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June 18, 2007

劇団、本谷有希子「ファイナルファンタジックスーパーノーフラット」その2

劇団、本谷有希子
16-Jun-2007 19:40~21:30 F-15
吉祥寺シアター

Corich公演情報

Stage572_1_1

6/6に続き、2回目の観劇。


満席。立ち見あり。


 初回は2列目下手側、今回は6列目上手側。場所も違えば見え方も違ってくるだろうし、公演も後半なので、いろいろ演出も変更されているにちがいない。

 実際見ると、たった10日前のことだけれど、細かい部分は記憶が曖昧だな(笑)

 登場人物のすべての関係がわかった上で見ると、ユクという実在しない人物を拠り所として集まってる集団がいかに不安定であるかとか、トシローや縞子のいらだちが納得できて面白い。また、トシローの言動で笑いが起きる部分があるけれど、その後の展開を知っているせいか、空しく感じられて笑えない。初回と2回目で、こんなに印象が異なるものかとちょっとびっくり。

 初見の際は客観的な第三者の立場で見ていたけれど、今回は、自然と縞子の目線でトシローやユクレプリカを見ている自分が居た。(真意がわかると、いちばん縞子に感情移入しやすかったのだろう>じぶん)

 最後にトシローがウサミミを取るシーン、この印象もかなり異なる。トシローは舞台奥の観覧車の中で、上手側に座る縞子と対峙しており、初見時は下手側席、今回上手側。だからトシローの表情は今回の方がよくわかるというのはあるだろうけれど...

立場が逆転し、自分から離れていってしまいそうな縞子に対し、

 初回 「俺、変わるから一緒にいてくれ」と、いままでの自分を否定するかのように一気にウサミミをはずす。
 今回 「いままでの自分は何だったんだろう」と、絶望・憔悴しながらゆっくりウサミミをはずす。

...と見えた。個人的には今回の絶望感が漂ってるほうが好み。


 詠子(すほうれいこ)は、最後に笑ってるような泣き叫んでいるような様子で、トシローと縞子に感情をぶつけるけれど、いったい詠子は何をしたかったのだろう?トシローと縞子をどうしたかったのか?
 詠子とトシローのシンクロ率が高かったというのは、詠子とトシローは似たもの同士ってことか?愛人である編集者は、妻のもとに戻っていき、ひとり遊園地に残されてしまった詠子は、第2のトシローってことかな?


 やはり、前半の、縞子の正体が明かされるまでのくだりは秀逸。本当に、前半だけなら秀逸なミステリーだと思う。その後の展開はちょっと冗長になるように感じる。でも、本谷さんの書きたかったのは後半で、前半は単なるネタふりにすぎないのでしょうね。

ふたたび吉本さんの名人芸を堪能いたしました。色白いですね。


蛇足

昼は新宿でグリング「ヒトガタ」を観劇。弘中麻紀さんといい吉本菜穂子さんといい、今日は愉快な声質の女優さんを見る日になった(笑)

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