June 2007
June 25, 2007
東宝「レ・ミゼラブル」
東宝
24-Jun-2007 12:00~15:15 2F-A-10
帝国劇場
ジャン・バルジャン | 別所哲也 |
ジャベール | 今拓哉 |
エポニーヌ | 新妻聖子 |
ファンテーヌ | 渚あき |
コゼット | 辛島小恵 |
マリウス | 山崎育三郎 |
テナルディエ | 徳井優 |
テナルディエの妻 | 森公美子 |
アンジョルラス | 原田優一 |
今期最初のレ・ミゼラブル。
渚あきファンティーヌ初挑戦ということで、この回をチョイス。
渚あきさんは見るからに幸薄そうで雰囲気がファンティーヌにぴったり。歌は、やさしい歌い方なので迫力には欠けるのだけれど、最後に天国からあらわれたときの歌は、ホントに霊魂が歌っているようでした。(この人、年齢不詳なところがあるので、コゼットやエポニーヌやっても違和感が無いのじゃないかな)
コゼット役の辛島小恵さん、歌声がキレイだなあと思っていたら、桐朋学園の声楽科卒だそうで。聡明で芯の強いコゼットでした。マリウスって、所詮は革命の最中に色恋に迷うヘタレ野郎なので、"しっかり者のコゼット"が似合うと思います。
エポニーヌ、劇中では少年に間違われる設定なのに、それにしては新妻聖子さんは上品で女の子っぽすぎるように感じました。歌はさすが。微妙にうねるような歌い方は好きだなあ。
森久美子さんは、お尻のようなお胸で迫力満点。ちっちゃな徳井優さんと夫婦役っていうのは、よいコンビネーション。でも、その二人から新妻聖子みたいな子が生まれるって世界の七不思議(笑)。
「On my own」と、ラストの「民衆の歌」の曲がはじまった瞬間に、条件反射のようにウルっときてしまうのはなぜだろう。とても不思議なのでございます。
次回は7/21夜、8/19夜を予定。
June 24, 2007
六月大歌舞伎「妹背山婦女庭訓」
松竹
23-Jun-2007 11:00~14:05 幕見
歌舞伎座
評判よさげだったので、幕見で観劇。
蘇我入鹿、宝塚の「飛鳥夕映え」を観て以来、若く有能な政治家の印象(...というか彩輝直の様相)を持っていたのですが、そーいえば歌舞伎では悪役でありましたね。
小松原~花渡しの場は久しぶりの上演だそうですが、雛鳥・久我之助の出会い、定高・大判事の確執、蘇我入鹿の非道さがよくわかります。
吉野川、よくできた芝居。吉野川を挟み、対象に配置された背山妹山の舞台の美しさ。
坂田藤十郎の定高、娘の首に死化粧を施す姿に思わず見入ってしまいます。
その首が、雛飾りの道具とともに吉野川を渡り、切腹した久我之助のもとへ輿入れするシーンは、美しくも哀しい...
満開の桜の下での、若い二人の死というのが、哀しみを倍増させますね。
ハンカチ片手に観ているお客さんチラホラ。自分もちょっとウルっときかかりました。「すし屋」とか「寺子屋」など、わが子を殺さねばならなくなった芝居は過去、いくつか観てはいるけれど、歌舞伎でここまで素直に泣けてきたのは初めてです。
松本幸四郎の声が聞き取りにくいのが難点ではあったけれど。
蛇足
この後、宝塚歌劇団星組「さくら/シークレット・ハンター」夜の部を観る。
こちらは御陽気で華やか。おなじ「桜」でも、えらい違いである(笑)
June 23, 2007
つくしの深夜寄席「真夜中は別の顔」
川柳つくし
22-Jun-2007 21:35~23:10
新宿末広亭
川柳つくし 「吊らせや」
春風亭柳太郎「めちゃうま」
川柳つくし 「守護神」
お手伝い:柳家喬四郎
飛び入り:川柳川柳
柳家系と柳昇系、見事に柳づくしです。
「吊らせや」、好きになった相手が、みんな首を吊るという噺。ファンになった芸能人も落語家も、かならず首吊り自殺...と、深夜や独演会でないとなかなかできない危険な噺ですね。
「めちゃうま」、さすがは真打の芸♪
マクラの三笑亭笑三&前座の大喜利のハナシが可笑しかったですね。
ウクレレ落語「守護神」、オチはいまいちかと思いますが、挿入歌がバカバカしくて面白いです。
最後の挨拶では、師匠の川柳川柳も登場。二人並んでるところを見るのは初めてですが、親子のような暖かい雰囲気が漂ってました。川柳師匠、つくしが真打昇進したら、きっと披露口上で泣くでしょう。ものすごーく見たい(笑)
つくしさん、ボケキャラは得意そうですが、悪役キャラやエキセントリックなキャラに磨きがかかると、面白い存在になっていくと思います。第一回「ボク達の鹿芝居」で見せた、"真顔でDVのおかみさん"のようなキャラを落語でも見てみたいと思うのです。
ねこマジ・DVD発売記念インストアライブ
ねこマジ
17-Jun-2007 13:00/15:00 各30分
グランデュオ立川
生で見るのは浅草ヨーロー堂インストアライブ以来。
13:00の回に行ったところ、曲目リストがモニタスピーカのところに置いてありました。遠目で見ても、一回目と二回目と、どうやらプログラムがちがうっぽいので、結局2回拝見。
13:00
1.じゅげむ
2.帰り道
3.自意識過剰
4.マンガと押し花
5.私はエレガ
15:00
1.私はエレガ
2.自意識過剰
3.戀(いとしいいとしいと言うこころ)
4.頑張って
5.じゅげむ
「じゅげむ」は珠玉の名作というか、名人芸だなあ。
楽器はキーボードのみですが、「あのフレーズは、ああやって弾いてるんだあ」って感じで、ついつい指使いに見入ってしまうのでした。
June 21, 2007
阿佐ヶ谷スパイダース「少女とガソリン」
阿佐ヶ谷スパイダース
20-Jun-2007 19:30~21:50
ザ・スズナリ
入り口の階段から真っ赤。目に痛いけれど、普段よりも明るいので上り下りがしやすく感じました。
「少女とガソリン」というタイトルと、真っ赤にデコレーションされた劇場から、きっと最後はガソリン撒いて炎上させるのだろうなと思っていたのですが、そーゆー意味のガソリンじゃなくて、原動力としてのガソリンという意味だったのですね。
みなさんの芸達者ぶりを堪能できた2時間20分でした。
被差別部落(のような)土地の男達が、街の再開発に反対し、アイドル歌手の少女を女神に仕立て、真に平等な共同体を目指し暴走してゆく。
革命だのなんだのって、一部の人間が起こそうと思っても起きるものではなく、機が熟したときに自然発生的に起こるようなもんじゃないかと思うのです。本人達には革命のつもりでも、傍から見れば身勝手な単なる暴走にしか過ぎないのに。
でも、いい大人が生き生きと暴走している姿は、燃え尽きる前の蝋燭のように輝いて見えるのでした。
アイドル...といっても、世代によってアイドルのあり方って差があるように思いますが、「少女とガソリン」のアイドルはかなり純粋でよい子。表ではアイドルを演じ、裏では酒タバコやってうのがアイドルってもんだろーっという気がしなくもないのですが、最後にその純粋さが生きてくるのですね。ネタバレになるのでこれ以上はいえませんが。
「真実(まこと)」は、ただ酔うためだけのまずい酒ということですが、酒というよりもただのアルコールじゃねえかっていうような酒って、妙に「飲んでるんだっ!」って実感があったりするもんです。
自由席ベンチシートで2時間20分は厳しいという声が多いようですが、指定席のパイプ椅子でもちょとお尻が痛くなりました。
小屋に合った演目があるように、椅子にあった上演時間というもあるはずです。疲れないパイプ椅子っていうもんは無いもんかな?
June 18, 2007
コクーン歌舞伎「三人吉三」
17-Jun-2007 17:00~20:20 2F-B-26
シアターコクーン
アドレナリン大放出。満足。2階席だけれど、ちゃんと舞台の熱気が伝わってくる。
2階席の隅々まで満足させる力、普段歌舞伎座のような大きな小屋で鍛えられていることも大きな理由だと思うが、歌舞伎役者ってすげえなと思う。一階桟敷席最前列で見たら、おいらはチビっちゃうとおもうネ(笑)
勘三郎の睨み、2Fからはっきり見える。オペラグラスいらない(笑)
大詰の大雪はすごすぎ。
生ワンワン登場。おもわず「ひゃあ」と声をあげてしまった。おりこうさんだ。
エンディングの椎名林檎のBGMは、自分的にはアリだと思う。
カーテンコールの中村福助。なんだかイっちゃってる感じがした。男でも女でもない異様さ。
同じくカーテンコール、勘太郎以下捕手連全員でビリーザブートキャンプは笑った。
飲食自由...だけど、客席暗くなっちゃうから観劇中の食事は難しいネ。
劇団、本谷有希子「ファイナルファンタジックスーパーノーフラット」その2
劇団、本谷有希子
16-Jun-2007 19:40~21:30 F-15
吉祥寺シアター
6/6に続き、2回目の観劇。
満席。立ち見あり。
初回は2列目下手側、今回は6列目上手側。場所も違えば見え方も違ってくるだろうし、公演も後半なので、いろいろ演出も変更されているにちがいない。
実際見ると、たった10日前のことだけれど、細かい部分は記憶が曖昧だな(笑)
登場人物のすべての関係がわかった上で見ると、ユクという実在しない人物を拠り所として集まってる集団がいかに不安定であるかとか、トシローや縞子のいらだちが納得できて面白い。また、トシローの言動で笑いが起きる部分があるけれど、その後の展開を知っているせいか、空しく感じられて笑えない。初回と2回目で、こんなに印象が異なるものかとちょっとびっくり。
初見の際は客観的な第三者の立場で見ていたけれど、今回は、自然と縞子の目線でトシローやユクレプリカを見ている自分が居た。(真意がわかると、いちばん縞子に感情移入しやすかったのだろう>じぶん)
最後にトシローがウサミミを取るシーン、この印象もかなり異なる。トシローは舞台奥の観覧車の中で、上手側に座る縞子と対峙しており、初見時は下手側席、今回上手側。だからトシローの表情は今回の方がよくわかるというのはあるだろうけれど...
立場が逆転し、自分から離れていってしまいそうな縞子に対し、
初回 「俺、変わるから一緒にいてくれ」と、いままでの自分を否定するかのように一気にウサミミをはずす。
今回 「いままでの自分は何だったんだろう」と、絶望・憔悴しながらゆっくりウサミミをはずす。
...と見えた。個人的には今回の絶望感が漂ってるほうが好み。
詠子(すほうれいこ)は、最後に笑ってるような泣き叫んでいるような様子で、トシローと縞子に感情をぶつけるけれど、いったい詠子は何をしたかったのだろう?トシローと縞子をどうしたかったのか?
詠子とトシローのシンクロ率が高かったというのは、詠子とトシローは似たもの同士ってことか?愛人である編集者は、妻のもとに戻っていき、ひとり遊園地に残されてしまった詠子は、第2のトシローってことかな?
やはり、前半の、縞子の正体が明かされるまでのくだりは秀逸。本当に、前半だけなら秀逸なミステリーだと思う。その後の展開はちょっと冗長になるように感じる。でも、本谷さんの書きたかったのは後半で、前半は単なるネタふりにすぎないのでしょうね。
ふたたび吉本さんの名人芸を堪能いたしました。色白いですね。
蛇足
昼は新宿でグリング「ヒトガタ」を観劇。弘中麻紀さんといい吉本菜穂子さんといい、今日は愉快な声質の女優さんを見る日になった(笑)
グリング「ヒトガタ」
グリング
16-Jun-2007 14:10~15:50 K-4
THEATER/TOPS
お通夜の晩の物語。
亡くなったおばあちゃんは、恐らく大往生だったのでしょう。湿っぽい話ではなく、久しぶりに親戚が集まり、「この家はどうする?」とか、「父親に一人暮らしさせて大丈夫か?」とか「恋人でもいるんじゃないのか?」という話。
そんななか、長男は、妻の妊娠を素直に喜べないでいる。昔、自殺した弟のことで父親を恨んでいて、それが自分が父親になることへの恐怖の原因となっているらしい。
ラストで、父親へのわだかまりが解消するのですが、このとき(まるで朝日が差すように)照明が次第に明るくなります。心に明るく光が差してくる感じなのでしょうね。思わずウルっときてしまいました。
人形商の若旦那は吃音者なのですが、物語の中では、平気で笑いのポイントなっています。若旦那も変な劣等感もっていなし、周囲の人間も普通に接している。日常風景として描いているあたりは見事だと思います。変に卑下したり同情すると、かえって差別を生んでしまったりするですもんね。
若旦那役の杉山さん、カーテンコールの挨拶で始終噛んでましたが、そこまで役を引っ張らなくても(笑)
「Nf3 Nf6」(Bバージョン)
サンモールスタジオプロデュース
15-Jun-2007 20:00~21:20
サンモールスタジオ
Bバージョン
寺十吾(tsumazuki no ishi)
今里真
濃い80分。
将校と捕虜という関係が次第に変わっていく様が面白い。
戦争モノ・ナチスドイツ・暗号解読...、男子は結構ハマる時期があるのではないかと思うのです。
で、さっそく本棚から「暗号攻防史」を引っ張りだして、また読み始めたりするのですが、みえない敵の戦略の裏を読んでいく、それこそチェスのような頭脳線っていうのが面白いですね。
敗戦間際にチェスなんて、さすがナチスドイツ。おっしゃれ~である。
...これ、日本人将校と中国人捕虜が将棋板をはさんで...っていう話だったらカッコわるいだろうなあ。
蛇足
ドイツ人俳優でドイツ語の舞台(日本語字幕付)で見たいかも。
June 12, 2007
松たか子 コンサートツアー2007
10-Jun-2007 17:30-19:30
大宮ソニックホール
前半は最新アルバムCherish youから。後半は過去10年間のシングルメドレー。
最初は割と押さえ気味のようでしたが、後半のシングルメドレーに入ってからはテンション高くなってきたのか、どんどん声量がアップしていきました。マイクいらないんじゃないかってくらい。強い喉ですね。
後半は客席スタンディングが、松さんのコンサートだとスタンディングありなのですね。
客席からの掛け声が「たか子」とか「たかちゃん」とかじゃなく「松さーん」ていうのですね。なんだか礼儀正しい掛け声だと思いました。さすがに「高麗屋」はありませんでした。
この日は30回目のお誕生日だそうで、ケーキ&ハッピーバースディーのサプライズあり。キティさんの方がお姉さんなのだな(笑)
また、ミュージカルに出演してほしいなと思いましたが、来年の4月はミュージカル「ラ・マンチャの男」に出演だそうですね。(月影瞳も出るそうな♪)
ドンドンドン ドンキ ドンキホーテ~♪
宝塚歌劇団「大坂侍-けったいな人々-」
宝塚歌劇団
10-Jun-2007 11:00~13:30
日本青年館 2F-I-34
なにわ人情歌謡ミュージカルコメディ時代劇。
音楽が全体に歌謡曲っぽい。
・青樹泉&麻華りんかのムード歌謡「大坂チャチャチャ♪」(ミラーボール付)
・花瀬みずかの演歌歌謡。
・お化け屋敷でスリラー
フィナーレでは
・ハッピーハッピー福娘ダンサーズ
・未沙・箙・瀧川の音曲トリオの歌で、お勢又七の後日談。
・ボレロも踊る着流の男役連中。
宝塚というよりビジュアル系大衆演劇のよう。
なかでも星条海斗がちょと洋風な顔立ちがそうさせるのか、いかにも大衆演劇の2枚目さんのような風貌でした。
夢咲ねねかわいい。大股広げてお地蔵さん背負って身投げをする場面は笑った。
嘉月絵理のヤクザの親分は貫禄十分。クールな悪役が似合う人ですね。
宝塚のバウものって、こういうトンデモ面白いものがあるからあなどれない。
June 10, 2007
虚飾集団廻天百眼「夢屋」
虚飾集団廻天百眼
9-Jun-2007 19:10~20:50
神楽坂die pratze
悪夢に取り憑かれた女。夢を亡くした女。
暗躍する憂鬱な夢喰い達。
赤襦袢・淫夢・獣・ヴァムピール。
夢と現実の境界劇。言語の倒錯と錯綜の艶技。
花舞う血が舞う夢が舞う。
通り魔ロック楽団「母檸檬」のエレキのうねりに悪夢舞台が浮上する!
「夢の中で現実を見たて・・・? おしまいだっ!」
「夢屋」とは、人の夢の商う店。夢の買取もしており、悪夢の悩まされた女が、その夢から逃れるために、悪夢を売りにやって来ます。
正夢を見てしまうのが"悪夢"という女が夢を売りにやってくる。正夢を喰ったところから、夢と現実が互いに入れ子になったような無限ループに入ってしまい、どちらが夢で現実なのかわからなくなって...
...っていうようなことじゃないかと。
前半では、笑いどころもあり。
大島朋絵さんは、声と口調がよいから、長セリフになると世界に引き込まれる。
夢屋の女将役の白亜さん、洋風な顔立ちに和装が似合う。踊りが艶かしい。
ケダモノ・礼音さん、前回公演の王子様系の格好よりも、今回のメイド服の方が300倍似合ってる。
ユメクイの富田茶太郎さん&楠木菊花さん、スタイル良すぎ。
夢を亡くした女・御手洗花女さんは「母檸檬」の方なのですね。退廃的な雰囲気がい。
ノケモノ役・紅日毬子さん、月蝕のお手伝いしているときは大人しい感じの方だなと思ったのですが、舞台に立つとこんなんなっちゃうんだあと、びっくり。
舞台美術に映画『どろろ』や『妖怪大戦争』などで活躍中のスタッフを起用
とのことで、最後に巨大な夢喰いの化け物が出てきます。数十メートル(推定)の巨体の目玉と手の一部のみですが。
目玉がよくできてて、人間大の巨大な目玉なのですが、これが結構つぶらな瞳で、見慣れるとかわいらしく思えてくるから不思議です。
BGMでセリフが聞き取りにくい場面が多かったのが残念。こういう場合、セリフの時だけBGMを下げる手法がとられたりするが、音量が変わる瞬間がとても不自然で興ざめだったりするのですが、この舞台ではBGMの音量を途中で下げなかったのは正しいと思う。役者の声をマイクに通せば万事解決なのだろうけれど。
帰りに物販コーナーで「母檸檬」CD購入。こりゃいいぞう♪
「柳家喬之助 真打昇進披露公演」
9-Jun-2007 14:00-17:00
横浜にぎわい座
柳家小ぞう「道具屋」
柳家さん弥「夏泥」
柳亭左龍 「酢豆腐」
柳家さん喬「抜け雀」
~仲入り~
真打昇進披露口上
柳家喬太郎「諜報員メアリー」
喬四郎/柳家喬之進「茶番・忠臣蔵五段目山崎街道の場」
柳家喬之助「子別れ(下)」
協会幹部が出演しない、一門のみの真打昇進披露だからでせうか、真打昇進披露口上は、とっても気楽な雰囲気でございました。
出口にて「喬スポ」号外を配布。これ、面白い。楽しい一門ですね。
June 07, 2007
劇団、本谷有希子「ファイナルファンタジックスーパーノーフラット」
劇団、本谷有希子
6-Jun-2007 19:40~21:30
吉祥寺シアター
公演3日目です。
初日・2日目のレビューを見る限り、今回はイマイチという評価が多く、覚悟しての観劇でしたが、悪くなかった。
特にテンポが悪いとも思えなかったし、劇場の大きさを生かしきれてないということもなかったように思う(ただ、2列目で見てたから気にならなかっただけかもしれません)
どうやら公演毎に、かなり変更やら修正があったようですね。
男・トシローは、彼の恋人であったユクと同じ格好・同じ仕草をする女性達とさびれた遊園地で暮らしている。
もう一人、女性達にユクの真似をするよう指導する女性・縞子。
トシローと女性達と縞子の、お互いに依存しながらも、どこかで怯えていて、それ以上親密になることを拒否しているような、しかしそこに居たいという、とっても不安定な関係。
この不安定な人間関係が、不安定なまま、ちょっとしたきっかけでどんどん変化していく様がとてもスリリングでした。
ラストでは、トシローと縞子の関係が逆転します。でも、それは立場が変わっただけで決して奇妙な依存関係から脱出することを意味していないのだろうなと思います。
蛇足ながら...
途中で、本物のユクについて・なぜトシローが女性たちに行くの真似をさせているか語られるくだりがありますが、「ここを結末にもってくるっていうのもアリなんじゃないか」と感じました。夢野久作や江戸川乱歩のような怪奇ミステリー風で面白いかもしれません。
トシロー=2次元オタという、とても今風ではあるけれど、必須の設定ではないですよね。いつの時代にもトシローのような人間は存在したわけで。大正・昭和初期を舞台にアングラっぽくしてみるのも一興かも。
(なんでこんなことを思ってしまったのだろう?きっと、その場面のBGMに、アングラ芝居によくある"マイナーの三拍子の曲"が使われていたからだと思うんだ)
次回は6/16に再度、観劇予定。どれくらい進化しているか楽しみでございます。
June 05, 2007
「Damn Yankees -くたばれ!ヤンキース-」
公式サイト
3-Jun-2007 17:30~20:15 1F-K-18
アフタートークイベント有(大澄賢也+湖月わたる)
青山劇場
昼間観た国産ミュージカル(アイ・ラブ・坊ちゃん)と比べると、こちらは本寸法のブロードウェイミュージカル。
踊り満載の楽しいダンスミュージカルでした。
主演の湖月わたるの宝塚退団後初舞台&女優デビューを拝見することが主目的。歌はまだだま男役を引きずっていて低くて太い声なのですが、今回は魔女の役にはピッタリかもしれません。ハイヒールを履くと、相手役の大澄賢也よりもでっかくて迫力あり。脚が超ロングで細くて綺麗。男役時代はあの脚を隠していたわけだから、実にもったいないことだ(笑)
杜けあきは、さすがに女性歴が長いので、どこから見てもちゃんとした女性(笑)。実にかわいらしい奥さんを演じていました。
新聞記者役の矢口真里は、湖月わたると並ぶと、別の星の生物じゃないかっていうくらい小さかった。ミュージカル初出演だそうだけれど、潜在能力は高そうだ。これからもいろんなミュージカルに出て欲しいな。
川崎麻世は悪魔の役。この人は、人間じゃない役のほうが似合う人だな。
Rカンパニー「アイ・ラブ・坊ちゃん」
Rカンパニー
3-Jun-2007 19:00~21:00 1F-U-23
東京芸術劇場 中ホール
この日、東京芸術劇場前の池袋西口公園で、「一関の物産と観光展」をやってたので、揚げたてサクサクのコロッケパンと、気仙沼から到着したてのさんま寿司で腹ごしらえしてからの観劇
和装で歌って踊るというのがたまらなくうれしい。
第一印象は、Rカンパニーの前4作(「21c.マドモワゼルモーツァルト」「とってもゴースト」「泣かないで」「リトルプリンス」)とは趣が違うなということ。
前4作では、物語に"生と死"が絡み、そこには神様の存在を強く感じたのですが、今回の「アイ・ラブ・坊ちゃん」では神様の存在は希薄で、それは漱石の心の中の"思い出の人々"と"坊ちゃんの登場人物"が"漱石本人"と語り合い、答えを見つけていく話だからなのだと思うのです。
前4作では、クライマックスで神様と対話するように天を見上げる場面があり、心が昇華していくような印象を受けたのですが、「アイ・ラブ・坊ちゃん」のラスト、電車に乗る場面では進行方向=未来を見ていて、力強さを感じると同時に、元気を分けてもらったような気分になるのです。
坊ちゃんがキヨの手紙をよむくだり、手紙の中身はキヨの声で語られるのだけれど、坊ちゃんとキヨの、決して利害関係ではない強い絆が、キヨの語りからはもちろん、手紙を読んでいる坊ちゃんの表情からも感じられて、地味だけれどよいシーンだと思います。
猫さん(野田久美子)がカワイイ。
テーマ曲がキリン一番搾りの曲に似てるなあと思ったのだけれど、よく考えたら、元歌は「コーラスライン」じゃんね♪
劇団TA2「明日に向かって逃げろ!」
劇団TA2
2-Jun-2007 19:00~21:00 F-11
恵比寿エコー劇場
居酒屋でひとり泣きながら酒を飲む若者。
労働者風の中年の男が話しかける。
若者は、恋人の手術費用で必要な500万が工面できないのだと言う。
中年の男は、郵便局への強盗の話を持ちかける...
押入った郵便局は、町民の社交場にもなっている田舎町の特定郵便局。
横領している局長は事件を機にごまかそうとし、町の有力者は犯人を逮捕して選挙に当選したい。
事件により不倫がばれそうな局員。
元レディースの局員達。
犯人の若者は、実はお坊さん。入院中の恋人は孤児院での幼馴染み。
中年の男は、出稼ぎに出たまま家には帰らず、しかし毎月娘への仕送りは欠かしたことがない。
(押入った郵便局は、仕送りの送り先(局留め)の郵便局であった)
やがて局長は横領で捕まる。強盗の二人は、人質となっていた資産家の老婆からお金を融通してもらい、大団円。
面白い人情喜劇だったなあと思ってたら、暗転して、舞台は再び居酒屋。
「...って具合にやれば上手くいく」と、若者に話す中年の男。
病院から若者に「様態が急変、すぐ来てください」との電話。そのとき若者の心に入院中の恋人の声が届く。「強盗なんかしちゃいけない」と。
急に血を吐いて倒れる中年男。救急車とともにやってきた医師は、実は彼の娘だった。
...と、最後はちょっとファンタジック、単なる人情喜劇ではなかったのでした。
お坊さんに語りかける恋人...のくだりは結構泣けてくる。
郵便局員の2人が元レディースとか、近所のお弁当屋さんが宅配便の取次店(他にもいろんなモノを商っていそう)だったり、いかにも田舎町~って感じが暖かさになってたりするのですね。
お坊さんが強盗犯というのが、うまい設定だなあと思います。それこそ仏心にあふれる強盗ですから(笑)
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