劇団鹿殺しオルタナティブズ「魔人現る」
劇団鹿殺しオルタナティブズ
5-Aug-2007 19:30-21:20
こまばアゴラ劇場
「最終電車で"黒い服の女"を見たら、彼女と一緒に遊び続けなければいけない」という都市伝説。
その日の最終電車の乗り合わせた日暮里美、飯田橋也、清澄。3人の前に「黒い服の女」が現れる
そして電車は時間を遡り、過去へと向かう。
3人の共通点は、1週間前に電車に飛び込み自殺をした男(上野広)と関係していること。過去の上野広と出会い、やがて上野広の自殺の謎が明らかになります。
上野広は、里美への恋を成就させるために"黒い服の女"と契約します。上野広の望みが叶うたびに彼の体には火傷と痕が増えていきます。そして、最後には里美の命を救うために、自分の命を捨てることになるのです。
全体はホラーなのですが、根底には上野広の里美への純愛があり、とてもロマンティックなホラーに仕上がっていました。ある意味ストーカーまがいの純愛なのですが、脚本のオレノさんも演出の丸尾丸一郎さんも、そんなふうにしか生きられなかった男の哀しさをたっぷり描きたかったのでしょう。そんなオルタナティブは素敵だなと思います。
清澄率いるバンド「白昼夢」のライブシーンや、メタルロック漫才では、ほとんどライブ会場のごとき大音量。これが鹿殺しの特色でもあるのですが、最前列スピーカー前のお客さんは耳痛かったんじゃないかなあ。
客演の奥田ワレタさん、高山奈央子さん、それぞれ恐がる側と恐がらせる側ですが、見応えじゅうぶん。
恐怖で目を見開いてる奥田ワレタさんって、まばたきしてないんじゃないかな?
高山さんは喋り方も動きも不気味で恐い。
山本聡司さんは、いつもの飛び道具的な役ではなく、話の芯となる役。(今回、舞台を見るまで気がつかなかったのですが、チラシの金髪メガネって、山本さんなんですね。)
終演後、トークショーあり。
出演の5人+司会進行・演劇ライターの川口有紀さん
印象にのこったコメントを箇条書き。
・白昼夢は黒夢、清澄は清春が元ネタ
・オレノさん、角川映画の純愛路線系が好きらしい
・稽古期間は実質22日程度で、高山さんは遅れて2週間前からの参加。
・脚本がかたまったのは1週間前だったらしい。
・奥田ワレタさん、当初は全編関西弁だったが、最後の最後に東京弁になり、切り替えに苦労したらしい。
・奥田さん・高山さんいわく、「鹿殺しの男性陣は、舞台を降りると、信じられないくらい静か。」とのこと。
それを受けて、オレノさん「おれたち引きこもりですから(笑)」
・高山さん扮する"黒い服の女"は、最初はフツーにしゃべる設定だったらしい。「リング」「呪恩」等のビデオを見て参考にしたらしい。
・山本さんの左腕の火傷のメイクは、テーピングの上にボンドやらアクリル塗料やらで作られていて、公演期間中は一度もおとさずそのままだそうだ。朝飯買いにコンビニに行っても左腕が出せないのでたいへんらしい。
・役名が駅名になっていることに、トークショーで川口さんに指摘されるまで気がつかなかった丸尾丸一郎さん。
・山本さんの脚がアザだらけなのは、メタルロック漫才で、オレノさんが振り回すマイクスタンドの円盤の部分が脚にあたるから。
上野広 | 山本聡司 |
日暮里美 | 奥田ワレタ(クロムモリブデン) |
黒い服の女 | 高山奈央子(KAKUTA) |
飯田橋也 | オレノグラフティ |
清澄 | 丸尾丸一郎 |
脚本 | オレノグラフティ |
演出 | 丸尾丸一郎 |
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