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February 2007

February 28, 2007

もざいく人間「三つ葉商事」

もざいく人間
24-Feb-2007 14:00~15:40
しもきた空間リバティ

Corich公演情報

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三つ葉商事第二営業部外商課
――そこは、人材の墓場といわれた「第二営業部」。

社員達は、永久に来ないチャンスと引き換えに、
競争のない緩やかな幸せを手に入れていた。

彼らはそれで幸せだった。そしてわりと裕福だった。

だがある日、経営合理化の波と共に、部署廃止の動きが持ち上がる。

部署存続の条件は一ヶ月の間に2億の利益をあげること。

平穏な生活を脅かされた社員達は嘘のようにバリバリ働き、
「おいおい、お前そこまでやれるなら、はじめからちゃんと働けよぉ」みたいな、
なんかそんな感じになって…

 で、2億円を稼いじゃったのですが(笑)、どうにかして第二営業部を潰したい社長夫人は、その2億の小切手を隠してしまいます。2億の小切手をめざして、地下の第二営業部を抜け出し、最上階の社長室をめざす営業部員たち。

 彼らの前に、特殊能力を持った部長連中がたちはだかります。戦いの末、たどりついた社長室で待っていた者は影のオーナー(?)ミスターブラック。壮絶な戦いの末、会社はあとかたもなく潰れれてしまったとさ。

だいたいそんなお話でした。


 後半の、会社を舞台にしたダンジョンズ&ドラゴンズ風の展開になってからは大笑いしながら見させていただいたのですが、前半はいまいちテンポに乗れず。野仲さん・横島さん・亀岡さん・芝原さんの4人のキャラの濃さに、他の出演者のキャラが追いついていないように感じました。

野仲さんのパイレーツオブカリビアンのジョニーデップと、亀岡さんのお歳暮仮面(ブリーフ一枚に三越の紙袋)は可笑しかった。

 いま考えると、前作の「新宿学園王」は、神懸り的な面白さでした。キャラの濃い役者さんが、初っ端からハイテンションで突っ走る舞台で、腹抱えて笑いましたが、今回の舞台は、前作比60%くらいの面白さだったかと思います。期待しすぎた分、ちょいと物足りなく感じてしまいました(笑)


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February 25, 2007

第53回所沢寄席「花形三ッ巴競演会」

24-Feb-2007
所沢市民文化センターミューズ マーキーホール

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林家たこ平「つる」
桂つく枝 「ちりとてちん」
柳家喬太郎「うどんや」
お仲入り
三増紋之助「曲独楽」
林家正蔵 「一文笛」


馬蹄形のホールで、3F席まであるのですね。落語聴くにはデカすぎるっちゃ(笑)

桂つく枝 「ちりとてちん」
大阪弁の「ちりとてちん」は初めて。激笑った。

柳家喬太郎「うどんや」
コロッケそばのマクラから「うどんや」へ。うどんの食いっぷりで自然に拍手起こる。

三増紋之助「曲独楽」
にぎやかで楽しい。「風車の独楽」で客席降り。安全とわかっていても心臓に悪い(笑)

林家正蔵 「一文笛」
桂米朝に稽古をつけてもらった話から「一文笛」へ。
正蔵の高座って、半年ぶりかな(それ以上かも)。なんだか貫禄でてきて、"正蔵"らしくなってきた。

21:00終演
クソ寒かった。

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February 20, 2007

宝塚月組「パリの空よりも高く/ファンシー・ダンス」

宝塚歌劇団
18-Feb-2007 15:30-18:30
東京宝塚劇場

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ENAK STAGE GRAPH

「パリの空よりも高く」

 娯楽系商業演劇の王道をゆくような舞台。「瀬奈じゅん座長公演」って感じです。たまにはこーゆー楽しくて、しかも後には何も残らない軽~い作品もよいものです。時代劇から現代劇、耽美系からお笑いまで、いい意味でなんだもありなのが宝塚だと思います。

 出雲綾と未沙のえる、さすがの上手さ。コメディは、こーゆー脇でしっかり締めてくれる人がいてこそ、主役が光るのだと思います。

 霧矢大夢の歌は聞いていて心地がよい。ちゃんと芯がある声だから安定感がある。

 大空祐飛は、いつもの影のある役とは違い、ペテン師の弟分でちょっと頼りない男の役ですが、意外によく合ってました。

 プロローグの歌と踊りは長すぎるような。ロケットはショーでもやるんだから、プロローグでは削って、その分を本編のエピソードを追加して欲しかったと思いました。たとえばクライマックスの”嵐の夜”、実際にエッフェル塔の工事現場のシーンがあったらもっと面白くなると思う...

「ファンシーダンス」

ファンシーというわりには、けっこうハードな曲、ジャジーな曲が多いような(笑)。

 全体に娘役さんのかっこいいダンスが多く、満足度高し。

 オン・ザ・ビートで、ハット被った娘役さんたちが登場するところはしびれます。
 アイ・ワナ・ダンス、ラスト・ダンスでの紫水梗華は、かっこよすぎ。下級生の男役なんかよりもよっぽど男前である。退団しちゃうのがとっても残念。
 ダンス・ウィズ・ミーの彩乃かなみの最後の台詞がかわいい♪

 彩乃さん、地声で歌ってるところがありましたが、いつものふんわりした裏声とは違って迫力ある太い声でびっくり♪

 リピートしたくなるショーでございました。

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February 19, 2007

劇団桟敷童子「キリンの夢/コタツのある風景」

劇団桟敷童子
17-Feb-2007 19:00-20:30
西新宿成子坂劇場

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桟敷童子は「海猫街」が初見でしたが、以来すっかりファンで、番外公演とはいえ、楽しみにしておりました。

「キリンの夢」…罪と罰…

約30分の2人芝居。
死んだ友人への贖罪なのか、キリンを作り続ける女。死んだ友人は生まれつき心臓が弱く、地上で一番心臓が強いといわれている>キリンにあこがれていたから。死んだ友人は幽霊となって夜な夜な友人の前にあらわれるが、「次第に生前の記憶がなくなってきている。ここに来られるのも今日が最後かもしれない」という。そして、キリンの完成を待たずして、幽霊の友人との永遠の別れがやってくる。

幽霊系ファンタジーの小品。
最後にハリボテのキリンが動き出します。これがすげーリアル。

ホントに小品で、これ一本だけだったらいいところ800円(税込)が相当かなと思ったのですが...

「コタツのある風景」…変わらない日々…

約50分。
雪の夜。今日は一人静かに「ローマの休日」を見て過ごしたい主人公の部屋に、友人と元彼があつまり、コタツで鍋パーティー。アパートの外では交通事故。車通りが激しく、始終事故がある場所。やがて百合の花が手向けられ、事故で運ばれた者が死んだことを知る。夜中に猫を探して徘徊する老婆。小さい頃、コタツの中は別の世界につながっていいると信じていた主人公。友人たちを追い出し、一人きりになった部屋でコタツにもぐり、再び顔を出すと、そこは一面、百合の花が手向けられた銀世界に...

 明言はしてませんが、「コタツのある風景」での交通事故で病院に運ばれた人=「キリンの夢」で死んだ友人、と思わせるような構成になってます。友人・元彼が居るときは、始終大笑いのシーンが続きますが、彼らが寝て、主人公一人きりになると、途端にファンタジックになるのは、演出もさることながら、「キリンの夢」のイメージがとても効いてきているように思います。

...こりゃあ2本立てでなくっちゃいけないのですねー。

最後、コタツのある部屋が一面の銀世界に変わります。そのセットの見事さに、思わず「おーっ」って声上げちゃいました。
(自分としては、この銀世界、追い出した友人達が交通事故にあい、全員死んだか、もしくは主人公の部屋に車がつっこんで死んでしまったのか、死を暗示しているように感じたのですが...)

オムニバス風の短編2本立て、なかなか面白かったでーす♪

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February 18, 2007

「ひばり」

「ひばり」

17-Feb-2007 14:00-17:30
シアターコクーン

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 松たかこのジャンヌダルクで、月影瞳も出るぞってんで速攻チケット確保。


百年戦争と呼ばれた長い戦争終結の糸口をつくり、祖国を救った19歳の少女が裁判にかけられている。
何の専門知識も経験もないまま17歳で軍隊の先頭に立ってイギリスと戦い、連戦連勝を収めた戦歴、13歳の頃から何度も聞いた「フランスを救え」という神の啓示、それに伴って彼女が起こした奇跡。それらすべてが、イギリスとフランス、政治と宗教、大人達の虚栄心と欲望によってかき消されようとしていた。
法廷で自らの半生を演じさせられている男装の少女の名は、ジャンヌ・ダルクー。

 長い芝居と聞いていたので、たっぷり睡眠をとってからの観劇です(笑)。第2幕は異端審問裁判からちょっとトーンが暗くなるので、このあたりが寝不足だときつそう。

 いきなり裁判シーンか始まる上に、説明セリフだけでので。時代背景や、ジャンヌの一生について、ある程度の予備知識がないと、内容を把握しきれないかもしれません。
 ジャンヌダルク物は、リュックベッソンの映画版「ジャンヌダルク」、TV映画の「ヴァージンブレイド」、宝塚「傭兵ピエール」(原作:佐藤賢一)を見たことがあります。おかげで助かりました(笑)。(「傭兵ピエール」は、火あぶりになったのが身代わりでジャンヌが生き残るという創作系だけれど)。

 観客席を傍聴席に見立てた舞台構造で、裁判シーンでは客席側も明るく照らされます。火あぶりのシーンでは、舞台上だけではなく、劇場全体が赤い光で包まれるので、ちょっと興奮します。

 ジャンヌダルクって、無垢で、盲目的に神の存在を信じ決して疑わない、そのまっすぐさが魅力だと思うのです。まわりの大人たち、異端審問裁判で裁く側の宗教者たちだって実際に神の声を聞いた人間はいないだろうし、神の存在だって、学習によって信じ込んでいるだけだろうし。きわめて政治的な思惑をもって裁判にのぞんでいる者ばかり。そこに、神の声を聞き、その存在を全く疑わない人間があらわれたら、そりゃ恐いだろうと思います。だって理解を超えた存在だから。そして理解できない存在を裁く理不尽さ。

 ジャンヌを通じて、神様が見えたかどうかというと、正直そこまでは見えなかったのですが、これは物語の主眼がジャンヌと神様というより、神を信じるジャンヌと彼女を異端扱いする者たちの関係だからなのか?演出なのか、単なる力不足なのか?これはよくわかりません。

 劇中劇で語られるジャンヌの半生は、火あぶりではなく、シャルル7世の戴冠式の再現シーンで終わります。シャルル王太子をフランス国王にする使命をおびたジャンヌが、その使命を全うし、もっとも輝いていた瞬間、空を自由に羽ばたく「ひばり」になった瞬間だと思うのです。美しく、心にひびく、松たかこのジャンヌダルクでした。

 月影瞳と小島聖は、シャルル王太子の正室と愛人の関係ですが、そーいえばこの2人って、「やわらかい服を着て」でも、主人公の婚約者と恋敵の関係だったなあ。典型的な正妻顔/愛人顔のカップリングなのだろうな(笑)。

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February 16, 2007

「月の子供」

「月の子供」製作委員会プロデュース
23-Dec-2006 19:00-21:15
本多劇場

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 初演は2005年1月、劇・小劇場にて(officeblue

 あらすじは、初演時の劇評ですが踊る芝居好きのダメ人間日記 が詳しいです。月の子供補完計画なんてのもあるようです(「月の子供補完計画」検索してみてね)

 時間と空間が飛ぶので、1回見程度ではわからない。っていうか、わざとそういう構造にしてるんでしょう。難解系ファンタジーというか、理解するよりも感じる系ファンタジーというか、そんな感じ。

 三倉茉奈・佳奈は同じ佐倉悟役で、三倉茉奈が現実の悟、三倉佳奈がもう一つの世界の悟。
 茉奈・佳奈の長セリフが随所にあるのですが、これがとっても良いのです。佐倉悟はコインロッカーに捨てられていた孤児で、不治の病にかかっていて、たいへん不幸な身の上なのに、「人生迷ったら下を見ろ!」と叫びながら前向きに生きて生きます。その言葉がストレートに心に響いてくるのです。「おいらも前向きに生きていかなくっちゃ」と思ってしまうのでありました。

 戦隊モノのギャグシーンは、ちょっとくどかったかも。「二コールキッドマンが結婚して二コールキッド家」のくだりは不覚にも笑ってしまった。

 総勢60名のダンスシーンは圧巻。

とにかく、予想をはるかに超えて茉奈・佳奈の2人がよかった。もちろん最後まで、どっちがどっちかわからなかったけど♪

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February 15, 2007

黒色綺譚カナリア派「繭文~放蕩ノ吊ラレ作家~」

黒色綺譚カナリア派
23-Dec-2006 19:00-21:15
ザムザ阿佐ヶ谷

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「その家の次男は兄弟達を覗き見しては、妄想を加えて兄弟達の観察日記を書いていた。その視線を嫌がる兄弟達だが、その実、次男の日記を出版し生計をたてる一家なのだ。次男が人気作家である事を、次男本人だけが知らない。或る日、突然次男が『日記をやめて小説を書く』と言い出す。安堵する兄弟達だが、覗かれれない日々に次第に戸惑い・・・。いつのまにか兄弟達は、自身を次男の共同作家と思い込んでいたのだ。」

 Yahoo動画で前々回公演の「眼だらめ」でウォームアップしてからの観劇(笑)。「繭文」も「眼だらめ」同様、暗めのトーンの舞台であろうと思っていたのですが、予想に反して、妙に明るく愉快で、ホームドラマのようでした。

 後半、家族の過去が明らかになり、次女が家族の中で精神的に孤立していくあたりはアングラぽいっかなあと感じたのですが、最後の楽しい雛飾りセットと、すべてを突き崩すようなオチ...「なんだか落語みたいだな」というのが素直な感想です。

 明らかにヘンな人間達を、陰湿にならないようドライに明るく描いてるところ、後半、重く暗い結末を予感させといて、一気に足払いくらわせるようなオチって、落語そのものだと思うのです。

(前日、お江戸日本橋亭で聞いた、壮大なスケール&世にも下らないサゲの白鳥版「死神」を聞いたので、余計、落語と重ねてしまうのかもしれないけれど...)

 最後のオチの瞬間、全員の顔が面白かったですね。次女役の山下さんの顔は、ホントに「え」に濁点つけたような顔になってました。

 観察日記を書き換えたり、想像だけで勝手に日記を書いたりと、次第に日記の意味が崩壊していき、最後のオチにつながってくる構造は面白いな。

<蛇足>

劇中、みんなで食べてた「すあま」おいしそうでした。自家製らしいですね。

アフタートークの赤澤ムックさんは、意外に男前で江戸前な雰囲気でした。

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February 14, 2007

「地獄八景・・浮世百景」

G2 Produce
11-Feb-2007 14:00-16:20
世田谷パブリックシアター

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 パンフで紹介してる落語以外にも大ネタ小ネタ、ちょっとしたくすぐりまで、いろんな落語が入れ込んであって楽しいお話でした。
 冒頭で松尾貴史が「見終わってなーんにも残りません♪」みたいなことを言ってましたが、そのとおりで、何か深いテーマがあるわけでも大きな感動があるわけでもなく、ただただ楽しい150分、それこそ落語みたいなものでした。

 若旦那が小糸を生き返らせるために地獄へ向かい、閻魔と対峙するクライマックスではちょっとしたカタルシスもありますが、閻魔の涙で大洪水が起きたりと、やっぱりばかばかしい。

 石井徹也氏が「米朝再発見」という文章で、


...米朝師の特徴、それは「落語本来の視点」ともいうべき「ドライさ」ではあるまいか。
落語は都会的な笑芸であるためか、非常にドライな芸である。
 米朝師はご自分でも「さんざん、聞き手を引っ張っておいて、オチで、’な~んだ’という風に全てをひっくり返してしまう。落語というのはタイヘンにドライな芸である」と、書かれていたが、それはとりもなおさず、米朝師御自身の落語の捉え方でもある。
...瑣末なまでのリアリティは心理表現には持ち込まない。寧ろ、しばしばリアリティを薬味にして、落語本来の「笑い」を優先させる。だいたい、落語はリアリティで演じると大半が悲劇になって笑えなくなる。

と、書かれていますが、同様のスタンスで「地獄八景・・浮世百景」もつくられているように感じました。脚本の東野ひろあきさんも演出のG2さんも、出演の松尾貴史さんも、きっと米朝落語が大好きなんだろうなと思います。お芝居ですが、ちゃんと落語としても成立しています。(落語にあまり興味のない人間が落語ネタを舞台化すると、妙に芝居芝居して本来のバカバカしさが無くなってしまったりするでしょ。)

 世田谷パブリックシアターよりもコマ劇や明治座のほうがしっくりくるような気がします(笑)。そういう意味では、期待はずれに感じる人がいるかもしれません。

 主演・若旦那役の佐藤アツヒロさんですが、上方落語の世界の若旦那イメージ(頼りないけど憎めない優男)とはちょっと違うように思うのです。(自分的には、若旦那といえば、やっぱり桂小米朝なのです)

 小糸役の高橋由美子はかわいすぎ、松永玲子は上手すぎて見てて飽きません(笑)

 升毅の番頭さん面白い。市川笑也は崇徳院のくだりでは娘として登場なのだけど相手役が小柄な桂吉坊なので、キレイなんだけど大女なので可笑しかったです。

 すっかり芝居モードから落語モードに切り替わっちゃいました。終演後は急遽、お江戸日本橋亭「圓朝座」へ。(前述の石井徹也氏の文章も、実は「圓朝座」で配られた読み物の中に入っていたもの。)

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February 12, 2007

「フールフォアラブ」

パルコ劇場「新」スタンダードシリーズ
10-Feb-2007 19:00-20:30
パルコ劇場

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まず、思ったのは「アメリカ人って、病んでるよなあ」(笑)


『GO』、『世界の中心で、愛を叫ぶ』、『北の零年』、『春の雪』の映画監督、行定勲が舞台初演出!
香川照之×寺島しのぶが壮絶なぶつかりあいを繰り広げる
サム・シェパードの『フールフォアラブ』

...ということで、ドロドロした丁丁発止のやりとりがあるのかと思ってたら、(セリフは大声だったりするけれど)意外にも淡々としていて、頭と終わりを除くと音楽一切無し、無音となる場面も多く、特に前半は登場人物の関係も断片的にしかわからないので、油断するとフッと意識が遠のいたり...(笑)

 後半、甲本雅裕がでてくるとセリフのやりとりが面白くなり、そこからは最後まで集中して見られたけれど、寝不足だと、恐らく前半は寝ちゃうかも。(異様に大音量のドアを閉めたときのSEは、客を寝かさないためのものに違いない(笑))

 出演は香川照之、寺島しのぶ、甲本雅裕、大谷亮介の4人。
生で上の役者さんの演技が見られたことは満足なのだけれど...

 この物語での複雑な恋愛・人間関係自体は普遍的なものですが、その悩み方はキリスト教系の社会特有な悩み方ではないか?仏教系の社会ではこーゆー悩み方は絶対にしないように思う。登場人物の誰にも感情移入できなかったのです。いまひとつ自分には合わない舞台でした。

蛇足

カーテンコールの寺島しのぶはとってもキュートさんでした♪

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February 11, 2007

熱帯倶楽部「デンキ島」

熱帯倶楽部
10-Feb-2007 14:00-16:00
シアターモリエール

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 ちょっと懐かしい青春モノ。作風も直球ど真ん中という感じで、素直に感動できました。おそらく30~40代のおともだちはすんなりはいっていけるお話だと思います。

 とある島の若者たちの話で、現代と高校時代が行き来します。役者さんはおそらく高校生よりも三十路にはるかにちかいと思われますが、制服着ても全く違和感がないのがとっても不思議でした。

「書く女」に出てた石村みかさんが主人公・シンヤのお姉さんのスズカ役で出てました。口調がとってもよく、聞いていて心地よいです。劇団四季「夢から覚めた夢」のチケットが当選し、自分の病気のことも忘れてうれしくてたまらない様子、弟のシンヤと一緒に観劇から帰ってきて、興奮さめやらず大はしゃぎするところ、その後の弟に対して「すまない」気持ちを吐露するくだりは、よいシーンでした。(蛇足ですが、初めて宝塚を見て感動したときの気持ちを思い出しました。月に何本も観劇してると、つい忘れがちですが、初心って忘れちゃいけないよなー)

 原田恵子さん演ずる福部は、高校時代も現代も、他の同級生に対して「お母さん」的な存在なのでしょう。駅の売店の売り子さんの役ですが、とても雰囲気がよかったです。

 桟敷童子の小野瀬弥彦は、地上げ屋のヤクザで、イカレっぷりが印象的でした。カーテンコールでは、素のよい人の顔に戻るのですが、とても同一人物には思えませんでした(笑)

 ちょっと切ないけど懐かしくもあり、満足の2時間なのでした。

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February 08, 2007

東京小店「アメリカの夜と朝のあいだに」

東京小店
7-Feb-2007 19:30-21:10
下北沢OFF・OFFシアター

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アメリカの安モーテルを舞台にB級映画を彷彿させる群像劇がくり広げられる。

とのことでしたが、まるで、テレビ東京の「午後のロードショー」で1時間半枠におさめるために無理に編集して、話がとんじゃってるような気がしなくも無いけれど、結末が気になって、ついつい最後まで見てしまった映画のような舞台でした。

アメリカの某所。原因はわからないけれど付近一帯は封鎖され(鳩が大量発生しているらしい)、日本人旅行者は安モーテルに押し込められています。

3組の日本人旅行者たちが登場します。
1.アメリカで結婚式をあげるためにやってきた夫婦と、結婚の立会人を務める夫の友人。
 禁酒禁煙菜食主義の妻と、結婚指輪を紛失しあわてる夫とその友人。指輪を探しているとベッドの下から麻薬の入ったカバンがでてきて...
2.自主映画祭に出品するためにやってきたオタ三人組
 映画祭のための仮装ネタがかぶっただの、勝手にドーナツを食っただの、しょうもないことでもめている3人。隣の部屋から聞こえるあえぎ声が気になり、一人がビデオカメラを持って屋根裏に上る...
3.ネクロマニア系?のバンドの追っかけの娘2人
 一人は眼帯、父親はヤクザ者?もう一人は首ギプズに包帯、彼女が泊まった部屋では必ず何かが起こる...

 と、設定では、きっとヘンな人しか出てこない話だと思うのですが、女性3人以外は、根がちゃんとした人というか、常識のある人に見えてしまって、その結果、面白さが半減しているように感じました。「1941」って戦争コメディ映画がありますが、あの映画の面白さって誰一人まともな人間がでてこないところにあると思うのです。

 最後まで飽きずに見ることはできたけれど、もし、見るからにヘンな役者さんばかりだったら、もっと面白くなったのではないかなあ。

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February 06, 2007

聖ルドビコ学園「遥かなる時空を越えて 白ゆり剣士のみた夢―幕末編」

聖ルドビコ学園
4-Feb-2004 14:00-16:00
サンモールスタジオ

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沖田総司(桜木さやか)、近藤勇(宮島幸春)、土方歳三(林修司)。
この3人のやりとりが楽しい。
坂本龍馬や鞍馬天狗もからんできます。

ルドビコ学園1年生の鴇田知美さん、とんでもない飛び道具になりそうな予感(ポスト工藤利恵だと思われますが、よく見つけてきたと思います)

恒例のコーナーも健在。時代物でよく入れ込んだなあと感心。
「女王の教室」は、阿久津先生ならぬ阿久津太夫が登場。
「ベルばら」は劇中劇として。やっぱりこれがなくっちゃ♪

最後はホロッと泣かせる展開で、ここは宍倉さんの独壇場かな。

今回はハロプロエッグのメンバーが出演してないからでしょうか、本来の観客数に戻り、日曜の午後にふさわしい平和な客入れになってました。

聖ルドビコ学園の公演を観るのは、今回で4回目になりますが、根底に「ミュージカルがやりたいっ!」っていうのがあるように感じます。

次回は「白ゆり剣士のみた夢-平安編-」らしい。なんだか次回も面白そうだな♪

<蛇足>

新選組に坂本龍馬と、なんだか宝塚の東京公演と中日公演とミョーにリンクしているような(笑)
舞台最前に一段高い通路が設けられていて、ここに役者さんが立って芝居しするのですが、まるで銀橋みたいだし。

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February 04, 2007

月蝕歌劇団「花と蛇」

月蝕歌劇団
3-Feb-2007 19:40-21:40
本多劇場

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 この日、昼間は宝塚宙組観劇。同じ歌劇団でも、趣が全く違うじょ(笑)

詩劇ライヴ「暗黒の魔ー少女探偵団 vs プレイメイト戦士ー」

 月蝕の芝居は4本目になりますが、詩劇ライヴは初見。皆さん歌うんですね。

 オンディーヌ美帆さんの歌が、他の演者と比べて、ずば抜けて上手かった。どうやら発売予定のJ・A・シーザー音楽CDで歌う方のようですね。上手い素人とプロの明らかな差を感じました。"歌劇団"って名がついてる割には、歌が弱い劇団だったのがハッキリした舞台でした。
 月蝕歌劇団は、"学芸会"のようだと酷評されることは多いですが、もし、彼女たちがプロ並の歌の上手さを持っていたら、酷評はかなり減ると思います。

 スギウラユカさまの語りは◎、例えは変だけれど、ちょっと金子信夫っぽい声が聞いてて心地よかったりします。スカートを穿いていても、なぜか女装した男に見える(笑)

 オンディーヌ美帆さんの歌だけで、チケ代のもとを十分回収できた気がします。
まあ、オンディーヌさんの歌が無かったら、チケ代は高いともいえるなあ(笑)

「花と蛇」

 本多劇場のような大きな舞台じゃあ、スカスカになるんじゃないかという不安があり、直前まで観劇予定からはずしていたのですが、稽古場を見られた団鬼六さんの提案で夫人が主演の三坂さんに着物を提供する話を聞き、「そこまで原作者の意向が取り入られているのならヘンなものにはなるまい」と、急遽観劇決定。

 で、結果として、やはり観てよかった。(どの程度を予想していたかというのもありますが)予想以上によく出来ていたのでした。広い舞台を十分に使いきっていたと思います。本多劇場で見る月蝕踊りもよいものですね。

 前作「静かなるドン2」、前々作「龍馬は戦場に行った」では、秋葉系のアイドルを多用してましたが、正規メンバーとの役者としてのレベルの差がありすぎて、それこそ"学芸会"のようなぐだぐだした感があったのですが、今回は、団鬼六のSM小説が原作ということもあってか、アイドル系を使えなかったからなのでしょう、あまり気になるようなレベル差はありませんでした。

主演の三坂さんは、脱がされたり縛られたり、体当たりの熱演。
木塚咲さんの悪い女っぷり、見ごたえアリ。
現八郎役の瀧口修央がよかった。(プロフィールみたら、結構経歴すごい人だった)

最後の、"静子"さんが縛られ吊るされるシーンは圧巻。
(蛇足ながら、もし、ザムザ阿佐ヶ谷のような小さな劇場だとしたら、生々しすぎて目をそむけてしまうお客さんも出てくるのではと思います。本多劇場でやって正解だったと思います。)

黄金咲ちひろさんの金粉踊りですが、ちょっと唐突すぎ。もうちょっと自然な登場にできなかったものか。

縛り以外のSMシーンが、暗転ナレーションのみというのは、やはり舞台では難しいのでしょうか。シーンそのものは見せられなくても、それを見ている人間を舞台に登場させるとか、何か方法はあったのでは。

 土曜日ということもあり、座布団席出まくりの超満員(笑)。正直、ここまで本多劇場がいっぱいになるとは思いませんでした。びっくり♪
毎度おなじみの整理番号順入場の自由席でしたが、全席指定にすべき人数だったと思います。客入れに時間がかかり20分以上開演が遅れました。客入れする役者さんの手際の良し悪しや、劇団内の上下関係が垣間見られ、面白いといえば面白かったですが(笑)

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February 03, 2007

ロリータ男爵「来来!図書館」

ロリータ男爵
31-Jan-2007 19:30-21:20
中野ザ・ポケット

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初日。豆まきプチセレモニーあり。

 役者松尾マリオさんの前説後、スタッフから豆の詰まったペコちゃんの紙袋を受け取り、豆まきスタート。紙袋、ちょっと欲しく思う(笑)。舞台から投げた豆は、客席からも投げ返して楽しい豆まき風情。草野イニさんの青鬼、丹野晶子さんの赤鬼も登場。

 さて、本編は、


本棚を背負って、本を貸す旅を続ける"移動図書館"のお話。
オープニングテーマの後、パン屋登場。家の「隙間」を埋めるためのパンの注文が殺到し生産が追いつかない。いっそ死んじゃおうかという始末。
 移動図書館を密かに追うデブの保安官。興奮すると極度の加齢臭を発する大富豪と、その3人の妻。大富豪の主治医と看護婦。大工。

 移動図書館、実はニセの情報を記した本ばかりを貸している。パンが家の隙間を埋めるのに使われるのも、おそらく家に隙間が出来ちゃうのも、ニセ情報の本のせい。(「あるある」を皮肉っているようで、これが偶然なら、恐るべき偶然ですね)

 パン不足のため、大富豪のウチでは、パンのかわりに移動図書館の本で隙間を埋めたが、「隙間」の無くなった家は、大富豪の発したすさまじい加齢臭でたいへんなことに!移動図書館の総元締まで登場し、大騒動から館は崩壊へ。

...という話が、実にバカバカしく進んでいきます。

 クライマックスの崩壊のシーンは、文字通り舞台セットが崩壊します。ここまでするかっていうくらい。舞台セットで感動したのは桟敷童子の「海猫街」だったけれど、その対極にあるようなバカバカしく楽しいセットでした。「八時だよ!全員集合」の舞台のようでしたね。(お約束の洗面器落ちもありました)

 初日にもかかわらず、背負った本棚が壊れたりしてましたから、千秋楽まで、大道具小道具の維持は大変だろうな、とちょっと心配。

草野イニさんの"デブの保安官"は、まさに「出落ち」の面白さ。あれは卑怯だ(笑)携帯ストラップ人形とか出たら買いたいな♪

看護婦さん役の新実真代さん、美人さんでした。

佐伯さち子は、気の弱いパン屋の店長役でしたが、ボーっとした雰囲気がなんともよかったです。所属劇団の「野鳩」の公演が見たくなりました。

バイトちゃん役の斉藤マリさんは、店長の前だと強なのに他人の前だと弱気になる、その変わりっぷりが上手いなあと思いました。「てぃぇんちょぉぉ~」という声が、ヤケに耳に残ります。っていうか、いまだに残ってますが(笑)

人によって好き嫌いが分かれるようですが、自分的に「好き」。
ゆるくて下らなくてバカバカしくて、頭使わずに笑っていられる快感というのはあるものですね。

サントラCD購入。わーい♪

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