エムズクルー「火あそび」
エムズクルー
29-Aug-2007 19:35~21:25
麻布die pratze
「『別荘一棟全焼、死者4名』
湖をいだく、山あいの地方都市。地元の有力企業久谷工務店の妾腹の次男・清二はある日忽然と姿を消す。清二は自社の談合告発を計画しており、その計画は久谷工務店長男・義明と腹心の平にギリギリのところで阻止される。そして清二の妻・時子は、清二の親友・伊関と情交重ねていたが関係が露見してしまう。義明は清二を事故に見せかけて抹殺する計画を立て、伊関と時子は清二を殺意をもって湖に突き落としてしまう。それから半年経っても、死体はいっこうに発見されない。事件はは表面化しないままだった。しかし久谷工務店社長の逝去を機に、再び談合告発の資料が送りつけられ、義明と伊関の携帯に清二からの着信が入るようになる。不安に揺れながら、表面上は決して増水することのない湖のような、町の閉塞感は台風の夜に解き放たれていく。『不在』の中、残された者たちは暗い『しあわせ』へと一気に欲望を加速させていくのだった。」重厚なスタイルのお芝居、死んだはずの男ははたして。
「映画監督でもあり、映画『陰陽師』や数多くのMVも手がける映像作家の蠱惑的な映像と、ジャズをはじめ音の遊びと、うねるような独特の叙事的なセリフ回しが、独特な世界をつくります。この語り口をこそが見どころです。濃さと、湿度と、謎と暴力、蛇行する物語を、体感してください。エムズクルーを観劇するのは、ほぼスポーツかもしれません。」
~演劇交差点より~
海外モノのミステリーを、日本に置き換えたような雰囲気で、東海テレビ制作でフジテレビ系列で13:30から放送したらすげーおもしろいんじゃないかという気がしました。
全体にとてもハードボイルドで、しかもBGMがハービーハンコックのカンタロープ・アイランドというのが、海外モノと思わせる要因かもしれません。
果物ナイフで刺そうとするシーンがありましたが、あれ、本物では?(刃は落としてるかもしれないけど)
「謎と暴力、蛇行する物語」とは、その通りで、最初は謎だらけ。その緊張感がたまらないのですが、少ない情報をなんとか結び付けようと頭の中は大忙し...これがスポーツってことかも(笑)
「うねるような独特の叙事的なセリフ回し」、随所に登場人物がいきなり一人語りになるシーンがあり、その言い立ては「金明竹」や「大工調べ」のごとく、聞いていて気持ちが良いので、つい内容そっちのけで堪能してしまいました。結構重要なことを言ってるっぽいです。
話が話だけに、殺害するシーン、言い争い・取っ組合いのシーンがあるのですが、これが実にリアルで恐い。派手に争ってるわけではないのですが、殺意を抱いた人間の恐さがビシビシ伝わってきて恐いのです。最前列だったので、ちょっと身の危険を感じる恐さでした。
クタニヨシアキ | 板倉佳司 |
トキコ | 斎藤萌子 |
イゼキ | 黒川龍市 |
ヒエタノブヒコ | 原田紀行 |
イセタカコ | 松井裕子 |
ヒライケコウイチ | 松原寛 |
タイラ | 銀座吟八 |
タケウチハルコ | 果月英子 |
ノガミイチロウタ | 薬袋一久 |
オオタキテツヤ | 瀬尾圭司 |
オンナ | 野田美華 |
作・演出・美術 | 南英司 |
舞台監督 | 小野八着 |
照明 | ミゾカミクニコ |
音響 | 川口博 |
音響オペレーター | 鈴木悠真 |
映像制作・宣伝美術 | 金海初芽 |
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