十二月大歌舞伎「芝浜革財布」
一幕見にて観劇。
原作は落語の芝浜。
落語の「また夢になるといけねえ」というサゲに対し、芝居では、大晦日に夫婦で一緒に三年ぶりの酒を飲み、財布の金は大火に見舞われ困っている人たちに財布の中身を丸ごと寄付して幕。
ドラマ性や魚屋のキャラクターの描き方は落語の方がはるかに上だと思われるのですが、前半の貧乏長屋と後半の小僧さんを使うまでになった店構えの対比、友達を呼んで酒飲みながら女房自慢するくだり、夫婦で杯をやったりとったりするかたわら、新年を迎え獅子舞がやってくるところなどは、ビジュアルな表現ができる芝居の強み。
悪人が一人も出てこない、肩がこらない内容、しかもお正月のおめでたい雰囲気で幕となるので、それこそ年末に相応しい一幕なのでしょう。
落語だとトリの大ネタですが、歌舞伎では一幕の小品というのが、なんだか面白いですね。
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