前0時の招待状」
BQMAP「帰雲城奇譚」
演劇ユニット東京スタイル「幕末、不夜城の女たち」
劇団鹿殺しプロデュースぶたばん2006

Nov

天然スパイラル「HEAVY MENTAL★HEAVEN」
燐光群「チェックポイント黒点島」
劇団桟敷童子「海猫街」
メタリック農家「食」
Rカンパニー「リトルプリンス」
バジリコ・F・バジオ「トブダケ」
東宝ミュージカルマリーアントワネット
池田塾「蕎麦屋の嫁さん」
虚飾集団廻天百眼「変身前夜X極楽鳥」
舞丸「丸棘 人妻仮面」
TPT「黒蜥蜴」

Dec

ポツドール「恋の渦」
アロッタファジャイナ「偽伝、樋口一葉」
SPIRAL MOON「サクラソウ」
Hula-Hooper「嘘かも知れないけど、オリジナル」
歌舞伎座「芝浜革財布」
宝塚歌劇団雪組東京公演「堕天使の涙/タランテラ」
グリング「虹」
TIMELAG「泥つき~権助を探して」
オアシズ×女王陛下「LES FOLIES NIGHTS」
超新星自由座「鈍底」
ミナモザ「テーブルクロス」

以上112本。

宝塚関係、この1本
宝塚歌劇団宙組大劇場公演「NEVER SAY GOODBYE~ある愛の軌跡~」
直近の「堕天使の涙/タランテラ」とどちらか迷ったけれど、タカハナ退団にふさわしい演目となっていた点、曲の良さ、そして和音美桜の鳥肌がたつような見事な歌唱で「NEVER SAY GOODBYE~ある愛の軌跡~」をベストとしたい。

泣けた1本
劇団Dotoo!「おいないさん」
泣ける演目だと最初からわかっていて、やっぱり泣けたという芝居はいくつかありましたが、泣ける演目とは知らずに見て泣けてきたのが「おいないさん」でした。いいお話だなあ。

大笑いの1本
もざいく人間「新宿学園王」
腹筋が筋肉痛になりました。

衝撃を受けた1本
エムズクルー「アイノキセキ」
人間の心の狂気が垣間見れた。恐かったー。
次点、桟敷童子「海猫街」。

大はずれの1本
自己批判ショー「KOGA・MAP古河まっぷ」
アイディアはよかったけれど表現方法が限りなく美しくない。特にミュージカルシーンは、歌も踊りもぐだぐだで見ていられなかった。「泥つき~権助をさがして」もハズレだったけれど、役者さんはよかったので「ちょいはずれ」ってところかな。

で、

2006年ベストの1本
サンリオピューロランド「ハロ-キティのくるみ割り人形」
小池先生の作演出、若央りさ先生の振り付けで、キティさんたちが大階段の前で踊るのです。当然ナンバーワンでしょ(笑)

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今年の聴き納め(落語会)

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12月は観劇月間となってしまったため、寄席定席としては、結局、鈴本の11月下席(夜の部)主任・柳家喬太郎が聴き納め。

その1 12/29 栄助・天どん二人会 下北沢「劇」小劇場

14:00~16:10はOFF-OFFシアターでミノモザ「テーブルクロス」観劇、その後、新宿紀伊国屋の東京かわら版買いに行って、再び下北沢へ。なんだかなあ(笑)

えっと、「落語ジャンクション」の最終日です。

冒頭     3人で前説
春風亭栄助  生徒の作文
三遊亭天どん 噺家の復讐
柳家喬太郎  明日に架ける橋
仲入り
春風亭栄助  リアクション指南
三遊亭天どん 大晦日泥

 睡眠時間2時間弱のツケがここでまわってきました(汗)。天どんさんの噺は、割と淡々と進むので、ところどころで意識が遠のいてしまいました。フシギにも古典落語ネタを折り込んだところだけは記憶がはっきりしてるのです。

 栄介さんは、修道士のような髪型で登場。見た目で笑いとらなくても(笑)
「リアクション指南」は大笑い。熱湯をかけられたときのリアクション等を指南する噺なので、アクションは派手だし、大声出す部分も多いし、寝不足のときにはこーゆー噺がいちばん。

 柳家喬太郎「明日に架ける橋」はいわずもがな。「劇」小劇場にふさわしく、多分に演劇的。新作の場合、女性の演じ方が、妙にリアルなので、落語の枠を飛び出して、一人芝居の領域に入り込んでいるように感じます。


その2 12/30 トンデモ忘念会 浅草木馬亭

そういえば、去年も聴き収めは、この会でした。12/29とは見事に客層が違うじょ(笑)
大入満席。舞台上・高座リングサイド席も特設されました。

瀧川鯉朝     書籍紹介「おれは宇宙人」「激写 ! ポルノ寄席」
立川談之助    漫談
快楽亭ブラック  SM幇間腹
仲入り
立川談笑     ボビーのマジックショー
三遊亭白鳥    牛丼晴れ舞台

聞きなれたからかなのか、マクラも他の高座で聴いたことのある内容だったからかなのか、白鳥さんが至極まっとうに見えました(笑)

しかし、まともな古典がひとつもないなあ(汗)

<蛇足>
今年最後の古典は12月14「八王子駅前寄席」古今亭菊之丞の「二番煎じ」だった。


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December 30, 2006

ミナモザ「テーブルクロス」

ミナモザ
29-Dec-2006 14:00-16:10
OFFOFFシアター

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ちょっとステキにロマンチックなおはなしでした。

ほとんど徹夜、仮眠とっただけで見に行ったので、爆睡しちゃうかもと心配だったのですが、杞憂におわりました。見入っちゃいましたね。

 爆発事故で崩落した地下のレストラン。生存者は三名。

 結婚記念日で妻との食事をするためにやってきた男。男には外に愛人があるようで、実はこの日、別れ話をするつもりでいたようだが、待ち合わせに遅れてレストランにやってきた、まさにそのときに事故に遭遇した模様。

 もう一組は中学時代からの仲良しの二人の女性、綾子(木村桐子)と明里(川島早貴)。いじめられっ子だった綾子(木村桐子)の唯一の友人・明里は保護者のような、でも綾子に依存しているような、ベタっとした関係。

 自分が事故で亡くなったことに気がついていない二人の幽霊が出てきます。男の妻と店のウェイター。その姿を、ケンジと綾子は見ることができますが、明里には見えません。幽霊たちは、事故のあったことにも気づいていませんから、妻は食事をするしウェイターはありがた迷惑にも思えるサービスをします。

 瓦礫となったレストランですが、幽霊が登場するシーンだけは元のレストランに戻ります。その象徴がテーブルクロスなのです。
 死んだ妻を目の前にし、あらためて妻を愛しく思い、初めてやさしく接することができた男。しかし妻は離婚の決意は固く、レストランから出て行きます(すなわち、今生の別れ)。これは切ない。

 明里は、自分から離れ、ひとりだちしようとしている綾子に対し、感情をあらわにぶつけてきます。「自分だけの綾ちゃん、私がいないと生きてはいけない綾ちゃん」でいてほしいのですね。

 何度か崩落が起こります。男も明里も命を落としていくようです(「ようです」というのは、死んだ瞬間を明確にしていませんし、最後の救出のシーンで綾子がレストラン唯一の生存者であることがわかるから。)


(^o^)(^o^)(^o^)(^o^)


 幽霊モノの素敵なところは、幽霊と現世の人間との心の通い合いが儚いものだからなのでしょう。特にこの芝居のように、その儚さを片側(現世の人間)しかわからないところが、とても切ないです。

 時折蘇る元のレストランが、とても暖かい雰囲気で素敵でした。

 幽霊って、この世への想いが残っているからこそ彷徨い現れるので、その想いが恨み憎しみだと怪談じみてきますが、それが愛ならば、これほどロマンチックなお話も無いのではないかと思います。

<蛇足>
 綾子の指輪の贈り主のくだり、新興宗教のくだりが、ちょっととってつけたような気がして違和感がありました。単純に好きな人からもらった指輪っていうのではダメだったのかな?


ブログで検索「ミナモザ テーブルクロス」

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December 29, 2006

超新星自由座「鈍底」

超新星自由座
23-Dec-2006 19:00-21:15
ザムザ阿佐ヶ谷

Image2

本年の観劇納め。

 ゴーリキーの原作も、原作通りのロシアを舞台にした芝居も見たことはないのですが、舞台を明治時代の日本にしたことで、やっぱり日本人の自分としては見ていて貧乏具合が、より感覚的にわかるように思います。(個人的には明治時代の風俗の和洋折衷具合が結構好きであったりします。例えばおトヨさん(西入美咲さん)の和服に紙巻き煙草って絵柄が実にいいです)

 年末というと、その昔「一杯のかけそば」が流行りましたし、落語は「掛取」「芝浜」、歌舞伎だって「芝浜革財布」が定番。どれも貧乏な話ですが、そんな話が似合う時期なのでしょう。
 チラシには「第九のように、毎年、暮れにやれたら素敵なことだと思う」とあります。同感です。実際に観劇して、年の瀬にこれほど合う芝居もないのではと思いました。(っていうか、ほかの時期はあまり見たくないかも(笑))

 また、ザムザ阿佐ヶ谷の板張りの客席が、この芝居に妙に合っているのです。

 さて、博徒役のはやぶさ人生さん。昔、築地寄席の舞台で初めて拝見しまして、「いったい何屋さんなのだろう」と思い、以来、頭の片隅で気になる存在でした。今回、「鈍底」のチケットとったのも、はやぶささんの名前がキャストにあったのが理由のひとつ。きっぷのよいバクチうちのあねさんっぷりがきまってました。

 かよ役の仲島らんさん、いかにも「掃き溜めに鶴」という感じでしたが、最後に見せる本性というか"鈍底"から這い出したい気持ちを吐露するところは、ちょっと感動。

 ところどころ、いかにもセリフをしゃべってるなというシーンがありましたが、たった2日間の公演では仕方ないかも。ただ、これがロングランで、芝居として完成してきたら、その貧乏さのリアリティが増して、見ていてかなりへこむかもしれません。思いっきりへこましてほしい気がしないでもないです(笑)

 来年の年末も「鈍底」を再演されるそうなので、よいこのおともだちはぜひご覧ください。

年の瀬にザムザで見る「鈍底」。クセになりそうです。

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December 26, 2006

オアシズ×女王陛下クリスマスプレゼンツ「LES FOLIES NIGHTS」

女王陛下
24-Dec-2006 17:00-19:00
下北沢・駅前劇場

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 女王陛下は今年6月の「レザヴァンチュール・アラベスク トロワ」が初見。今回が2回目になります。

 クリスマスキャロルの、フランスの場末のキャバレー版なのですが、歌あり踊りあらサスペンスありアクションありホラーありお笑いあり、何でもありの楽しい2時間。

 ア○ーやらオ○○座やらW○Sのパロディのようなミュージカルシーンが秀逸。なかでも大地さんの「Tomorrow」はおもしろいを通り越して、ちょっと感動(笑)

 目茶苦茶といえば目茶苦茶、おバカといえばおバカ、でも妙にお洒落♪
フランス映画のB級コメディのような、くだらないけどセンスがいいというか、なんか素敵なのです。
きっとみなさんミュージカルやショーやレビューが大好きなのでしょうね。

大地輪子さんと別渡ミドリさんのセンスの良さを感じました。

 この舞台は、作・演出がオアシズの光浦靖子さん、こんな才能をお持ちだったのですね。ストリッパー役の大久保佳代子さん、登場しただけで笑いがとれるって、やっぱりすげーな(笑)

 来年は「レザヴァンチュール・アラベスク」の第4回目もあるそうで楽しみ。アラビアンナイトの完全舞台化という壮大なプロジェクトです♪

蛇足

 おデブさんのダウンジャケット着用は法規制すべきだと思った、どこも人いっぱいの師走の一日でした。

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December 25, 2006

TIMELAG「泥つき~権助を探して」

劇団TIMELAG
23-Dec-2006 19:00-21:15
東京芸術劇場 小ホール2

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 はなし塚に葬られた落語世界の登場人物が現世に蘇る。権助が居なくなったために自分たちの存在があやうくなってきたという。三遊亭歌笑に、権助が居なくても自分たちの存在が消えないよう新しい噺をつくってくれと頼む。しかしうまくいかず。やはり権助が居なくては。権助を呼び戻すための噺を歌笑はつくることができるか?

...という話。

 で、歌笑のつくった噺が劇中劇のように展開されるのですが、ほとんどコンタキンテさんのお笑いショーになっており、ショーとしては面白く大笑いしてしまったのだけれど、芝居としては物語を散漫にさせちゃってるような気がしました。歌笑ではなくコンタキンテさんになってしまうからなのでしょうね。
 全編シリアスで通してくれたら、最後の歌笑の「権助提灯」で泣けたのではないかと思います。

 お笑いショーのかわりに、もっと禁演落語ネタをいれてくれたらなあ。(クラブ「必殺仕事人」とか、切腹とか、鬼退治とか、そりゃもう大笑いでしたが、やっぱりこの芝居には余分じゃないかと思うのです。せっかくの落語世界のキャラクラーたちの影がうすーくなっちゃってるし)

 しかし、禁演落語のなかから、あえて「権助提灯」を選んだのは何故だろう。

よいネタなのに料理に失敗した感じがしちゃうのです。

脚本はともかく...

 歌笑役のコンタキンテさんは、いかにも昭和の江戸っ子風な口調がよかったです。(だから余計に、全編シリアスで通してほしかったな、と思います。)

 冒頭は、文都さんの「権助提灯」一席。死神の扮装で、ボロをかぶって口元しか見えない不気味な様相。笑うに笑えない感が漂ってました(笑)。見終わってみると、一番充実していたのは、文都師匠の一席だったかも(笑)

 金太郎の熊さん、でっかけどカワイかったです。
カーテンコールで熊の着ぐるみのまま、おじぎする熊さん。こんな礼儀正しい熊さんを見たのは初めて(笑)

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空席が多かったけれど、なんかわかるような気がしました(汗)。

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December 24, 2006

グリング「虹」

グリング
23-Dec-2006 1400-1550
新宿紀伊国屋ホール

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師走の、とあるカトリック教会が舞台。現実は厳しく、みんないろいろな悩みを抱えていて、それがクリスマスに神様の力で奇蹟が起きる…わけじゃなく、それなりに現実と折り合いをつけていく。

成績の悪い保険外交員。
子宝の恵まれなかった梶原夫妻、しかし旦那は外に子供を作り離婚話。直後に旦那は交通事故。
死んだ長男の幽霊。自殺だったのか事故だったのか?
なかなか子供が出来ない高山夫妻、やがてわかる高山ヒロシのHIV感染。

かなり厳しい現実なのに、妙に温かい気持ちになれるのは、きっとみんなが未来を向いて生きていこうとするからなのでしょう。
しかし、見事に神様は何もしなかったなあ。信ずる者の心のなかにしか神様はいないのでしょう。

最後は高山夫妻のHIVの話がメインとなるのですが、それまでは誰の話がメインなのかわからないまま、話は進みます。それぞれの話が同時に存在して、悩みを抱えている人間がいれば、その隣では笑える出来事があったり、現実なんて、実に雑多なものなのですね。

下手なクリスマスドラマなんかより、よっぽどクリスマスにふさわしいお話だと思います。

充実の2時間弱でございました。

蛇足

冒頭のボヤの犯人は、ヒロシくんじゃなく、神父さんかな?

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December 23, 2006

宝塚雪組「堕天使の涙/タランテラ」

宝塚歌劇団
17-Nov-2006~24-Dec-2006
東京宝塚劇場

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概要はENAK SYAGE GRAPHで。

お耽美の2本立て。

「堕天使の涙」


「堕天使の涙」は、神によって天上界から地獄へ追放された堕天使のルシファー(朝海)が、ダンサーとなって20世紀初頭のパリに現れ、人間の欲望や孤独を操って神に復讐(ふくしゅう)しようとするファンタジー。

 ルシファー、実のところは神が人間に対する愛への嫉妬。まるで「僕のほうが勉強だってなんだってできるのに、どうして出来の悪い弟ばかりをかわいがるんだよう」と言って親に反発するエリートの若者ようですね。だから口では復讐と言いながら、神が人間を愛する理由をひたすら探しています。(朝海ひかるって、こういう苦悩する若者の役が、とっても似合いますね)

 リリス(舞風りら)とセバスチャン(音月桂)は、不幸な境遇を受け入れている。愛してくれないから神を恨むルシファーなんかよりもよっぽど大人である。自分よりも格下の存在である人間なのに!?

 リリスを通じて「人の心」を知るルシファー、人間の愛おしさを知り、静かに街を(人間界)を去っていく。
ここのくだりで、「リリスは悟りきってるなあ」「とうとう仏様になっちゃった」などと思ってしまったのですが、ついつい仏教の視点から見てしまうのが、日本人の悲しい性(さが)。キリスト教の世界(しかも天使が実存している世界)のお話なのにね。

 ルブラン公爵(萬あきら)の「愛と憎しみは時として同じ顔をしている」というのがこの芝居のテーマをよくあらわしていると思います。

 リリスとジャンポール(水夏希)の父親の行方が語られないため、ジュスティーヌ(五峰亜季)が一人で子供たちを育てなければならなくなった理由が弱いかな。

 「リリスの死」のシーンでは、会場ですすり泣くおともだち多数。自分的には、臨終のシーンよりも、その後の天に召される前の「光のパドゥドゥ」のシーンのほうが泣けたな。

 最後の雪降るクリスマスのシーン、上からのピンスポットで紙ふぶきが輝き、ひたすら美しい。

 舞風さん、「バレリーナの夢を絶たれ余命わずかの盲目の娼婦」って、そんな薄幸な役がピタリとはまっている娘役1というのはいかがなものかと思いますが、見事な熱演でした。


「タランテラ!」


「タランテラ!」は、噛まれると“舞踏病”をもたらすという毒グモを主人公にした、ストーリー性のある耽美的なレビュー。舞台いっぱいに張られた“クモの巣”のセットが効果的で、場面の進行につれて消えていく。

 蜘蛛の巣の舞台で「ナチ風の男たち」と「謎の美少女(山科愛)」の並び、初っ端からアングラテイスト全開。派手でゴージャスなアングラだな(笑)。もし小劇場だったら単なる悪趣味になりかねないシーンでも、端正なジェンヌさんが宝塚の舞台で演じると、あそこまで洗練された妖しくも美しいシーンになるものかと思う。(ほめす過ぎかな)

 今回、久しぶりに公演DVD購入したのだが、タランテラは、どこか一場面だけ見ようと思っても、つい全編見てしまう。フィナーレの唐突な終わり方以外は、名場面だらけじゃないかと思います。

 スパニッシュ朝海VS水のダンス対決風味、ラプラタ河の朝海・タランテラに抱かれた舞風・蝶の満面の笑み、アマゾンの夜の極彩色のカーニバル、朝海・舞風・水のダンスのバックで静かにせり出してくる大階段、ラテンの女(ノワール)のかっこよさ。美穂、未来、愛のハイパワーな歌唱...

 そして、クリスマスで幕を閉じた「堕天使の涙」に対し、まるで「萩の月」か「錦玉子」か、白と黄色の明るい衣装で幕となる「タランテラ」はお正月のおせち料理かな(笑)。

堪能しますた~♪

ブログで検索「堕天使の涙」
ブログで検索「タランテラ」

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December 18, 2006

十二月大歌舞伎「芝浜革財布」

十二月大歌舞伎
17-Dec-2006
歌舞伎座

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一幕見にて観劇。

原作は落語の芝浜

落語の「また夢になるといけねえ」というサゲに対し、芝居では、大晦日に夫婦で一緒に三年ぶりの酒を飲み、財布の金は大火に見舞われ困っている人たちに財布の中身を丸ごと寄付して幕。

ドラマ性や魚屋のキャラクターの描き方は落語の方がはるかに上だと思われるのですが、前半の貧乏長屋と後半の小僧さんを使うまでになった店構えの対比、友達を呼んで酒飲みながら女房自慢するくだり、夫婦で杯をやったりとったりするかたわら、新年を迎え獅子舞がやってくるところなどは、ビジュアルな表現ができる芝居の強み。

悪人が一人も出てこない、肩がこらない内容、しかもお正月のおめでたい雰囲気で幕となるので、それこそ年末に相応しい一幕なのでしょう。

落語だとトリの大ネタですが、歌舞伎では一幕の小品というのが、なんだか面白いですね。

ブログで検索「芝浜革財布」

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December 17, 2006

Hula-Hooper「嘘かも知れないけど、オリジナル」

Hula-Hooper
16-Dec-2006 20:00~21:30
新宿村Live

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前回公演「何かのプレイバック」に続き、2回目。
「10年遅い学園モノ」「学園恋愛活劇」という宣伝文句でしたが、ま、そのとおりで、そのうえミュージカルで、最後は、なんとファンタジーでした。

出演者全員女子、おはなしの舞台は女子高で、女子高の恋愛モノ。(蛇足ながら、これが男子高の恋愛モノだったら絶対見たくないぞう(笑))

ミュージカルとして立派に成立しちゃってるところがすごいです。実は昼間、宝塚見てたりするのだけれど、なんだか優るとも(...かどうかはわからないけれど)劣らずな感じで、ビシッときまったミュージカルシーンでした。

後半、空調が暑いなあと思ってたら、最後に搬入口開けて、外に出演者退場する演出で、外気が入ってきてちょうどよい室温になりました。それでワザと暖房暑めにしてたのかあ。

懐かしい曲が多く使われていましたが、なかでも「よろしく哀愁」が自分的にツボ、名曲だあ。なんだか鼻歌で歌いながら新宿駅まで歩いて帰ってしまいました♪

ハニー役の上田遥さんが、(役として)普段はハニャハニャしたしゃべりなのに、ミュージカルシーンではとたんに低めの通る声になり「おぉ~っ」と思いました。

現在の高校生の話し方や生態がどんなものかよくわからないけど、おそらく、この舞台はリアルに"いまどき"ではないような気がします。やっぱり10年遅れの学園モノなのです。で、出演者も10年前に高校生だったような皆さんだし、観客は10年以上昔に高校生だったような感じなので、これでいいのだ♪

扱ってる内容は、イジメやら性同一性障害やら自殺やら妊娠やら、割とリアルタイムなネタなのに、80年代の学園ドラマ風なところがあって、妙に懐かしかったりします。

団長の菊川さんは、最後まで「にぎやかし」的なキャラっていうか、おはなしの終末が過剰にシリアスにならないような存在になっていたように感じました。これはうまいな♪

総勢14名でしたが、全員キャラがたってて、ホントにあんなクラスだったら恐ろしいな(笑)

新宿村Live、中央の2本の柱は、ちょっとジャマくさいです。...っていうか、ちょうどラストのシーンが柱で隠れてしまう席に座ってしまった自分も悪い(笑)。教室のシーンはよく見えたので、プラスマイナスゼロとしようっと。

ブログで検索「嘘かもしれないけど オリジナル」

さーて、郷ひろみベストでも買いに行こう(笑)

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December 11, 2006

SPIRAL MOON「サクラソウ」

SPIRAL MOON
10-Dec-2006 13:00-14:40
ザムザ阿佐ヶ谷

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SPIRAL MOONは、前回公演「みちかける」が初見。で、結構心にしみちゃったので次回も見たいとは思ってたですが、直前まで行けるかどうかわからず、結局当日券で。

サクラソウのソウは草ではなく葬なのですね。桜の木の下にお骨を埋めるんだそうです。土に還り、やがて桜として生まれ変わるようです。

 海岸沿いの場末の喫茶店に集う常連さん。それぞれ持っている悩みや問題が、人との関係のなかで次第に解決の方向へとすすんでゆく。人の心の温かさっていいよね。

 そして、事態が好転に向かいはじめたところで登場人物は舞台から消え、そこに(月の光か陽の光か)優しい光だけが残って幕。妙に心地のよい余韻が残ります。

 最前列で拝見したですが、客席と舞台の境がなく、地続きならぬ板続き。そのせいか舞台上の空気がそのまま感じられるのです。
やっぱり、見に行って正解だったな♪

最後の将棋盤のくだりは、てっきり盤面をそのまま残して幕だと予想してたけれどハズれました(笑)
喫茶店名物のタコライスが、いつ出てくるか楽しみにしてたのに、ついに姿を見せず。ちょっと残念(笑)

前回公演のときも感じたのですが、製作総指揮の落合由人さんの前説は、天下一品ですね。

ブログで検索「サクラソウ」

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December 10, 2006

アロッタファジャイナ「偽伝、樋口一葉」

アロッタファジャイナ
9-Dec-2006 19:00-21:15 + アフタートーク
新宿シアターモリエール

061209

 場面転換のテンポが実に映画らしいのです。断片的なシーンが、(時間と場所を変えつつ)映画のカットのようにめまぐるしく重なって物語が進むのです。

 一葉は、一人二役ならぬ二人一役。ダブルキャストではなく、ホントに同時に二人が舞台上に登場します。映画なら編集でどうにでもなるけれど、映画的構成の脚本をそのまんま舞台化したら「これは二人いないと不可能だぞう」となったのではと思います。(顔の違う一葉が登場するので、慣れるまで頭が混乱しますが、作る側もひらきなおって、二人一役でなくてはできないことを、敢えてやっているように感じました)

最後の、結核で亡くなった一葉が、(あれはあの世という設定なのか夢のなかという設定なのか)桃水と抱き合い、上からピンスポ、赤い羽根が降るシーンは美しかったです。

カーテンコールの演出もよかったな。役者さん本人でなく、あくまで役柄としてのカテコ登場。
そして最後の最後に、二人の一葉が並び、お互いに見合って舞台後方へ消えていきますが、同時に舞台上に居ても物語上の一葉は一人きりだから、二人が見合うというのは、実はこの瞬間まで無いのですね。これは見事な演出だと思いました♪

 一葉の妹役の今橋由紀さん、一葉の死に大泣きしながら幕なのですが、カーテンコールになってもまだ涙が止まらず、それ見てつられ泣きしそうになってしまいました(笑)

 お力役の野上智加さん、口調に「お江戸」を感じました。衣装が白の洋服で、しかも現代口語のセリフですすむ舞台ですが、お力さんがしゃべると「一葉って明治時代の人だっけな」と、ちょっと思い出させてくれます。

テレビ、映画関係の関係者とおぼしきおともだち多数。みんな体デカいうえ、段差の少ない客席のため見づらい場面が多々あり(笑)

 舞台にするより映像化に向いてる脚本だと思いました。この舞台はDVD化されるそうですが、この脚本を映像化したDVDの方が激しく見てみたいな。


蛇足

この日、昼間は宝塚「墮天使の涙」観劇。
で、「偽伝、樋口一葉」は衣装が真っ白で天使っぽいし、ラストの「ピンスポ赤い羽」のシーンは、宝塚の「雪降るノエルで登場人物ピンスポ」と似ており、頭のなかで「墮天使の涙」がオーバーラップしてきてしまった。
舞台のハシゴは控えよう(笑)

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December 07, 2006

ポツドール「恋の渦」

ポツドール
3-Dec-2006 14:30-16:50
新宿THEATER TOPS

061203

ポツドール初見。
見入ってしまったせいか、オーバー2時間の長さを感じなかったです。

冒頭、全員が一部屋に集まり同時多発的な会話が繰り広げられるのに、ちゃんと聞き取れて、わけがわからなくならない。計算しつくされた演出なのですね。すごい。(このシーンだけでもリピートで見たい)

○○密着24時間ではないけれど、男女9人(4部屋)の様子を1週間密着取材、その間のいろんな紆余曲折のドキュメンタリを見ているようでございました。

宣伝コピーで
 「恋愛は恥ずかしい。でも、こればっかりはしょうがない。」

とありましたが、自分的には舞台暗転の度に鳴る大音量のBGMに毎回ビクっとしてしまったのを、後方のお客さんに見られて恥ずかしかったな(笑)

・過ぎ去った若い頃を遠い目で、あの頃は携帯なんぞなかったよなあと思ったり。

・相撲カレンダーはタカシくんの趣味なんだろう、いいやつだ(笑)

・トモコの部屋のカレンダーが今年のではなかったのは御愛嬌。
 (これも何かの意図があったのでしょうか?)


もし、これを落語化したら純情日記新宿編って感じだと思います。
(柳家喬太郎の純情日記シリーズは、舞台化してみるのも一興ではないかと)

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December 02, 2006

タカラヅカきてぃ その2

「宝塚歌劇&ハローキティ」 夢のコラボレート企画第2弾!

で、ぬいぐるみは第1弾よりも小型になり、しかも顔の造作の出来もよくなっていますので「買い」でしょう(笑)

061202

各組の根付も発売されたので、根付マニアのおともだちは大喜びですね。

さて、


【今後の発売予定】(2007年1月1日以降発売予定)
 ・ぬいぐるみマスコット(着物袴)・・・1200円
 ・ぬいぐるみ(着物袴)(軍服)・・・2100円

この軍服というのが楽しみですね。
(そのうち、ベルばらキティとか、エリザキティとか、出てきそうな予感)


その他、キャンディ、おかきなどのお菓子も続々登場予定です。
数量限定販売となっておりますので、どうぞお早めにお求めください。

大劇場に対する東京宝塚劇場の最大の欠点は、菓子類が劇場内の販売のみのため、観劇しないと買えない点でしょう。ヅカキティ菓子も、劇場内限定なのかなあ?


買い物して、キャトルレーヴ出て、ごはん食べてたら19:30になったので出待ち見物。
凰稀かなめの顔の小ささと体の細さは思わず見入ったね。すげー(笑)

蛇足ながら、宝塚の出待ち、写真のデジタル化が世間よりも1~2年遅れているんじゃなかろうか。
デジ一眼を見かけるようになったのが、つい最近のような気がするのです。

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