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September 2007

September 29, 2007

過剰サスペンス劇場「家政婦はいた」

マダマダムーン
28-Sep-2007 19:30~21:20
サンモールスタジオ

Corich公演情報

070928


 お互い連れ子の再婚同士という家庭にやってきた家政婦。家政婦の力で、それまでギクシャクしていた家族は次第に仲良くなっていくのだが、実は、夫にも妻にも、そして家政婦にも秘密があって...

 笑いどころ多し。後半はサスペンス仕立てで手に汗握るものの、やっぱり可笑しい。

  家政婦役の丹野晶子さん、フシギなおかしさは相変わらずなのですが、サスペンスな場面では恐さも感じさせ、その2面性を見るに、結構すごい女優さんだったと初めて気がつきました。ロリータ男爵の舞台では何回も見ていたのに、全体にゆるくてくだらない舞台の雰囲気のせいで、彼女のすごさに気がつかなかったようです(笑)

 娘役の内山奈々さん、こけしっぽいお顔立ちが微妙に花總まりに似ていて、「花總まり、女優さんとして復帰しないかなあ」と、ふと思っちゃいました。(花總まりがすっぴんんでジャージ着てたら、あんな感じではないかと...)

家政婦・塚みどり 丹野晶子(ロリータ男爵)
父・神宮晃 山田伊久磨(エッヘ)
母・神宮真弓 ザンヨウコ(危婦人)
娘・神宮亜矢子 内山奈々(チャリT企画)
娘・神宮マリ 武田真由美
 
脚本・演出 米山和仁(ホチキス)
舞台監督 西廣奏、松澤紀昭
照明 兼子慎平(La Sens)
音響 井上直裕(atSound)
大道具 寺岡崇
宣伝美術 gift-works
衣装 手縫い本部
写真 佐藤孝仁(BEAMX10)
映像 上條大輔
映像操作 キキコロモ
WEB製作 半沢さとこ
小道具協力 船戸健太郎
制作補助 遊佐絵里、藤田陽子
提携 サンモールスタジオ
プロデューサー スギタクミ
企画・製作 マダマダムーン

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September 27, 2007

サーカス劇場「隕石」

サーカス劇場
26-Sep-2007 19:30~21:00
不思議地底窟 青の奇蹟

Corich公演情報

070926

 下高井戸駅を降りると、出演者の皆さんが駅前・商店街でチラシを配っていました。

 内容は...唐組のアングラ芝居のようで、個人的にはとても楽しめたのですが、駅前で勧誘するほど一般受けするものでもないような...と思っちゃいました。

 BGMに"黒いオルフェ"が使われていて、名曲だよなと思って聞いていたのですが、話が進むとオルフェウスとエウリュディケの話が絡んでくるので、この選曲にも深い理由があったのですね。

 オルフェウスとエウリュディケ...なので死んだ人間と生きている人間が出てきます。このところ「あさかめ」「廻天百眼」と生死の垣根を越えた内容の芝居見物が続きました。偶然とはいえ恐ろしいものだと思います(笑)

 ほぼ満席で、桟敷席は決して楽ではありませんでしたが、狭いところで熱い芝居を観るのも楽しいものです。

 幕間の「オルフェウス物語」ではゲストの"そのだりん"さんの朗読あり。耳に残る素敵な声でした。
(幕間の人形劇、ちょいと面白い)

500円とお安かったので上演台本購入。
お話のバックボーンの解説が載っていたりしてお得感あり。

夫 石井良治
妻 柳瀬絹子
役人 森澤友一朗
実業家 清末浩平
女中 阿部あさみ
 
脚本・演出・選曲・音響操作 清末浩平
舞台監督 槇原直
舞台美術 大泉七奈子
照明 須賀谷沙木子(colore)
照明操作 小川貴大・相澤千里・槇原直
音響操作 菅原春瑠佳
衣装協力 野中万紗子
宣伝美術・WEB 相澤千里
制作 植野晶
プロヂューサー 森澤友一朗

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September 24, 2007

「寒空はだかカラフルロスタイムショーvol.6withあがた森魚&清水ミチコ」

ざぶとん亭 風流企画
8-Jul-2007 19:00-22:00
六本木SUPER DELUXE

070923b

満席デスタ。

MICABOX feat.Ayako Takato
「風をあつめて」他2曲

寒空はだか
はものてんぷら♪
少年メトロ♪
皇室演芸会♪
バカの壁♪
...他

清水ミチコ
フォークメドレー
プカプカ(桃井かおり、大竹しのぶ、吉田日出子)
作曲法(ユーミン、井上陽水、スピッツ)
100円お菓子のうた
...他

フォークメドレーの"森山良子"が死ぬほど可笑しかった。


~仲入り~

あがた森魚
「赤色エレジー」
「午後4時のアメジスト」
「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」
...他

「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」ってすごい歌。
「赤色エレジー」って名曲だなと思う。

あがた森魚清水ミチコ

「パールデコレーションの庭」

出演者全員で「Be My Baby」

フィナーレ「東京タワーのうた」


次回は11/25。

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廻天百眼「実験公演『御霊祭御祭騒』」

廻天百眼
23-Sep-2007 14:30~21:30
シアターPOO

Corich公演情報

070923a

エンタメ系アングラ(と、勝手に思ってるのですが)廻天百眼の実験公演。

 子を産んだものの死んでしまった少女は、転生しようとする。
その転生を阻止しようとするモノたち。
転生する新しい命の親となる少年と少女。
果たして転生できるのか...

 開演前、「ものが降ってくることがあるのでカバンのファスナーは閉じといてください」という趣旨のアナウンスあり。

 BGMの音量が大きくセリフが聞きづらい箇所がありましたが、前回公演も同様でしたから、きっと確信犯なのでしょうね。

 舞台上と並行して花道(中央通路)でも芝居が進行。丑頭(篠原志奈)が娘(白亜)を蹂躙するシーンなどは結構たっぷり。ちょうど真横だったので見入っちゃいました。

 客いじり多し。途中、頭の上でなんだかゴソゴソしてるなあと思ったら髪に折鶴をつけられてました。斜め前の方は造花でした。最前列の人は劇中小道具のドーナツもらってました。
 ラストは大僧正VS少年の対決に、全員入り乱れての、文字通り「お祭り騒ぎ」。クラッカーが鳴り、折鶴が降ってきて、お麩(ふ)が配られて...。終演後、床に落ちた冷えピタシート・使い捨てカイロの袋を発見。何に使ったんだろう(笑)

 大僧正の大島朋恵さんはいつもながらの口調の良さ。丑頭の篠原志奈さんも存在感があり。

 イベント色が強く、演劇鑑賞というよりも見物というのがふさわしいですね。
まだまだ発展途上の感はありますが、見世物小屋でいかがわしい演目を見ているような楽しさがありました。題名の『...御祭騒』は、お話の内容だけじゃなく、客席も会場全体も『御祭騒』ということだったのですね。

 約70分。

紅日毬子 少女
大島朋恵 大僧正
岡崎哲也 御祭男
能登谷智生 少年
娘 白亜
丑頭 篠原志奈
瑪頭 礼音
 
作・演出・舞台監督・照明・音響・制作 石井飛鳥 

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September 23, 2007

あさかめ「スルー」

あさかめ
22-Sep-2007 15:00-16:25
新宿眼科画廊

Corich公演情報

070922

 生きている人間と死んだ人間、殺した人間と殺された人間。
その境界が「スルー」されていて、お互いがフツーに会話できちゃっているような世界♪

 生きている人間(殺した人間)は、どこか心を病んでいるようだけれど、死んだ人間(殺された人間)は屈託なく明るく描かれています。俗世のしがらみやら死の恐怖から開放された存在...そりゃあ楽かもしれません。「死んだ気になったら何でもできる」と言いますが「死んじゃったら恐いもの無し」でしょう。

 「生と死の間を[スルー]していくエンターテインメント」とキャッチコピーにありますが、死後の世界の明るさは、地獄の様子を面白可笑しく描いた「地獄八景亡者戯」のようだし、平気で死後の人間と日常会話しているあたりは「三年目」や「へっつい幽霊」のようで、とても落語っぽくて面白いなと思いました。

 新宿眼科画廊は初めてでしたが、壁が真っ白でとても明るい会場。壁に飾られたオブジェがかわいらしく小洒落たお遊戯ルームみたい。役者さんから観客の様子はよく見えているわけで、なんだか緊張したりして(笑)

ヒザイミズキ  のぞみ(妹)
川原安紀子  さゆり(姉)
いしいせつこ  門田さん
倉本恵理  かなちゃん
児玉洋平  森くん
 
作・演出 児玉洋平 
作曲 越智修三(Super Multi Coupon) 
照明 谷真弓 
宣伝美術 fukky  

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September 22, 2007

荒木巴&温井摩耶「ふたり咲き」

ふたり咲き
20-Sep-2007 19:30-21:10
Duo STAGE BBs

Corich公演情報

070920

マジックと一人芝居に加え、歌ありダンスありの楽しいPerformance live♪

Ⅰ.朝の風景(opening)
 荒木巴・温井摩耶

オープニングダンス。

Ⅱ.反復かつ連続(作・演出 柴幸男)
 温井摩耶

とある朝の風景。家族の一人一人を順に演じていきます。すでに演じた家族は音声が再生されるので、繰り返すたびに登場人物が一人ずつ増えていき、最後に家族全員がそろうのですね。

Ⅲ.大草原からこんにちは
 荒木巴

「ジンギスカン」の曲で登場。観客参加で胴体切断あり。

場つなぎ用かな?温井摩耶さんの歌あり。「絶体絶命」にあわせてマジックの片付けをする予定だったと思われるですが、曲の前に片付け終了してたなあ(笑)

Ⅳ.昼休みの風景「恋花 Lunch time」
 荒木巴・温井摩耶

観客から集めた恋愛についての質問カードに回答する形で進行。
秀逸だったのは「自分が好きになった人と、自分を好きになってくれた人と選ぶとしたらどちら?」に対する荒木さんの回答。「好きになった人が好きになってくれた人だったら一番いいよね」と、質問の回答にはなってないけど真理をついていて、感嘆の拍手が起きました(笑)

Ⅴ.ポッケのワンピース(脚色・演出 辻良江)
 温井摩耶

つちだのぶこさん作の絵本が原作。スクリーンに文が表示され、絵のかわりに芝居といった趣向。メルヘンチックで心が洗われるようでした。

Ⅵ.姫らぶらぶ大作戦
 荒木巴

またまた観客参加型。皿回し~マジック~風船芸。

Ⅶ.夜のDuo Sutudio
 荒木巴・温井摩耶

Ⅷ.夜の風景(ending)

エンディングダンス。


 通し稽古をしていないとかで、段取りがうまくいかないところも多々ありましたが、全体に演芸色が強いのでアドリブで上手いこと笑いに転化できていて、逆に初日ならではの面白さになっていたかと思います。

 荒木巴さん、演芸系のイベントでもらうチラシで名前だけは見かけていたのですが、ここまでインパクトのある方だとは思いませんでした。プロフィールによると、演劇出身のマジシャンさんのようですね。面白すぎ姉さんです。

小早川ひとみさんのフライヤーデザイン、かわいらしいし暖かさもあって素敵ですね。

荒木巴 
温井摩耶 
 
照明 柿嵜清和/古矢涼子
音響 ササキケンジ
舞台監督 清沢伸也
宣伝美術 小早川ひとみ
振り付け ピンキー
映像記録 米田哲也
ヘアメイク 田村隆宣
マジック監修 ドリームかずよし
字幕操作 温井佳英
Web制作 石田崇
制作 制作集団Quarter note

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September 17, 2007

池田塾「もうひとつのしゅーまつの過ごし方」

池田塾
16-Sep-2007 19:00-20:50
中野ザ・ポケット

070916b

池田塾は「蕎麦屋の嫁さん」で初めて見て、下町人情喜劇風で面白かったのですが、前作の「しゅーまつの過ごし方(再演)」は都合がつかず未見。どうやら「もうひとつのしゅーまつの過ごし方」は続編のようですが...


 「人類滅亡の時まで、あと数時間。旅館でひっそり死を迎えようとしていた病気の若女将の元に、脱出用のスペースシャトルに乗って迎えに来た、姉の松江。感激の再会も束の間、シャトルは爆発!!!地球に残された人類は、おそらく旅館の人とシャトルに乗っていた人だけ。脱出という一縷の希望が閉ざされ、人々の心は千々に乱れる生への執着が募る者、このまま終末を迎えたいという者・・・。やがて人々は一つの歌を歌い始める。
様々な思いを込め、歌声が宇宙へ届けと・・・。」

SFなのか人情モノなのか想像がつかず。"百聞は一見にしかず"でさっそく拝見。


前作の「しゅーまつの過ごし方」は、世界が終末を迎えるとなったときに、それまでの時間をどう過ごすかという話だったようです。「もうひとつのしゅーまつの過ごし方」は終末後、生き残った人々がどう生きていくかという話ですね。

 生存者の一人・池辺修(中山達也)は、生存者を感知できるという不思議な能力をもっており、旅館に残された梅(久万玲子)たちを発見したのも彼の力による。終盤、彼は宇宙からの歌声を聞くのですが、それはどこかにいる他の生存者かもしれないし、希望なのかもしれません。

 さて、この後、旅館も終末を迎えるのか、それともしぶとく行き続けるのか。終末温泉モノとしてシリーズ化するのも面白そう。

久万玲子さんの女将さん振りというのが自然で、ホンモノっぽい。
梅の姉・松江役の叶野喜和子さんはとっても男前。

※前作「しゅーまつの過ごし方」が見てみたくなりました。

※元ムエタイ世界チャンピオンの小林聡さんが舞台出演ということで、微妙に体育会系な雰囲気が漂う客席でございました。

叶野喜和子 空井松江
久万玲子 空井梅
もろいくや 森野勲
田中貴裕 野原拓也
いとうたかお 沼沢浩
こうじひでと 大河洋平
中山達也 池辺修
下山裕子 海野三津
橘麦 湖池美汐
佐藤一敏 広野泰
松原潤 河合直也
山田実紗子 出水泉
坂井優貴子 林田珠子
名取三帆 大地真央
島村美妃 小川波子
秋吉京 山崎岬
小林聡 滝口翔
 
脚本 笠井健夫
演出 池田定幸
芸術監督 松本翠
音響プラン 井出比呂之
音響オペ 兼坂香弥
照明プラン 北内隆志(PAC)
照明オペ 黒谷由香(PAC)
演出助手 内山達樹/川田優里
美術デザイン 櫻田耕司
衣裳 片岡奈保子
小道具 佐藤一敏
広告デザイン 櫻田耕司
広告レイアウト スズキフミコ
パンフレイアウト スズキフミコ
宣伝写真 笹子三喜男
印刷 東海電子印刷㈱
企画・制作 演劇集団池田塾

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戸田恵子LIVE SHOW「ACTRESS」

戸田恵子のオフィシャルブログ
16-Sep-2007 14:00-16:45 1F-G-44
草月ホール

070916a

生誕50周年記念コンサート。

入場するともれなく特製マグカップのプレゼントあり。
ジャムおじさん、バタコさん、etc...アンパンマンキャラクターによる場内アナウンス。

SCENE 1 Dramatic Stage
芝居仕立てのステージ。
"女優継続疑問罪"で裁判にかけられ、経歴を証言するという形で、デビューから現在までの歴史をたどります。

M1.里の秋
M2.ブルーライトヨコハマ
M3.みんな夢中
M4.ギターをひいてよ
M5.逃避行
M6.ミュージカルメドレー
 「Comedy Tonight」
 「Lida Rose」
 「Wall Street」
 「Dear Tom」
 「煙突そうじの唄」
 「Big Spender」
 「もう恋などしない」
 「Greased Lightnin'」
M7.コスモスに君と
M8.渡りに船
M9.サバの缶詰
M10.里の秋
M11.V.I.P

ミュージカルメドレーでは"七色の歌声"を堪能。これは楽しい。


SCENE 2 Show Time
CD「ACTRESS」収録曲を中心に。
赤のドレスで登場。ささやかなジュゲームからは白のドレスに着替え(これは暗に紅白を狙っているという意味かな)

M12.ホレレ・ウクンデ
M13.女友達
M14.のっこのわがままブギ
M15.ささやかなジュゲーム
M16.強がり
M17.声のおまもりください
M18.ハッピーバースディ・トゥ・ユー
M19.HAPPY BIRTHDAY

アンコール
物販TのオリジナルTシャツ+ジーンズで登場。
M20.New York State of Mind
M21.ひとり占い

"New York State of Mind"が絶品。

戸田さん、低めのよく通る歌声が実に気持ちよいのでした。

物販
パンフ 1500円、オリジナルバッグ 1000円(完売)、オリジナルTシャツ 2500円
CD「ACTRESS」サイン入りポストカード付

戸田恵子 
麻生かほ里 
入絵加奈子 
平澤智 
斉藤直樹 
 
横溝礼(Vl) 
大澤直人(Vc) 
荻野清子(Pf) 
山崎教昌(Key) 
千葉一樹(Bass) 
野呂尚史(Dr) 
 
構成・演出 三ツ矢雄二

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September 16, 2007

日中共同制作「舞劇 楊貴妃」

bunkamura
15-Sep-2007 18:00-20:15 1F-5-18
オーチャードホール

Corich公演情報

070915b

 「舞劇ってなんだろう?」という状態での観劇でしたが歌と踊りのみで、いわゆる"中国古典舞踊ベースのバレエ"なのですね。(もらったチラシもバレエのばっかりだし)
 同じようなお客さんは多かったようで、「もっとセリフがあるのかと思った」「セリフがないからストーリーがよくわからない」という声を休憩中・終演後に耳にしました。あらかじめパンフ読んで、あらすじと時代背景を頭に入れておいたほうが良さげです。("楊一族の隆盛"、"安禄山の乱"などは、昔、宝塚で「花舞う長安」を見た折に学習した知識が役に立ちました。)

 優雅で美しい踊りが中心。大スペクタクルな話ではないので盛り上がりには欠けますが(そのためちょっと物足りなさもありますが)、踊りは本当に綺麗。

 5列目だったので、役者さんの表情や息遣いがよくわかります。反面、見上げる形になり、舞台奥での踊りや群舞はちょっと見づらい。2階・3階の、全体が見渡せる席の方が良席ではないかと思います。

 楊貴妃役のチェン・ファンユアンさん、謝阿美役のソン・ジエさん、お二人とも動きはしなやか。すごい筋肉。見慣れない踊りだからか、とても不思議な動きに感じました。大柄な楊貴妃と華奢な謝阿美がからんで踊る場面も面白い。「貴妃酔酒」「貴妃出浴」は芝居や京劇でも見所の場面ですが、この舞劇でも妖艶で美しい場面。

 男優さんでは李白役のホウ・タンフェイさんのソロダンスのシーンが見応えありました。

 カーテンコールでは主要な役者さんのソロダンスあり。アクロバティックな踊りを見せてくれました。演出・振付のジャオ・ミン氏が私服で登場し、ひと踊り。これには舞台上も客席も盛り上がりました。それまで常に楊貴妃であったチェン・ファンユアンさんも、このときばかりは素の笑顔になってましたね。

 純正の中国舞劇は、はたしてどんなものだろう。ぜひ見てみたいものです。

チェン・ファンユアン楊貴妃
ソン・ジエ 謝阿美
シン・サン 玄宗皇帝
ホウ・タンフェイ 李白
ラン・ハオ 阿部仲麻呂
上海青年舞踊団
 
脚本 ウォン・スーザイ
演出・振付 ジャオ・ミン
作曲 服部隆之
歌 森山良子
芸術監督・演出 松本重孝
舞台美術 大沢佐智子
装置設計 島川とおる
衣裳 前田文子
照明 勝柴次朗
主催 Bunkamura/ぴあ/TOKYO FM
企画制作 Bunkamura/上海シティダンスカンパニー
後援 中国大使館

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イキウメ「散歩する侵略者」

イキウメ
15-Sep-2007 14:00-16:00 A-11
青山円形劇場

Corich公演情報

070915a

 面白い。物語の世界にグイグイ引き込まれ、ついつい背ばなれしてしまいます。

 「宇宙人が地球を侵略するために地球人の意識を調査する」というSFは過去にもありますが、地球人の"概念"を収集すると、その副作用として地球人の"概念"が消えてしまうというのはおもしろい設定ですね。特定の"概念"だけが無くなった状態がはたしてどんなものか。

 最後に、宇宙人は"愛"という概念を得ます。"愛"の概念は自分を愛している人間(すなわち妻)から得るしかない。妻は自らすすんで"愛"の概念を宇宙人にのりうつられた夫に捧げる。はじめて"愛"を知った宇宙人。
 SF的には、例えば、侵略をあきらめさせるような概念をワザと奪わせるとか、おかしな概念を奪ったために宇宙人が自己崩壊するとか、いくらでもオチは考えられるでしょう。しかし、SF的なオチを避け、「愛」に帰結させたのは(ベタだけれど)見事な終わらせ方だと思います。

 医者は"自と他"という概念を奪われますが、こいつは『粗忽長屋』につながるんじゃないかた。概念を奪われた地球人、あるいは変な概念を奪いとってしまいおかしくなった宇宙人を、面白おかしく描く、『お笑い版「散歩する侵略者」』なんてのも見てみたいです。セルフパロディでやってもらえないものかな♪

 円形の舞台を上から照らす光がとても綺麗。月明かりのようにも、UFOの放つ光のようにも見えます。

 奥さん役の岩本幸子さんが素敵でした。

岩本幸子 加瀬鳴海
浜田信也 長谷部
盛隆二 桜井
國重直也 船越浩紀
宇井タカシ 車田(町医者)
安井順平 加瀬真治
瀧川英次 丸尾
内田慈 あきら
日下部そう 天野
町田晶子  船越明日美
 
作・演出 前川知大
舞台監督 谷澤拓巳+至福団
美術 土岐研一
音響 鏑木知宏(soundgimmick)
照明 松本大介(enjin-light)
楽曲提供 安東克人(prime Chime)
ヘアメイク 前原大祐(BRIDGE)
演出助手 矢本翼子
宣伝美術 図工ファイブ 末吉 亮
制作協力 エッチビイ 中島隆裕
制作 吉田直美

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September 15, 2007

動物電気「先輩へのあこがれ」

動物電気
14-Sep-2007 19:30-21:20 1F-E-10
本多劇場

Corich公演情報

070914

 始終キャッキャ大笑い。

 アドリブコーナー、まわりのリアクション・フォローがうまいからでしょう、すべってもグダグダにならないのはさすが。

 ラストはしみじみと暖かく、これが長すぎず短すぎず、くどくなくて絶妙なバランスでした。

 動物電気版『ドン・キホーテ』とのことで...モラルと風紀の乱れを正すために立ち上がる主人公、そのターゲットは風車ならぬホストクラブで...というお話なのでした。「先輩へのあこがれ」というのは、ホストのひとりが主人公の学生時代の先輩だったというところからでしょう。最後まで観ると、なるほど「先輩へのあこがれ」というタイトルがしっくりきます。

 この日、ミハラ(辻修)が柄杓でヤザキ(鬼頭真也)の頭を叩いたところ、ホントに流血したようで舞台上は大騒ぎ(笑)♪
一旦引っ込みましたが、血止めして、すぐ舞台上に復帰してきました。柄杓で人を叩くときは、気をつけなくちゃいけませんね♪

 物販、公演ビデオが特価980円、公演DVDは会場特別価格1980円。「三女の食卓」DVD衝動買い。

小林健一 一条ケン
伊藤美穂 一条やよい
森戸宏明 ハコザキ
辻修 ミハラ(レジェンド)
鬼頭真也 ヤザキ(ボック)
石崎和也 クリバヤシ(ズゴック)
松下幸史 ソガ(コージー)
田中あつこ サトミ
森山夕子 ハルナ
高橋拓自 マエダ
姫野洋志 ルミ
すず江 政岡泰志
 
作・演出 政岡泰志
舞台監督 松嵜耕治(至福団)
舞台美術 田中敏恵
大道具 横尾友広
照明 シミズトモヒサ
音響 田上篤志(at Sound)
選曲 小笠原静香
衣装 太田家世(自由創作師)
小道具 松浦孝行
宣伝美術 岡屋出海
宣伝写真 多田淳之介
演出助手 三好謙人
制作/製作 動物電気 (株)ハイレグタワー 恒川稔英

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September 12, 2007

新宿梁山泊「唐版 風の又三郎」

新宿梁山泊
9-Sep-2007 19:00~21:30(途中10分休憩2回)
井の頭公園木もれ日原っぱ特設紫テント

Corich公演情報

070909b

新宿梁山泊も「唐版 風の又三郎」も初見、これが大満足の2時間半。

暑くて汗が引かないし満席で窮屈でしたが、見終わってみれば心地よい疲労感。
2列目でしたので、水やら汗やらニワトリやら魚肉ソーセージやら、いろんなものが飛んできましたが、それもまた楽し。

「どっどど どどうど どどうど どどお...」と歌いながら黒い外套をたなびかせて踊るシーンは、メチャクチャかっこよかっい。テント小屋のなかで、ミュージカルのようなダンスシーンが見られるとは思いもよらず。すげー!


蛇足

昼間見た劇団鹿殺し「殺Rock ME!」、夜の「唐版 風の又三郎」、どちらもハダカの男連中が駆け回るのだけれど、印象が全然違う。鹿殺しのハダカが「ジムで作り上げた体」とすれば梁山泊の体は「肉体労働で作りあげた体」といったところかな?

金守珍 風の商人-宮沢先生
コビヤマ洋一 教授 元宇都宮少年自衛隊航空分校長
三浦伸子 桃子
梶村ともみ 梅子
渡会久美子 女医・尼
大貫誉 織部
沖中咲子 エリカ
広島光 珍腐
米山訓士 乱腐
目黒杏理 死の少年
染野弘考 淫腐
大鶴美仁音 看護婦・尼
佐藤正行 航空学校教官
黒沼弘己 夜の男
 
〈武人会〉 
川畑信介 死の青年・高田三郎三曹
山村秀勝 少年兵・自衛隊員
森祐介 少年兵・自衛隊員
加藤千秋 少年兵・自衛隊員
小林由尚 少年兵・自衛隊員
南香織里 看護婦・尼
田口いづみ 看護婦・尼
傅田圭菜 看護婦・尼
 
作 唐十郎
演出 金守珍
照明 泉次雄+ライズ
美術 大塚聡+百八竜
衣裳 近藤結宥花
劇中歌作曲 安保由夫 大貫誉
音響 N-TONE
殺陣 佐藤正行
振付 大川妙子
宣伝美術 梶村ともみ(画)福田真一(デザイン)
制作 新宿梁山泊事務所

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September 11, 2007

劇団鹿殺し「殺 ROCK ME!~サロメ~」

劇団鹿殺し
9-Sep-2007 14:00~16:00 1F-5列-7
全労済ホール/スペース・ゼロ

Corich公演情報

070909a

 劇団初の中劇場進出で、広さをもてあましちゃうのでは?と心配していたのですが、5列目で見る限り杞憂でした。ただ、後方の席ではセリフが聞き取りづらかったという意見もあるようで、舞台上の空間を上手く使うことと、最後列の客席まで満足させることは別ってことなのでしょう。

 オリジナルのサロメというと、"サロメの官能の踊り"が見せ場だと思うのだけれど、鹿殺し版にその場面はありませんし、だいたいサロメ=官能的な魅力の女性という設定ではありません。
 だからよーく考えてみると、エロド王がサロメの魅力の虜になり、城の一室に監禁しているという設定も、いったいサロメのどこに魅力を感じたのかよくわからないです。

そのかわり...

 生まれたときから監禁されていたサロメが初めて好きになった男性ヨカマンに対し、「私はあなたのことがこんなに好きなのに、なぜあなたは好きになってくれないの?」と、最後には自分のものにするために相手の命をも奪ってしまう。一途で純粋がゆえの残酷さ。原作と異なり、とても純愛なサロメだと思います。ま、ROCK だし、気持ちはまっすぐでないとネ♪

 ROCKを全面に押し出すなら、いっそ衣装も舞台美術もROCKな雰囲気にしてしまえばもっと格好よくなるだろうなと思ったのですが、そーするとメタルマクベスのパクリみたくなっちゃうか。

 初演時に比べると、だいぶ話が整理されたようです。特にラストはかなり印象が異なります。
 物語世界の設定を、日替わりゲストによる謎の特別講師が劇中で解説してくれるのですが、日によってわかりやすかったりわかりにくかったりしていそう。予めパンフかチラシで設定を読んでおいたほうがよさげ。

 ライブステージのような歌のシーンは健在ですが、人数が増え周囲で踊るメンバーが居たりしてミュージカル色が強くなっています(あくまで初演と比べて)。演劇っぽくないと言えばそのとおりだし、人によって好き嫌いはあろうけれど、自分は、このライブシーンが好き。イエスマンのミサ(コンサート)シーンの迫力とサロメ(チョビ)の歌のクオリティの高さには大満足なのです。

エロド王・ギターの四門吉 中村まこと(猫のホテル)
サロメ チョビ
僕・ギターの昆布助 丸尾丸一郎
イエスマン・悪魔 山本聡司
エロディアス・ドラムの忠雄・悪魔 オレノグラフティ
ユダ三世・ウィラポン カオスティックコスモス(はえぎわ)
兄王・恐山喜八・ギターの賭鱒男・死人・悪魔 板倉チヒロ(クロムモリブデン)
月の男爵・ヤネン族学生・死人 江戸川卍丸(劇団上田)
ベースの屁手郎・ズーズー族学生・死人・悪魔 リアルマッスル泉
ラウレル・サックスとドラムの野鼓舞平・悪魔 伊藤そうあ
PAとベースの又次・ズーズー族学生・死人・悪魔 橋義一
ナーマン・門番・ヤネン族学生・死人 
侍女・京橋・サックスとギターの春人・死人・悪魔 谷山知宏(花組芝居)
金珍腹・軍曹 服部絋平
チョンドラゴン・ドラムの安でれ助 馬場恒行(KAKUTA)
難波大輔・ナーマン・死人 宮下泰幸
ドラムの夜刃姉・ヤネン族学生・死人 金子優子
日本の女・ズーズー族学生・死人 丸山知佳
ヨカマン・ベースの貧乏太 加藤啓(拙者ムニエル)
(日替わりゲスト)ナゾの特別講師 坂田聡
 
作 丸尾丸一郎
演出 菜月チョビ
音楽 
舞台監督 杣谷昌洋/大友圭一郎
舞台美術 加藤まゆこ
照明 工藤雅弘(Fantasista?ish.)
音響 高橋秀雄 (Sound Cube)
衣裳 鈴木美和子/赤穂美咲
演出助手 馬目知幸/幸菜緒子
宣伝写真 齋藤到
宣伝ヘアメイク 唐沢ゆりこ
宣伝美術&WEB 李 (劇団鹿殺し)
制作 三宅規仁
制作協力 ゴーチ・ブラザーズ
企画・製作 劇団鹿殺し
主催 TOKYO FM

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September 09, 2007

劇団宝船「最愛」

劇団宝船
8-Sep-2007 19:00~20:45
駅前劇場

Corich公演情報

070908b

 同時多発的三角関係の恋愛モノ。潔いくらい恋愛だけの舞台かも。

 昼ドラの雰囲気で、特に高木珠里のエキセントリックな演技が、いかにもフジテレビ13:30-14:00枠@東海テレビ制作といった感じ。「連ドラで放送してくれたら絶対録画するぞ」的なおもしろさ。

 ダメ男から離れられない構図、「バカだなあ」と片付けるのは簡単ですが、相手を離さないダメ男の資質というのも、ある意味天賦の才能ですね。過去、ダメ男が登場する芝居やドラマを見たときは、たいていダメ男に対して批判的な目で見てしまうのですが、本作品のダメ男・繁くんに関しては、言動に妙に共感できる部分もあり憎むに憎めないヤツ。このキャラ設定は見事でした。(憎たらしいと、一人悪役になっちゃうですもんね。)

 理論的には破綻している別れ話の"口説き"が、傍から見てると本当に面白い。

 高木珠里さんの出番がそれほど多くないのは残念(登場したときのインパクトはすさまじいですが)。高木主演で激情型のドラマを激しく見たい。

玉子 猫田直(tsumazuki no ishi)
繁 瓜生和成(東京タンバリン)
千瀬 後藤飛鳥(五反田団)
馬路間 加藤雅人(ラブリーヨーヨー)
佐久間 中島徹
エリカ 斉木茉奈
店員 國武綾
マサオ 中村たかし(宇宙レコード)
かず子 高木珠里
ママ 新井友香
ナレーション 峯村リエ
 
作・演出・座長 新井友香
舞台監督 田中翼
音響 中村嘉宏
照明 松本大介、奥田賢太
舞台美術 小林奈月
映像 ムーチョ村松(トーキョースタイル)、吉田りえ
衣装 中西瑞美
小道具 河口麻衣
音響OP 井川佳代
照明OP 須賀谷沙木子
宣伝美術 新井友香+利宮マサヨシ
記録 浦島啓
演出補佐 相田剛志
スーパーバイザー 牛山晃一
制作 ハイレグタワー

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星組ミュージカル「Kean(キーン)」

宝塚歌劇団
8-Sep-2007 11:00~14:00 1F-P-30
日生劇場

Corich公演情報

詳しい内容はこちらで(ENAK STAGE GRAPH)

070908a

 ブロードウェー・ミュージカルの日本初演。

 19世紀に実在した天才的なシェイクスピア役者エドモンド・キーン(轟悠)の、一人の男である自分と、役者である自分との狭間で揺れ動く姿を描いた作品。デンマーク侯爵夫人エレナ(南海まり)や資産家の娘アンナ・ダンビー(蒼乃夕妃)との恋も絡んではくるけれど、基本的にはキーン自身の「自分探し」の物語。「愛とファンタジー」が真骨頂の宝塚としては異質な作品でもあります。

 終演後、「宝塚っぽくないね」とか「他愛も無い話を派手にのが宝塚らしいよね」などという声がロビーで聞こえてきました。

 「宝塚でもこういう硬派な芝居ができるのだよ」ということなのでしょう。いかにも宝塚敵な作品ならば大劇場公演で見れば良いのだから、本公演のような宝塚らしからぬ作品があってもよいと思います。

 「宝塚らしくない」点は、二人のヒロイン・エレナとアンナにもいえます。"男役を引き立てる娘役"ではなく、"キーンと対等な自立した女性の役"となっています。南海まり・蒼乃夕妃にとってはおいしい役だったと思います。実際、好演でした。

 劇中劇が随所にあり。しかし、轟悠が「天才的なシェイクスピア役者」に見えたかというと、ちょっと疑問。ハムレットでもオセロでもなくキーン(あるいは轟悠)にしか見えませんでした。キーンの話だから、それでもいいのかもしれませんが。

 しかしキーンという一人の役者の生き様は、見事に演じていたのはないでしょうか。

 百花沙里はワキでガッチリ締めてくれます。こういう人が舞台上に居ると、なんだかうれしくなりますね。

 果物売り役の音花ゆり、胸元が大きく開いた(しかもルーズな)衣装で前かがみになって踊るのでつい覗きこめちゃったりして。宝塚でこーゆーのは案外めずらしいかも♪

 このような「宝塚らしからぬ」作品は、今後も公演があるかもしれません。娘役主演の舞台なんて実現してもらえないかなあ。

蛇足

日比谷スカラ座「HERO」公開初日、木村拓哉の舞台挨拶があるとのことで東京宝塚劇場から日生劇場に向かう歩道はファンのお友達であふれてました。

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September 08, 2007

儚組「カンブリアン・ムーン」

儚組
7-Sep-2007 19:30~21:00
アイピット目白

Corich公演情報

070907

 劇団紹介で「~傷痕のエンターテインメント~」とあります。公演の写真を見ると、ファンタジー系ミュージカルな雰囲気もあるし、はて?


母親を殺して岬に飾った家重ミチルが少年院から失踪した。
フリーライターの塩沢は雑誌の依頼で彼の起こした事件を取材しようと、かつてミチルを取り調べその後に刑事を辞めた長谷川や、今も過去に縛られたまま残されているミチルの妹と接するうちに、自分自身の奥底に隠した終わらない螺旋へ、落ちていく。
その彼をとりこむ混沌につながりあう、
痛みのうちに赦しを求めてさまようミチルの母親ハヅキの死体、
人間の関係性の変質と地球環境の変化の因果を研究する観音寺博士、
歌声に惹かれて五億五千万年前の海底よりやってきた歪んだ人魚たち、
時の輪の外側で遊び続ける虫捕り網を持った子供。
やがて太陽に焦がれた岬に、それぞれの答えが向かう時、そこに、かけがえのない真実がこぼれる。
愛情の脱け殻からこそ生まれ得る、来たるべき世界の希望を想い描いた、儚組舞台。

 現実の世界と、死後の世界(死んだ魂の世界)と、五億五千万年前の海底よりやってきた歪んだ人魚たちの世界が時間を超えて繋がり、舞台上に同時に存在するので、見ていて混乱するのですが、劇中で観音寺博士が言うところの「DNAには五億五千万年前からの記憶が刻まれている」とすれば、時空を超えたつながりがあるのもなんとなく納得。

 歪んだ人魚たちが歌ったり踊ったり。この世とあの世を自由に行き来できるような存在で、静かに浮遊しているような踊りが綺麗でした。

 「やがて太陽に焦がれた岬に、それぞれの答えが向かう時、そこに、かけがえのない真実がこぼれる。」とあるけれど、それがどんなモノなのかは、芝居の中では明確にはしてくれない。「観る側が自由に感じ取ってくださいね」ということなのかな。説明や謎解きは一切してくれません。(自分が気がつかない、あるいは見落としていたのかもしれないけれど...)

 こういう詩的な舞台は好き嫌い(というか得手不得手)がはっきりしそう。自分的には、もうちょっとわかりやすく謎解きしてほしかったなあと思うのでした。(恐らく多くの裏設定があると思うですが、それをもっと明らかにして欲しかったなあ)

 内容とは関係ないのですが、女優さんの男役芝居が多くて面白い。正直、物語の世界よりも、男役芝居で90分楽しんでしまった感が強いです。

 家重ミチル役の海菜さんは少年役。誰かに似てるような...と思ってみてたですが、そっか、宝塚月組の夢咲ねねでした。夢咲ねねの男役っていけるかもと思ったりして。
歪んだ人魚のひとり佐々木康予さんは、もろ男前な役。で、宙組の十輝いりす似。
大久保舞子さん(観音寺博士の秘書かな?)は女性役だけれど立ち振る舞いは男役系。(ウーロン茶一気飲みが面白かった。)
中川道恵さんは元刑事の役で男勝りな役どころ。守祥子さんは母親役だけれど見た目がちょっと男前(笑)
 野水佐記子さんは塩沢の妻で虫捕り網を持った子供の母親でしたが、前半はどの世界に属しているのかわからない不思議な存在でした。(野水さんも男装とか、似合いそうだし...)

 松原彰兎
 海菜
 守祥子(㈱エム・アール)
 西村麻衣
 船井那女
 小河慶子
 ののゆうこ
 早瀬あおい
 中川道恵(演劇集団なたく)
 紺田タカシ(Dramatic Company Inhighs)
 大久保舞子(Dramatic Company Inhighs)
 稲垣菜穂子
 尾崎文(㈱マルチックアイ)
 入倉渉通
 野水佐記子
 
台本・演出 面高純一
舞台監督 比嘉正哉((有)パーツスタジオ)、工藤美香子
照明 橋本剛(colore)
音楽 橋本裕子
美術・衣装 船井那女、うらべあづき、裏儚組
振付 嶋田敬子(豚耳)
宣伝美術 木内美羽(mius)
運営事務 中台祐子
情宣 左観哉子
受付 早川あゆ(Hip up sisters)
制作 Transient Office

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September 06, 2007

繭から9

絹産業
5-Sep-2007 19:30-21:30
しもきた空間リバティ

070905

オープニング
「泳げたいやきくん」のテーマでサングラスかけて入場。
じゃんけんで順番決め。神田京子、立川志の吉の順に決定。

オープニングトーク
神田京子
牛久の少年院への慰問の噺。
立川志の吉
台風4号上陸の日、東京駅で4時間半待った話。その日の「笑いがいちばん」の前のNHKニュースで東京駅の様子、そこに新幹線ホームに立っている志の吉さんが映っていたそうです。

新作
神田京子「三題噺」
お題は「りんご」「コスモス」「月見」。牛久沼の河童の伝説を入れ、最後は河童踊り。
立川志の吉「渋カジ食堂」

古典
神田京子「鍋島の猫騒動」
かわいすぎて全然恐くない怪談っていうのも面白いものです。
一方、神田陽子先生が恐いっていう話、これは聞けば聞くほど恐い(笑)
立川志の吉「薮入り」
軽く楽しい噺でおひらきかなと思いきや、「薮入り」でくるとはびっくり。

エンディング
告知と挨拶。
久しぶりの「繭から」でしたが「淋しい熱帯魚」のエンディングはやめちゃったのかな?ちょっと残念でした。

「繭から」は次回11/7「繭から10」で終了だそうです。

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September 04, 2007

あぁルナティックシアター「HELL IN HEAVEN 地獄の楽園」

あぁルナティックシアター
2-Sep-2007 17:00~19:00
小劇場 楽園

Corich公演情報

070902b

ホラーのお約束のドッキリ(急に物音、生首、扉を開けると死体など)は随所にありましたが、大笑いさせていただき満足♪

 大雨の夜、車が故障し、やむなくコテージ「楽園」に泊まることになった5人の大学生。最初はお化け屋敷のようだとワイワイ騒うでいたが、やがて一人消え、二人消え...斧を持った正体不明の男が彼らを襲う。殺された人間は次々とゾンビになり...。
「...っていうことがあったらしいよ」と、実は、単に恐い話だったというバカバカしいオチ。

翌日、車が直り、出発する5人の若者達。コテージの管理人が5本の蝋燭を吹き消すと、車は事故を起こす。暗転。次のシーンで5人の生首で幕。

最後の最後だけは、ホントのホラーでした。

面白かったネタの箇条書き

・マコト(樋口かずえ)の、ハム一気喰いとハム放出
・「富田さん富田さん富田さん...」のくだり
・松嶋絵里加(乾恭子)の巨乳ネタ
・富田林巡査部長(NC赤坂)の韓流ドラマネタ
・星先ルナ(麻衣夢)の歌
・ゾンビの真似をしてたら本物のゾンビからリーダー扱いされたくだり
・アディオスじゃなくてアディダス
・管理人(大村琴重)のウェーブ
・ゾンビになっても主従関係かわらず

心人 佐々木輝之
美香 松原由賀
優子 佐藤歩
マコト 樋口かずえ
悟 岡田竜二
 
松嶋絵里加 乾恭子
タナカ 萩原幹太
ロク 横森文
黒田サキ 菊田貴公
 
星先ルナ 麻衣夢
片岡忠史 松山章次
 
富田林巡査部長 NC赤坂
山本巡査 伊藤誠吾
富田刑事 助川玲
 
管理人 大村琴重
沼田 唐沢俊一
??? 橋沢進一
 
作・演出 橋沢進一
舞台監督 早坂富雄
照明 小川勝司
音響 権藤まどか
装置 松澤紀昭
音効 鈴木登世宏
衣装 岩下真由美
ポスターイラスト 開田裕治
チラシデザイン 手山晃一郎

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ジェットラグ「夢顔 …ソノ花ハ、咲カナイ…」

ジェットラグ
2-Sep-2007 14:05~15:50 O-6
シアタートップス

Corich公演情報

070902a

 松尾鉄平・梨恵の夫婦は、妻の浮気が原因で冷えた関係。たまたま手に入れた蜂蜜の生産者が鉄平の兄だったことから、二人は兄の経営する「チャーリー蜂蜜牧場」をたずねることに。鉄平にとっては十数年振りの故郷。

 妻との離婚を決めている鉄平に対し、明るく振舞い、東京で蜜蜂を飼うと言い出す妻。その明るさの裏で、夫・鉄平にも明かしていない悩みがあるのですが、その秘密を明かす相手が、義理の兄でも牧場の人間でもなく、いちばん距離のあるであろう”ハチミツを買いに来る近所のオバサン”。また、そのオバサンの応え方が別段重々しくもなく、でもじんわりと暖かいようで、なんともいえず良いのでした。

 なぜ、「チャーリー蜂蜜牧場」というか?それは松尾康平のあこがれがチャールズブロンソンだったから。牧場の壁にはブロンソンのポスターが貼ってあります。どんなことがあろうと壁のブロンソンは笑みを忘れません。康平も、突然の弟との出会いや牧場経営の危機があっても、できるだけ笑みを絶やさぬようにしようとしています。康平さん、顔やかっこよさは全然似ていないけれど、心意気は確かにブロンソンだよなあ。

 劇中歌(...でもないけれど)「みなしごハッチ」、大の男による三重唱は秀逸、上手すぎて可笑しかった。

松尾鉄平 松田賢ニ
松尾梨恵(鉄平の妻) 桑原裕子(KAKUTA)
松尾康平(チャーリー蜜蜂牧場の責任者、鉄平の兄) 青山勝(道学先生)
猿山幹一(蜜蜂牧場を手伝ってる、鉄平の幼馴染) 池下重大(劇団桟敷童子)
宝ノ山登(チャーリーにほんみつばち教室の会員) 原口健太郎(劇団桟敷童子)
北山菜奈(チャーリーにほんみつばち教室の会員) 外山博美(劇団桟敷童子)
江之島薫(チャーリーにほんみつばち教室の会員) 鈴木歩巳(グリング)
町田美鈴(蜜蜂牧場にハチミツを買いに来るオバサン) 鈴木めぐみ(劇団桟敷童子)
 
作・演出・美術 東憲司(劇団桟敷童子)
プロデューサー 阿部敏信
企画・製作 ジェットラグ
照明 Jimmy
照明操作 (株)FREE WAY
宣伝美術 山田武
宣伝写真 疋田千里
舞台協力 松下清永+鴉屋
制作 ジェットラグ

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September 03, 2007

ロリータ男爵「放免エスケープ」

ロリータ男爵
31-Aug-2007 19:30~21:30
駅前劇場

Corich公演情報

070831

 役者松尾マリヲNO前説DAYのため丹野晶子前説&後説。これはこれで独特の間があって面白かったです。


生まれた時から監獄暮らしのモヤシは、祖父の代からの囚われの身。
これまでシャバの空気も知らず、自分が囚人である自覚もないまま育ってきた。
そんなある日、身に覚えのない恩赦が彼に降り掛かる。
これを拒み、釈放の手から逃れるべく、モヤシは収容所内を逃走するのだった…。

中央に花道あり。地下の収容所をあらわすためか、舞台セットは木の根っこやら人参・大根・ジャガイモ・タマネギでいっぱい。

 その収容所は、雨男、晴男など、気象に影響を与える能力を持った人間を収容しており、気象予報士は、彼らの様子を見て天気を予想します。

 あるとき、一日所長のブタ山君が、伝説のプロデューサー入間川とともに収容所にやって来ます。入間川は雨男であるモヤシに恩赦を出します。しかし収容所の暮らししか知らないモヤシは外界に出ることを恐れ、恩赦を拒みます。

 所長以下監視官も、その企てを阻止しようとします。モヤシが外界に出たら、収容者たちのバランスは崩れ、異常気象になる恐れが...

 入間川、実は何十年も前に、収容所を脱走した雨男だったのでした。脱走に手を貸した罪で幽閉されている監視員"山下"を救うため、収容所に戻ってきたのです。しかし、同じ雨男が収容所に二人もいたのでは気象のバランスが崩れてしまう。だからこそモヤシに恩赦を出したのでした。

 収容所内を逃走するモヤシはやがて捕まりますが、彼の目の前に若い頃の入間川(津久井亜以)が現れ、モヤシに勇気を与えます。
今度は自分の意志で外界に向かうモヤシと彼の仲間達...

バカバカしさは満載なのですが、ラストの「勇気を出して新たな世界に向かって走り出す」くだりは完全にファンタジーで、素直に感動しちゃったりして。「走る」姿というのは、何かしら感動を呼ぶものなのだな。

大根のバットと靴下のボールで野球する場面あり。さっきまで出演者が穿いていた靴下が客席に飛んできます。こーゆーのは、喜ぶ人と嫌がる人と両方いるでしょうね。

劇中歌CD購入。耳に残るナイスな曲でございました。

6061 工藤史子
5055 足立雲平
4023 加瀬澤拓未
3071 森知行
803 濱井海
6001 津久井亜以
監督官山下 大佐藤崇
所長 役者松尾マリヲ
副所長 丹野晶子
監督官 福屋吉史
監督官A 清水俊樹
監督官B 植松ベーコン
入間川先生 斉藤マリ
ブタ山君 草野イニ
気象予報士 桜井ひな
 
作・演出 田辺茂範
舞台監督 海老沢栄
監督助手 トミタチヒロ(ソマリ工房)
照明 中山仁((株)アートプラス)
音響 中村嘉宏
音響操作 志水れいこ
音楽 佐藤こうじ(SugarSound)
映像 赤間祐一
舞台美術 仁平祐也・濱井海・森知行
衣装 田辺雪枝
小道具 清水克晋(SEEMS)
小道具協力 和田由里子
振り付け 依田朋子
宣伝美術 森田涼子
演出助手 清水俊樹
制作 佐々木のの・今井香月
当日運営 三村里奈(MRco.)

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September 02, 2007

聖ルドビコ学園「シンデレラは眠らない」

聖ルドビコ学園
1-Sep-2007 14:00~15:30
サンモールスタジオ

Corich公演情報

080901a

 前作で初代メンバー卒業し、新たにルドビコ★を結成。
聖ルドビコ学園がルドビコ★の養成期間となって初めての公演。

 出演者がリアルに高校生の年代だからなのか、同級生の面白い奴が舞台で面白いことをやってる雰囲気が強いせいか、学園祭で演劇部の公演を見ているような気分でした。

 思えば、初代メンバーは、それぞれキャラがたっていたと思います。現メンバーは、まだまだキャラに関しては手探り状態なのでしょうね。養成所の公演というか勉強会の趣で、ここから誰が伸びていくのか、誰が化けるのか、予想しながら見るのが正しい姿勢ではないかと思うのでした。(今までルドビコ学園を見てきた観客向けですね)

・中村香織:
お笑い担当のようだけれど、まだまだ突き抜けていない感じ。

・鴇田智美:
今回お笑い役は中村香織に譲り、狂言まわし的な役割か。

・桐谷澄子:
腐女子系の役でしたが、今回いちばんキャラが立っていておいしい役だったのでは?ボケでもツッコミでも反射神経は優れていそうな予感。

演劇部員・2年 玉手歩
 桐谷澄子
 金村明日香
 中村香織
演劇部員・1年 鴇田智美
 吉川香織
 長谷川唯
シスター 市川真美
  
サッカー部・2年 千葉章徳
 去石聖
  
男 林修司
 
作・演出・振付 桜木さやか
照明 長澤宏朗
音響 鈴木猛宏
音響OP 高橋亮
舞台美術 吾郷順治
宣伝美術 沓掛章子
衣装 渡邉あつこ
監督助手 上谷佳澄
制作 おかのますこ
協力 アシアシ
 ブリングアップ

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