May 2007
May 30, 2007
May 29, 2007
シベリア少女鉄道「永遠かもしれない」
シベリア少女鉄道
27-May-2007 14:00~16:15
池袋 シアターグリーン BIG TREE THEATER
"壮大なネタふり"が、そのまんまネタになってるというか、永遠につづきそうな"ノリつっこみ"というか。
ちょっと長くてダレる部分もありましたが、実はそれも狙いのような気がする。
ネタバレになるので、細かく説明できないのだけれど...
日本語講座「ただいま」編のオチは秀逸。
忠臣蔵とサザエさんという、日本人の心の故郷みたいなモノを結びつけたのはうまいな。
吉原朱美がよかった。
かなり演芸系の香りがした。大笑いできたので満足なり。
寒空はだかカラフルロスタイムショーvol.4
.「寒空はだかカラフルロスタイムショーvol.4with栗コーダーカルテッド&林家彦いち」
ざぶとん亭 風流企画
27-May-2007 19:00-22:00
六本木SUPER DELUXE
昼間、池袋でシベリア少女鉄道「永遠かもしれない」を観たせいか、すっかり気分は演芸モードで六本木へ。
MICABOX feat.Ayako Takato
「銀座カンカン娘」
「風をあつめて」
「東京タワーの唄」
「風をあつめて」って、TBSで日曜朝やってる東京ウォーキングマップという番組のテーマ曲として使われてるのですが、、この番組、月イチの「落語研究会」の放送を見たあと、なんとなく流れで見ちゃうことが多い。夜なのにとっても早朝な気分がしてきちゃったのでした。
高遠彩子さんって、たぶん悲しい歌を楽しく歌ったり、逆に楽しい歌を悲しく歌ったり、自在に出来る人なんじゃないかと思う。
ブラックな時事ネタ多数。ハードボイルドディズニーランドと皇室漫才が面白かった。
テレビじゃぜったい放送できないっぽい♪
林家彦いち「長島の満月」
登場早々座布団投げ♪
脱税ネタからスタート。
著書「いただき人生訓」の紹介。志ん朝の駅を通過する新幹線を見てのひとことが可笑しかったなあ。
「長島の満月」では、友達の話題についていけない様子をみて、思わず「かわいそー」ってつぶやいてるお客さんがいたりして。
寒空はだか&栗コーダーカルテッド「俺は殺し屋デンジャラス」
清水宏乱入
8/8 日比谷野音ライブの告知のために登場。映画予告編「バイオレンス一家サザエさん」をやってくれた。
~仲入り~
栗コーダーカルテッド
初・生栗コーダーでした。ピタゴラスィッチのテーマ曲が生で聞けてちょっとうれしい。
ウクレレ風ダースベーダのテーマは、可笑しくてたまらなかった。
出演者全員+春風亭昇太+今野英明(ウクレレ)+ポカスカのんちんによる「ジャパニーズマンボ」
フィナーレ「東京タワーのうた」
人口密度の高さが客席の一体感を生み、面白さ・楽しさが倍増している会だよなあ。
行って間違いなしだと思うデス。
次回は7/8。
May 27, 2007
player's market 「基礎体温 part3」
player's market
26-May-2007 14:00~15:20
OFFOFFシアター
あの基礎体温がやって来る。今注目No.1の落語家、柳家喬太郎が書き下ろす、3作目!! 今回は3人の女が、バトルを繰り広げる。乞うご期待!!
作=柳家喬太郎
演出=間宮啓行
開演前の諸注意・挨拶は喬太郎さん(録音)
舞台中央のちゃぶ台を中心に繰り広げられる三本立てのオムニバス。
「ゴミ屋敷」
ゴミ屋敷の住人(土井きよ美)と居候(杉山明子)。居候(杉山明子)は割り箸で東京タワーを作ろうとする...
「嫁と小姑」
シノさんと呼ばれる年配の女性(橘ユキコ)と、シノにお嬢様とよばれる若い女性(杉山明子)。若い女性は「お嬢様と呼ぶのはやめて」と言う。
じつは、シノは出戻りで、若い女性はシノの父親がもらった若い嫁で、シノよりはるか年下で...
「屋上のスキヤキ」
ゴミ屋敷の住人(土井きよ美)と居候(杉山明子)と大家(橘ユキコ)の三人が屋上でスキヤキ。でもそこは屋上じゃなくて屋根が無くなった家の二階の一室。やがて雨が降ってくる...
東京タワー、嫁と小姑、スキヤキがご馳走、ちゃぶ台、雷雨。ちょっと昭和のにおいのする日常なのに、とんでもない設定。シュールな小津安二郎って感じがしました。(ちょっと前に観たナイロン100℃「犬は鎖につなぐべからず」にどことなくテイストが似てる。)
最初はこうだと思わせておいて、実はこうなんだよっていう展開は、いかにも喬太郎さんの新作っぽさがありますし、出てくるアイテムやセリフも、喬太郎さんっぽい。
劇中で使われていた東京ホテトル音頭の着メロは、本気で欲しいと思いました。
女優さんは、みなさん芸達者さんですが、なかでも土井きよ美さんが印象に残りました。飄々としていて、シュールなボケ役というか、アダルトなツンデレ系というか。
来場者全員に「割り箸の束」のプレゼント有り。なんだか助かります♪
劇団桟敷童子「軍鶏307」
劇団桟敷童子
25-May-2007 19:30~21:30
戦時中。息子が召集されないよう、あらゆる手を使う母親。非国民の扱いを受け、息子は戦地に送られ、やがて戦死。
そして戦後、引揚援護局指定病院"能嶋病院"。暴行され妊娠した女性の堕胎手術(当時は違法行為)が行われている。先の母親も患者のひとりで"メンドリさん"と呼ばれている。息子の死後、精神を病み、意識は戦時中で時が止まったまま。
あるとき、メンドリさんは占領軍のアメリカ将校に暴行を働く。米軍との闇取引で儲けている地元のヤクザが、彼女を差し出せと、病院にやってくる。食うためにヤクザの元で働いている復員兵の心は、ヤクザへの義理と、病院の者達への人情の間でゆれうごく。
芝居自体はフィクションでも、実際に、このような病院はあったわけで、やりきれないものがあります。
参考:戦後…博多港引き揚げ者らの体験
メンドリさんは、復員兵でヤクザの手下の一人"雷吉"を、戦地から戻ってきた息子だと思って、彼を守ろうとします。ヤクザ同士の抗争に巻き込まれた雷吉を救うため、メンドリさんは竹槍をもって飛び出していく...
メンドリさん(鈴木めぐみ)の、息子を死なせたない(人を殺させたくない)という叫びが、こちらの心に洪水のように流れ込んでくる。何の飾りもなく、みっともないくらいあからさまな純粋な叫びだからなのでしょう。なんだか泣けたです。
クライマックスで、メンドリさんが竹槍(物干し竿)をもって突進してくるシーンは、倉庫の広さをうまく生かした演出・照明で印象に残った。(ラストの大仕掛けよりも、好きなシーンだなあ)
元従軍看護婦の桜(板垣桃子)、文字通りの白衣の天使。患者を守ろうと物干し竿でヤクザに立ち向かい啖呵を切るくだり。この叫びも、やはり純粋な心の叫び。"純粋さ"には、世俗の垢で汚れた心では勝てない"絶対的な強さ"があるのだなあ。
生きるためには、良くないとわかっていてもせざるを得ない時代で、楢崎組の娘・楢崎照子(中井理恵)だけは決して自分の手を汚すことはなく、戦争でキズを負った人間のことなど、まるで他人事。現代の若者の姿を暗示しているかのようで、これは恐いな。
舞台の上はひたすら熱く、そのせいか、観ていて自然にコブシに力が入ります。幕となっても、しばらく放心状態で立ち上がる気も、アンケート書く気もせず。
May 23, 2007
宝塚歌劇団「さくら/シークレット・ハンター」
宝塚歌劇団
20-May-2007 11:00~14:05
東京宝塚劇場
詳しい内容はこちらで(ENAK STAGE GRAPH)
「さくら-妖しいまでに美しいおまえ-」
オープニング、チョンパではじまる若衆姿の総踊りが美しい。
安蘭けい、和化粧がよく似合う。
遠野あすか、体は細いのに顔が丸いので、とても柔らかい感じがする。
「桜は人の心を狂わす」というけれど、桜の木の下で、若衆が踊るというのが、とても非日常的に感じられる。まるで桜の精が若衆姿であらわれて一夜限りの舞踊り...単なる和モノのショーというより、和風ファンタジーの世界。
松本悠里の踊りが、いまひとつ目立たないのも、ファンタジー寄りの和モノだからなのではないかな。(「長崎しぐれ坂」や「花の宝塚風土記」のような本寸法の舞踊の場面でば松本悠里の存在が際立っていた。)
「雛人形の反乱」「オペレッタ狂言」は、昔の「時代劇ミュージカル」のようなポップさあって、たいへん楽しい。こんなに笑いが起きるショーも珍しいと思う。
お内裏様と三人官女、武者人形とお雛様が、それぞれ不倫関係にありそうで面白い。
「シークレットハンター この世で、俺に盗めぬものはない」
冒頭の宝石泥棒のシーンから、安蘭けいの芸達者ぶりを堪能。
こういう軽妙洒脱な悪党やらせたら、安蘭けいは日本一だと思う。逆に正統的な王子様は似合わない。(相手役の遠野あすかも、正統的なお姫様が似合わないタイプだから、ある意味、この二人って似たもの同士なのだろうな)
主演の二人、歌も芝居も安定していている。
ローマの休日ならぬカリブの休日といった趣向のコメディで、全編ラテンの音楽が楽しい。
イグナシオのアサルトライフルは、あんなもん持ち歩く刑事の助手はいないだろーと思うけれど、キャラとしては面白いので無問題。アナマリアがシュラウド付きラバー・グリップのリボルバーだったり、男爵がシルバーのシングルアクションだったりするあたり、見事にキャラにあってると思うのだが、児玉先生は結構ガンマニアだったりするのかな。
英真なおきの父母二役、アル中のオヤジだったのが、最後に母親になって登場するのだから大笑い。同じ顔の両親から、どうしたら安蘭けいのような顔の息子が生まれるのか、とっても不思議だ(笑)
蛇足
児玉先生にしろA/Lの斉藤先生にしろ、やっぱり「ルパン三世」を共通言語にもつ世代だよなあと思った。
May 21, 2007
座キューピーマジック「プリズマティック・オーシャン」
座キューピーマジック
20-May-2007 16:00~17:40
中野MOMO
産みたい女、産みたくない女。
産めない女、産めないオカマ。
小さなワイン・カフェ「ル・シエル」で交差する命たち。
名もなき神様は、まだ、私たちを見放してはいないかもしれない。
店にやってくる女性達とオカマの店主とゲイの使用人、ちゃんとした男が絡んでこないあたり、上手いなあと思うのです。(ちゃんとした男は二人登場しますが、単なる相手という記号としてしか存在してない)
で、このオカマさんが憎まれ口たたきながらも、とっても暖かい人。
"産みたくない女"が、仕事をとるか子供をとるか悩んだ後、子供を生む決意をするくだりも、"産みたい女"が死産してしまうくだりも泣けますが、ゲイであるが故に家族から疎まれ、癌で入院中の母親の見舞い行けない使用人のくだりが結構泣けたりする。
"プリズマティック・オーシャン"とは造語とのこと、恐らく雲の上を飛ぶ飛行機から見た彩雲のことだと思われ。
「雲が虹色の海のように輝く。あの美しい雲を、自分の子供にも見せてやりたいと思った」って、なんて素敵だろうなと思う。
見終わって、暖かい気持ちに慣れる、そんな舞台でございました。
(だから毎回見に行っちゃうのだろうなと思う。)
作・演出 神野恵子
この手の話って、やはり「女性ならでは」の作品...いや、書こうと思えば(苦労はしても)男でも書けるのではないか?恐らく、書けないのではなく、書けるかどうかの自信が持てない、書く勇気がもてないだけなのじゃないかと思う。
"産めない女"役で、出演もされていますが、神野恵子さんって、人の話を聞いているときの表情や相槌の打ち方がハイパーリアルで、しゃべっている人の表情を見ているよりも、彼女の表情を見ていたほうが、言葉が、より伝わってくる感じがする。
「エリザベート」
梅田芸術劇場
19-May-2007 17:00~19:50
新宿コマ劇場
チケット代は高いし。東京はコンサートバージョンだしなあと、行こうかどうしようか迷いつつ、他の芝居やら落語会やらを予定に入れていたら全部埋まってしまい、観劇不可能になってたのですが、5/19に観劇予定の桟敷童子が17~20日まで公演中止となったため、急遽当日券にて観劇。
価値ある13,000円、いや、それ以上の価値あり。
大道具が無かろうが、そんなことは些細なことに思えてくるくらい素晴らしい舞台で、大満足。歌が脊髄にビンビン響いてきます。歌はドイツ語でさっぱりわからないのに「夜のボート」は聞いていて泣けてきました。(後ろの席の人はホントに泣いてたし)
もちろん宝塚版で物語のあらすじは知っているというのはあるけれど、言葉がわからなくても伝わってくるものはあるのですね。
宝塚の特殊性というのはあるだろうけれど、オリジナルと比べると、いかに宝塚版が改変されていることか。スカイステージの番組中で一路真輝が、「よくウィーンが改変を許してくれましたよね~」なんてことを小池修一郎に言ってたけれど、ホントにそう思う。
宝塚版だと、エリザベートとトートが一緒になって(結ばれて)昇天していくけれど、オリジナル版はトートがエリザベートを抱きかかえて闇に消えていくような終わり方なのですね。宝塚は白トート、オリジナルは黒トートというところでしょうか。
反ユダヤを暗示する政治的な場面もあったり、エリザベートがフランツから性病うつされたりと、かなり暗い要素が多い。いかに宝塚版が愛に特化したエリザベートになっているか。
ちょうど宝塚大劇場では雪組エリザベートが始まったところだし、7月には東京公演がスタート。エリザベート祭だなあ。
最後に、
ウィーンの皆さん、素晴らしい舞台をありがとう。
梅田芸術劇場さん、オリジナル版の日本公演を実現してくれてありがとう。
制作発表の動画では「闇が広がる」と「私だけに」が聞けます。
バジリコFバジオ「グレイトフル・デッド」
バジリコFバジオ
19-Nay-2007 14:00~15:50
しもきた空間リバティ
ナ○シカ、ラ○ュタ、紅の○、奇面組、火サス、コボちゃん、フリテンくん...
ネタの引用元が微妙に昔目なのがうれしかったりして(笑)
昭和24年の日本の田舎の話なのに、どこか無国籍な感じがするのは、美術&人形と選曲と、主演の木下さんの洋モノっぽい雰囲気の影響が大きいと思います。 (洋モノのアニメとかB級ドラマに出てきそうな感じというのかな)
田中あつこさんのアダルトな役って初めて見ました。なんか新鮮♪
デス二人組版「賢者の贈り物」のくだりが可笑しかった。
古市さん、過去のありそうなメイドさん役は適役。なんて説得力のある声と表情なのだろう。
やはり素敵におバカな舞台なのでした。
May 17, 2007
ナイロン100℃「犬は鎖につなぐべからず」
ナイロン100℃
13-May-2007 14:00~17:00
青山円形劇場
5/13は神田祭、しかも今年は本祭り。
朝から神田祭でお神輿の宮入を見物、混雑で神田明神から御茶ノ水駅までえらい時間かかったりして、渋谷駅から早足。坂がきついよう。で、ギリギリの劇場到着で、汗がなかなか引かなくてタイヘンでございましたよ。
男女のあり方、言葉使いがいかにも昔風、日常のなにげない出来事、小津安二郎の世界のよう。この雰囲気は好き。
豆千代さんの和装監修、着物がちゃんとしてしかも綺麗でお洒落。いかにも昭和初期っぽい雰囲気がたまりませんね。
合間のポップな踊り(振付:井手茂太)が楽しい。
「隣の花」で、緒川たまきさんが、一人で静かに旦那の着物をたたむ仕草、なんともいえない色気があります。
松永玲子さんは、フツーにしてたらきっと美人なんだろうけど、マンガに描きやすそうな面白い表情をする人だなあ。
有料パンフは絵本のような装丁、1500円とお高いですが、納得できる内容です。「ケラvs松たかこ」の対談まであって、なんだかお得。
植木夏十さんが三輪車を乗りこなしてたのに感動。あの足の長さで、よくもまあ器用にペダルを踏み、しかもスイスイとバックまでしちゃうって、なんだかすげえな。
終演後、再び神田明神へ。
この日最後の宮入は天野屋さん。
May 13, 2007
「死のバリエーション」
世田谷パブリックシアター
12-May-2007 18:00~19:30
シアタートラム
とても不思議な感覚。
光の中に闇があり、闇の中に光があるような舞台。光は限りなく明るく、闇は限りなく暗く深い。
他の道具は一切ありません。
娘の死を受け入れることのできない「年とった男」(長塚京三)と「年とった女」(高橋惠子)が、思いをぶつけ合う。2人が輝いていた時代の「若い男」「若い女」も錯綜(さくそう)し、心が離れていく様が明らかになる。娘は架空の「友達」だけと話すようになり、誘われるように海へ入っていく……。
そこがどこなのか、いつの時代なのか、彼らはどんな社会的地位なのか、何歳なのか...一切説明はなく、心の動きだけが描かれます。心の中を描いているのかもしれません。起承転結・ハッピーエンドかデッドエンドか、という見方をすると、さっぱりわからない。自由に想像して感じとってくださいねということなのでしょう。
死の世界へ旅立ってしまった娘は、最後に「生きていたかった」と言いますが(「生きたかった」だったかな?)、この言葉は両親には届いていないのでしょう。もし、届いていれば、娘の死を受け入れられるでしょうに。
蛇足
架空の「友達」は、死神or黄泉の国の人なのでしょう。トート様だな。舞台上の深い闇から登場人物が現れたり消えたりするたびに、頭の中で「闇が広がる~♪」の歌が聞こえてきたりと、観劇中、「エリザベート」がオーバーラップしてきてました。
May 12, 2007
宝塚歌劇団「明智小五郎の事件簿~黒蜥蝪/TUXEDO JAZZ」その2
宝塚歌劇団
3-May-2007 11:00~14:05
6-May-2007 15:30~18:35
東京宝塚劇場
詳しい内容はこちらで(ENAK STAGE GRAPH)
リピートですぅ。
黒蜥蜴
リピートの楽しみとしては、東京ではなかなかお目にかかれない御崎恵さんの指揮だったりします。
宙組ファントム以来じゃないかな。振りが大きく、しかも切れがよいので、見ていて飽きません。指揮っぷりがかっこよいのですよね♪
個々に好きなシーンがあるので列挙してみる。
・早苗に変装した黒蜥蜴(野々すみ花)が、明智(春野寿美礼)の歌にあわせて踊りながら首人形を仕込むシーンは、妖しげで美しい。
・ホテルのボーイとメイドによる椅子を使った踊りは面白い。
・楽園の総踊り。船のなかの静かなシーンが続いてちょっと眠くなったところで、この総踊り。2回ともここで目が覚めた(笑)
・壮一帆。素顔はさわやか奥さん風なのに、二枚目を演じると腹黒さが感じられ、良い人を演じるとおまぬけさんになってしまう芸風は好きだけれど、主演男役には向かないよなあ。
・鈴懸三由岐のサソリ。
・小林少年全般
TUXEDO JAZZ
初回はやけに物足りなく感じたのに、2回目、3回目と見るたびに面白くなってきた。
じゃあなぜ初回は物足りなく感じたのかというと、
・「ドルチェビータ」「タランテラ」系の翳りのある耽美な雰囲気を期待していたら、対極にある明るくほのぼのした舞台であった点。やけにあっさりしたオープニングとフィナーレ。
・JAZZというので、Swing~Bebop~の系譜の、暴力的で猥雑な都会の夜のイメージを想像していたら、明るく洗練されたブロードウェイミュージカル風のJAZZであった点。
だからこそTUXEDOであるのだろうなと思うのだけれど。
あと、
・桜一花ばっかり追いかけていたので、舞台全体を観ていなかった。
これは大きいかもしれない(笑)
で、2回目は特に期待もせず、一歩引いて見ていたら、いろんな趣向が凝らされていつことに気づく。大人数のシーンでは、舞台上同時多発的に物語が進行。"街角"の交通事故、"アンタッチャブル"の最後の交通事故、そこから生還して"仕立て屋の恋"...と個々の場面が裏でつながっているあたりは面白いな。
"仕立て屋の恋"につづく、"アステア"、春野・真飛のベチョっとダンディなダンスもさることながら、鈴掛・舞城・花野らのセクシーなお姉さま方に混ぜてもらえてよかったね風な、やけに童顔な華耀きらりに目が行く。
そして、白昼夢のように金キラで明るいフォーリーズの中詰。真野すがた・扇めぐむ・朝夏まなとの男役3人の金ダルマ自体が白昼夢みたいなものだ(笑)
ナイトジャズにはいると、舞台はJAZZ CLUB風だけれど、すぐに総踊り。愛音羽麗の"幻想の女"は、ちょっと性格が悪そうな雰囲気がよろしい。全員で狂ったように踊ってますが、フォーメーションが複雑で面白い。
梨花ますみ・絵莉千晶・華桐わかなの三人組、いかにもJAZZのコーラスグループ風の貫禄がある。
"フィナーレB"、矢代鴻矢の"The Man I Love"あたりから、やっとSTANDARD JAZZな雰囲気に。春野の歌う"Song For My Father"にあわせてパレードの男女は大階段を降りてくるシーンは背筋がゾクゾクするほどかっこよい。
...そんなわけで、実況CD購入、現在ヘビーローテーション中だったりします。荻田作品には麻薬のような魅力があるのでございました。
May 06, 2007
唐組「行商人ネモ」
唐組
「行商人ネモ」
5-May-2007 19:00~21:00
花園神社
初唐組です。
普段はビルの間で閑散としている花園神社に、この公演のためだけに突如現れた紅テント。なんだかワクワクします。
かつて、国を追われた隠れキリシタンが逃げ込んだ里、長崎・生月(いきつき)島で、紳士服店<フタタビ>に勤めていた青年・ネモはジュール・ヴェルヌ作『海底二万哩』の愛読者だ。
ある日、<フタタビ>は大手スーツ屋に買収されその名を失い、幾人もが店を去る。青年・ネモも、退職金がわりに求めたズボン「75体」を背に生月島を跡にした。
「75体」のズボンとともに行商の旅に出たネモは、流しの縫いっ子・松浦ミシンと再開する。
ミシンは、発注をど忘れしてきわどい償いを迫られる友人の身代わりを申し出、横丁を訪れたのだった。
「埋もれます」と手紙を残して生月島から姿を消した、<フタタビ>宣伝部のボードビリアン・舌巻や、元出入りののハンガー業者・エリマキトカゲと巡り合い、「75体」を行商し続けるネモと、身代わりの償い「ゴンレイ」を果たそうとするミシンの前に、発注元であり買収元でもある衿月(えりつき)達が、<フタタビ>のズボンは二度と売らすまいと立ちはだかる。
---ネモ、お前を入れて75人、75体。これから、それから潜っていけるか。…その目の中で消えていくのは耐えられる、でも商おうとする最中、隠れズボンの名札をつけられるのは身がきれる。とめてくれ、迫ってくるあの足たちを---
<75体>の声に応えて、生月からのランタンに灯りをうけ、横丁のスクリューが産声をあげる。
さあ早く紅テントの門をくぐれ!
経済の罠がはびこる魔の大渦巻きをくぐり抜け、淡い青から深き紺青彩る海底世界へとうなりをあげて先行する、行商人ネモと「75体」の潜水艦ノーチラス号に乗り遅れるぞ!!
で、結局内容はよくわからないのですが、息もつかせぬセリフの応酬、過剰なまでのエネルギーで圧倒されました。
言葉っていうのは、耳から入った音を頭の中で分析し理解して再構築するっていうプロセスだと思うのですが、この芝居、言葉遊びのような意味があるのか無いのかわからないセリフが大量に流れ込んできて、いつしか前頭葉が理解することを放棄して、直接脳髄に響いてくるような感じ。これが快感になってくるから面白いです。
唐十郎さんをはじめ、十貫寺梅軒さん、鳥山昌克さんと、いい年をした大人なのに、なんでそこまで無邪気に自由にやりたいことができるのって、とてもうらやましく思うのです。楽しそうなんだもん。ホントに素敵なオヤジ連中だと思います。
"ミシンと旅する流しの縫いっ子"って、こーゆーキャラってたまらないですね。
May 05, 2007
聖ルドビコ学園「五条大橋に舞う白ゆり剣士の羽衣 義経伝」「さよならレビュー ~妖精パックがリンちゃんが、銀河鉄道に乗ってルドビコの星を大冒険!~」
聖ルドビコ学園
4-May-2007 13:00~16:30(途中休憩10分 + プチイベント有)
4-May-2007 18:00~20:50(途中休憩10分)
シアターVアカサカ
ホントは昼公演のみの予定だったのですが、申し込みフォームのCGIのエラーで昼夜2公演のチケットが予約されてしまったため、キャンセルもできたのですが、「これは2回見ろという神の啓示かもしれん」と思って、昼夜通し(って言うのかなあ)拝見。
自分以外にも昼夜見てる人、結構多かったな。
今回は2部構成。いつもは芝居に挿入されるミュージカルシーンと恒例の「女王の教室」コーナーがレビューに移ったため、芝居はお話の流れがすっきりして、これは大成功だったと思います。
「五条大橋に舞う白ゆり剣士の羽衣 義経伝」
前作「白ゆり剣士のみた夢-幕末編-」の続編。
その昔、安部清明との争いに負け死んだ芦屋道満の魂は、頼朝の体を借り、自らを遮那王と偽って、京の五条大橋に出没していた。彼の目的は、永遠の命を得ることが出来る伝説の剣を手に入れ、復活すること。
一方、白ゆりの剣を抜いた桜木さやかは、義経に乗り移る。
伝説の剣をめぐり、偽・遮那王(芦屋道満)VS義経・弁慶・安部清明の戦いが始まる。
劇団新感線のルドビコ版といったところか。ゆるいところはあるけれど、後半はたたみ掛けるように戦闘(殺陣)シーンが続き、結構興奮します。安部清明役の今里真さんはとにかく声が良いです。殺気丸役のMARCOさんも悪役二番手で存在感あり。この2人が要所要所で舞台を引き締めてくれます。
悪役・月花艶役の蒼明希さん、悪役・イジメっ子役を演じるのが楽しくてたまらないのだろうな、ノリノリでした。
平安時代の最後は義経・弁慶の絶命の場面。紙ふぶきが舞って暗転...なのですが、暗転が早すぎて余韻が味わえないのが惜しい。
MARCOさんは現代パートでは神父さん、小芝居が可笑しすぎ。笑いが止まらないじゃんね♪
「さよならレビュー ~妖精パックがリンちゃんが、銀河鉄道に乗ってルドビコの星を大冒険!~」
芝居編がよかった分、ゆるーい部分はすべてこちらに集まったかな(笑)
過去公演のキャラが多数登場、ルドビコファン向けのレビュー。
上谷佳澄さんは、歌も踊りも飛びぬけて上手いなあ。
最後はベルばら・バスティーユで締め。
昼の部終演後のプチイベントは、出演者からのプレゼント抽選会でした。オスカルのキラキラお眼眼メガネもプレゼントとして出品されたので、ホントにこれでオスカルは封印なのでしょうね。
古畑千佳さん、開場前にロビーの物販コーナーで商品紹介。MCが達者なひとですね。しゃべり終えたところで拍手おきてた♪
黒色綺譚カナリア派「宵語り リュウカデンドロン」
黒色綺譚カナリア派
3-May-2007 19:15~21:00
名曲喫茶ヴィオロン
8月にひかえた第7回公演「リュウカデンドロン」(ザ・ポケット)の物語を、本編では登場しない登場人物、全く別の人々の視線で語られる、
「リュウカデンドロン」ってなんだろ?と思っていたのですが、これ、サーカスの話なのですね。
今は無きサーカス団の思い出話。
天辺の子(升ノゾミ)(サーカス小屋の精のような存在かな?)に語られる4人の思い出話。
・ドーナツ(斎藤けあき)
サーカスの支配人に恋する喫茶店の女店員の話
・入れぬ男(芝原弘)
サーカス団に入りたい少年の話
・書く道化(吉川博史)
若い道化師が見たサーカス団の顛末
・綱渡る女(山下恵)
愛されることを知らない綱渡りの女の話
本公演を見た後で、再度、音だけで聞いてみたい気がします。実はCD化して、本公演の予約特典にしたり物販したりする計画があるのじゃないかと密かに期待しているのであります。(小説化もよいかもしれません)
実は、この日、お江戸日本橋亭にて鈴々舎馬桜独演会(15:30~17:45)の後、阿佐ヶ谷へ移動したのですが、開演後しばらくは落語モードから朗読モードに頭が切り替わらなくて、頭が混乱しました。
上下(かみしも)切らないところとか、完全口語体でないセリフの言い回しか、地かたりとセリフのトーンの差が落語と異なるところとか、朗読している役者さん=物語の登場人物なのか?...など、余計な部分が気になって、声は明瞭に聞こえてくるのに、その世界を映像として頭のなかに構築できない状態。
落語・講談の場合、セリフの部分では、その登場人物になりきって演じられるのに、朗読の場合、声はその人物になりきっていても、見た目は"本を朗読している人"なので、視覚から構築される世界と聴覚から構築される世界の差がどうしてもひとつにならないようだ。
途中から眼つぶって声だけ聞くようにしてからは、それまでの混乱がウソのように、すんなり物語の世界に入っていけたのです。視覚の情報が想像力の邪魔をするって、あるのですね~
っていうか、似て非なる話芸のハシゴは控えよう(笑)
蛇足ながら、ラピュタ阿佐ヶ谷で、
「昭和の銀幕に輝くヒロイン 加賀まりこスペシャル」
だそうです。行かなきゃ~♪
May 03, 2007
ボク達の鹿芝居「文七元結」イタズラ好きの神ホトケ
なかの芸能小劇場
2-May-2007 18:30-20:45
脚本 橘家文左衛門
演出 ボク達の鹿芝居プロジェクト
キャスト
長兵衛 春風亭一之輔
お久/お伸 柳亭こみち
文七 桂笑生
佐野鎚番頭藤助 古今亭志ん太
近江屋番頭佐兵衛/死神 鈴々舎わか馬
おみつ(長兵衛後妻) 倉本剛(ロケット団)
まさあき(おみつ連れ子) 三浦昌朗(ロケット団)
近江屋卯兵衛/不動 橘家文左衛門
佐野鎚女将/金比羅 (友情出演)柳家一琴
ナレーション 柳家喬太郎(声だけ)
通行人 (特別ゲスト)柳家喬之助
お囃子 恩田えり
前回の「らくだ」はかなりひねっていたので、今回の「文七元結」は!?...と思っていたのですが、意外にもまっとうな「文七元結」でした。
一琴さんの佐野鎚女将は、卑怯なまでの出落ちで見た目のインパクトは強いけれど、長兵衛に意見するくだりはかなり聞かせる。(ただ、今後、誰の「文七元結」聞いても、一琴さんの顔が浮かんできそうで恐い♪)
一之輔さん、よい長兵衛でした。
笑生さんの文七は、ちょっとマニアック風。
まさあき役の三浦昌朗@ロケット団さん、原作に無いお久の弟ですが、好き勝手にひっかきまわす役でオイシすぎ。大笑い。
わか馬さん、先日の福袋演芸場で演じた「ガーコン」を、三浦昌朗@ロケット団さんにネタにされ、軍歌~茶色の小瓶のメドレーを歌う。近江屋番頭佐兵衛/死神の役でしたが、芝居の流れがどうであれ、常に"わか馬"さんペースだからなのでしょうか、ちょっと浮いて感じるときがあるのです。その点、下町ダニーローズに出てる一琴さんや、もと劇団員のロケット団の二人は、芝居の流れにうまく乗っていて無理がないのですね。
こみちさんはお久。しゃべらずに佐野鎚女将の横で泣いている芝居を要求されるいうのは、噺家さんにとっては難しいのかも。がんばれ、元演劇少女♪
おそらく一琴さんつながりではと思われるのですが、劇団系と思われるお客さんも多く、なんだかフシギな客層。
わか馬さんの歌、とにかく声がよいので、鹿芝居でミュージカルというのも、実はありなんじゃないかと思いました。(前回の「らくだ」ではダンスシーンがあったくらいだし...)
文左衛門さん「次回もあるかどうかわわかりませんが...」とおっしゃってましたが、前回も同じこと言ってたような記憶が。ってことは、きっと来年もやるでしょう♪
May 02, 2007
BQMAP「Re-」
BQMAP
29-Apr-2007 19:00~21:00
シアターサンモール
泣いてる人、多数。
弁慶を残し、北への旅を続ける義経一行。
800年後、青森のとある洞窟に取材でやってきたTVクルー。
そこにあらわれる弁慶の幽霊。
ADのクロこそ義経の生まれ変わりであった...
800年も待ち続ける弁慶は健気だ。忠犬ハチ公のようですが、ハチ公とちがって旦那様と再会できてよかったなあ。
最後のクロのセリフ、そこだけ見たらこっぱずかしいと思うけれど、はじめから見ていると素直に泣けるのは、「Re-」の世界に引き込まれているからなのでしょう。
頼朝の追撃から逃れるため、ニセの義経一行をいくつも仕立てて...というのは面白いですね。この部分を膨らめて、頼朝vs義経な時代アクション物も見てみたい気がします。
舞のシーンはきれいでした。
欲言えば、もっと殺陣を見たかったですね。
(前作でメタクソかっこよかった高瀬郁子さんの殺陣が見られなかったのが無念...その後の情報では黒子として殺陣のシーンに参加されていたようですね)
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