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October 2007

October 30, 2007

落語教育委員会

なかのZERO事業課/夢空間
28-Oct-2007 14:00~16:15
なかのZERO(小ホール)

071028a

コント
医者  柳家喬太郎
患者  三遊亭歌武蔵
看護婦 柳家喜多八

三遊亭歌彦「反対俥」

柳家喬太郎「禁酒番屋」
最初の水カステラ持った小僧さんのくだり、番屋のお侍とやり取りしているとき小僧さんの表情が、こまっしゃくれたガキ風で面白いよなあ。

~仲入り~

三遊亭歌武蔵「煙草の火」
おすもうさんの御贔屓さんと噺家さんの御贔屓さんとの違いを面白おかしく解説。

柳家喜多八「宮戸川」
叔父さん叔母さんのジジババの会話が面白い。
最後の「燃え立つような緋縮緬の...」のくだりは、ただボソボソ喋っているようでいて、ちゃーんと情景が浮かんでくるから不思議。

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October 29, 2007

ミナモザ「0.7+0.5≠1.0+0.2」

ミナモザ
28-Oct-2007 18:00~17:50
サンモールスタジオ

Corich公演情報
071028b

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とある美術館の創立記念パーティに招待された面々。しかし、七子はなぜ自分が招待されたのかわからない。
七子は、創設者でもある画家が、美術館オープンの当日に、絵のモデルをした少女を殺し、自殺したことを聞かされる。

夜になる。外は嵐、突然の停電。

創設者の姪で新進気鋭の女性画家・光璃が死体で発見される。

七子。
学芸員の相楽。
美術評論家と名乗る眼帯の怪しい男・権藤。
黒い服の女、一瀬。

七子は、自分で決めるということができず人の言いなりなりやすい女。
対照的に何でも自分で決め一人で行動していく一瀬。

権藤と七子は、美術館に残された手紙から死んだ少女と画家の本当の関係を知る。

死んだ少女は七子の体を、画家は一瀬の体を使って、お互いの思いを語り始める...

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 と、ミステリーテイストなのだけれど、

 最後の二人の会話、体は七子と一瀬で会話の主は少女と画家のは確かなのだが、"七子と一瀬"に"少女と画家"が憑依したのか、それとも"少女と画家"の生まれ変わりが"七子と一瀬"なのか、よくわからない。

 最初は一瀬に生まれ変わった画家が、七子に生まれ変わった少女を美術館に来させる為に招待状を出したのかと思っていたのですが、どうやら再会を望んではいなかったとようであるし(再会の後、画家は少女の気持ちには応えられず少女を再び殺そうとするなど)、何の関係もない権藤を招く必要もないし。

 しかし、憑依したとすると、そもそもなぜ七子が招かれたのか、誰が招いたのか謎が残る。一瀬っていったい何をしている人?

 そもそも光璃はどうして殺されちゃったんだっけ?
 学芸員はどこに行っちゃったんだっけ?

 ...と、何にも解決されずに終わってしまう。断片的な謎が一本の糸でつながったときの爽快感がミステリーの醍醐味だと思うのだが、どうなのだろう。

 エッシャーの「上昇と下降」のような舞台とJAZZのBGM のせいか、どこか無国籍で小洒落た雰囲気が漂っていて、自分的には心地よかった。これでミステリーとしてのプロットがしっかりしていれば文句ないのだけれど、残念。

 七子役の鈴木オルガさん、最後に"殺された少女"になったときの語り、表情も含め、それまでの主体性のない七子とは、まるで別人で、思わず引き込まれました。


 千秋楽の観劇でしたが、こーゆー嵐の夜のおはなしは、台風が来襲した前日に見たかったなあ♪

七子 鈴木オルガ(10x50KINGDOM)
一瀬 木村桐子
権藤 本井博之(コマツ企画)
相楽 穂積基紀
光璃 佐藤友美(シンクロ少女)
 
作・演出 瀬戸山美咲
照明 高橋昌子
音響 前田規寛
舞台美術 泉真
舞台監督 伊藤智史
宣伝イラスト 足立雲平
宣伝デザイン 氏家裕太
企画・製作 ミナモザ
制作 名嘉悌二

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October 28, 2007

吉本興業Xアトリエダンカン「OCTOBER」

アトリエダンカン
27-Oct-2007 17:30~19:30 I-6
笹塚ファクトリー

071027b

5話のオムニバスで、しかもそれぞれがつながっていて...

「有限会社 豊福」
馬場秋彦 佐久間淳也
中野純太 林克治(カリカ)
作     金房実加

「幸せになれる植物の種」を売る営業の二人(先輩・馬場秋彦、後輩・中野純太)

「結婚式」
平井勝  金成公信(ハローバイバイ)
花島啓太 家城啓之(カリカ)
高野雅紀 西村直人
関口真人 鈴木健介
作     大岩石

課長・平井のスピーチ中、高野は関口になぜ平井は独身なのかを聞く。「平井はマザコンだから」と答えるが、普段から平井を尊敬する高野は信じようとしない。突然、平井の携帯が鳴り、電話をとる高野。電話は平井の母親からだった。電話で、息子のことを"マーくん"と呼ぶ声を聞き、ショックを受ける高野。
スピーチから戻ってきた平井に、再び家から電話。「おかしなセールスがきている」とのこと。平井は披露宴を中座し、家に帰ってしまう...

「マリッジブルース」
高部雄二 西村直人
水田信吾 金成公信(ハローバイバイ)
小野田尚 鈴木健介
久次マリ 風花舞
井上智樹 家城啓之(カリカ)
作     金房実加

ブライダルサービス会社。
挙式間近に結婚式をキャンセルしてきた井上。
理由を問う担当プランナーの水田。
話を聞くと、同棲中の婚約者が荷物・預金通帳と一緒に突如消えてしまったとのこと。
彼を元気付ける社員たち。

皆、退社し、最後に水田が会社を出ようとすると、そこへ飛び込んできた豊福の営業・中野。
「幸せになれる植物の種」の説明をはじめる...

「衣更え」
馬場朝子 風花舞
馬場隆平 鈴木健介
馬場秋彦 佐久間淳也
馬場雄介 金成公信(ハローバイバイ)
作     大岩石

母親の葬儀がおわり、久しぶりに兄弟4人だけになった。
母親の看病をし、最後を看取ったのは長女の朝子。ボケた母親は自分の娘のこともわからなくなっていたが、その母が生前よく言っていた「衣更えをしないと...」という季節外れのことばを思いだし、たんすの中をのぞくと、朝子宛の手紙があった。
手紙に書いて合ったのはヌカ床の作り方だった。それまで決して泣かなかった気丈な長女が、初めて涙を流す...

「結婚式2」
平井勝  金成公信(ハローバイバイ)
花島啓太 家城啓之(カリカ)
高野雅紀 西村直人
中野純太 林克治(カリカ)
馬場朝子 風花舞
作     金房実加/大岩石

最初の「結婚式」とは別の結婚式。
結婚披露宴の最中、最近失恋したばかりで落ち込んでいる高野に「幸せになれる植物の種」をセールスする中野。席に戻ってきた平井、実は中野から「種」を買っていたお客で、中野と一緒に高野にセールスを始める始末。根負けして「種」を買った高野の隣に女性・馬場朝子があらわれる。「ほら、もう幸せが舞い込んできた」(笑)。その「種」を見て、「うちの弟が営業していて、うちでも育ててます」という朝子。「幸せになれる植物の種」がとりもつ人の縁...


「幸せになれる植物の種」(リングレングだったかな?)という実にインチキくさい"種"が、結果として人とのつながりを生み、しあわせを運んでくるという話になっています。"種"1粒5000円という設定は、高いけど高くない絶妙な値段だと思います(笑)

"大笑い"というより、クスクス笑いの起きる「ほのぼの芝居」になっていました。

「マリッジブルース」、そうか、ブルースなんだなあ。社員の人間関係(恋愛関係)が、よいスパイスになっています。"トンヅラ"がキーワードになってましたね。
「衣更え」は、けっこうジーンとくるよい話。

この2本は一本モノでじっくり見てもよいかも。

最後の「結婚式2」は、それまでの話で撒いたネタの種が一気に芽をだしてくる感じで、一番笑いどころは多かったように思います。

 風花舞さん、(役柄もあるでしょうが)ぱっと見は女らしいのに言動も雰囲気も男前でかっこよろしいです。
「死ぬまで自由でいたい~」とエリザベートの真似は笑いました。

演出 渡邊さつき
舞台監督 熊脇直介
照明 大島早保子
音響 高沼薫
衣装 長谷川雅子
票券 サンライズプロモーション東京
制作 市川秀晃、星座庸子、福田智美、佐々木弘穀、桑原啓子

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東宝「イーストウィックの魔女たち」

東宝
27-Oct-2007 12:00~15:00 1F-Q-23
帝国劇場

Corich公演情報

071027a

気楽に楽しむミュージカル。"お下品"で"猥雑"なので、皇居の前の劇場で見る演目じゃないような気もしますが(笑)

 陣内孝則の、よい感じに下品なところと時折博多弁になるキャラは面白いので、これで歌がもうちょっとミュージカルっぽく響いてくるとよいのになあ。

 涼風・森・マルシアの3人は歌は文句なしだし、キャラも三者三様で堪能しました。

 涼風さんは、ここぞというときは見得をきるように表情をきめるですが、次のシーンではアニメ声キャラに戻ってたりするから大笑い。

 「イーストウィックの魔女たち」では、ダリルのような魅力的な男は、この町には居ないという設定なので、男連中は情けない連中ばかりですが、女性は主役3人と、フェリシア筆頭にモラルを重んずる(笑)他の女性たちが対照的に描かれており、脇のキャラも濃くて面白いですね。

ダリル・ヴァン・ホーン 陣内孝則
ジェーン・スマート 涼風真世
スーキー・ルージュモント 森公美子
アレクサンドラ・スポフォード マルシア
フェリシア・ガブリエル 大浦みずき
クライド・ガブリエル 安原義人
ジェニファー・ガブリエル 皆本麻帆
マイケル・スポフォード 中川賢
フィデル 及川健
少女 小此木麻里
(アンサンブル) 
足立美幸 
安部誠司 
小笠原みち子 
大江尚毅 
伽藍 琳 
大須賀ひでき 
木村晶子 
岸 博之 
園山晴子 
小暮清貴 
髙塚恵理子 
小西のりゆき 
名児耶ゆり 
斉藤桐人 
福井小百合 
さけもとあきら 
福麻むつ美 
高舛裕一 
藤山すみれ 
日比野啓一 
三木麻衣子 
水野栄治 
製作 東宝株式会社
製作協力 キャメロン・マッキントッシュ・リミテッド
原作 ジョン・アップダイク/小説
 ワーナー・ブラザーズ/映画
脚本・作詞 ジョン・デンプセイ
作曲 ダナ・P・ロウ
編曲 ウィリアム・デイヴィッド・ブローン
オリジナル・ロンドンプロダクション製作 キャメロン・マッキントッシュ
翻訳 丹野郁弓
訳詞 竜真知子
演出 山田和也
音楽監督 甲斐正人
振付 前田清実
装置 松井るみ
照明 高見和義
衣裳 黒須はな子
ヘアー 宮内宏明
音響 渡邊邦男
声楽指導 矢部玲司
指揮 塩田明弘
演出助手 寺﨑秀臣
プロデューサー 坂本義和、吉田訓和

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October 27, 2007

YEBISU亭上方編

MARK&I
26-Oct-2007 19:30~21:45
恵比寿ガーデンルーム

071026

オープニング
おそうじおばさん( 柳家喬太郎)が桂都んぼ・桂吉坊・新納慎也をお出迎え。

桂吉坊「七段目」

鳴り物入りではなやか。吉坊さんは調子がよくって聞いていて気持ちよいです。見た目は完全に定吉っすね♪

桂都んぼ「替り目」

寄席ではあっさりめの「替り目」を聞くことが多いですが、今回はじっくり聞かせる「替り目」でした。おかみさんが出かけちゃったと思って本音をしゃべるくだりは人情話かと思うくらいジーンときました。

トーク
 今回のネタは、東京・大阪両方でやるネタだったこともあり、上方落語と江戸落語のちがいの話。東京では、先代の雷門助六師匠が上方風の「七段目」をやっていたとのこと。そういえば初めて聞いた「七段目」って助六師匠だったなあと思い出したりして、ちょっと懐かしく思う。
 そばとうどんの食べ分け。水と酒の飲み分け。
 新納慎也の、小噺「異母兄弟」に挑戦、お芝居風小噺...というかナル系の落語って気もしました♪

いちばん面白かったのは、人の話を聞いているのか聞いていないのかよくわからないまあくまさこさんの司会っぷりでした。

~仲入り~

柳家喬太郎「おみね殺し(怪談牡丹灯籠)」

恵比寿ガーデンプレイスという、けっこう明るい場所だからいいけど、これ、お寺かどっかで聞いたら、帰りの夜道は恐いだろうなあ(笑)
お囃子さんも上方の方だったのかな?東京で聞く「まかしょ」とはひと味ちがうような気がしたです。

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October 25, 2007

仲良しこみち文左衛門

ナカノ芸能団
24-Oct-2007 19:00-21:50
なかの芸能小劇場

071024

オープニングコント(こみち・文左衛門)
春風亭一之輔「茶の湯」
コント(こみち・文左衛門・一之輔・わか馬)
-仲入り-
柳亭こみち「堪忍袋」
橘家文左衛門「らくだ」

オープニングコント

柳亭こみち 柳亭こみち
ピーちゃん(声) 橘家文左衛門
柳亭こみちが疲れて家に帰ってきて、キューピー人形の"ピーちゃん"相手にぼやいていると、"ピーちゃん"が喋り始めて...

ぼやきが実話っぽい一人芝居風コント。

春風亭一之輔「茶の湯」

 コントの不思議な空気が漂っていたためでしょう、「あーゆーコントのあとはやりにくい(笑)」と言いながら「茶の湯」。次第に落語会の雰囲気に...っていうか、次は再びコントだし、っこの時点では、これは落語会なのかなんなのか、まだよくわからない自分でございました(笑)

コント

みちこ(娘) 柳亭こみち
父 橘家文左衛門
エイブラハム・ガブリエル(娘の恋人) 春風亭一之輔
通りすがりの人 鈴々舎わか馬

父一人娘一人の家庭。娘がつれてきたのは浅草は花川戸出身のエイブラハム・ガブリエル。
趣味は民族舞踊。夜中にいきなりお祈りを始める始末...

回教徒の江戸っ子(?)ガブリエルくんに大笑い。

-仲入り-

柳亭こみち「堪忍袋」

"酔っ払いのとらさん"がなんとも可笑しい。
サゲの袋を開けたときに飛び出してくる言葉は「文左衛門のバカヤロー♪」

高座返しはシークレットゲスト(?)の鈴々舎わか馬でした。

橘家文左衛門「らくだ」

 落語協会の"落語会情報"には「馬のす」とネタだしされてましたが、あらまあびっくり、長講一席(約1時間かな)「らくだ」に大満足。強面の文左衛門さんだから"長の目の半次"や"らくだ"はピッタリだけれど、豹変する前の屑屋さんは、普段の強面がウソのように気が弱そうに見えるから不思議だワン。歌舞伎座でやる"らくだ"より、なかの芸能小劇場で味わう"らくだ"のほうがぜいたくじゃないかと思うのでした。

 微妙にシュールで面白いコントに大ネタ「らくだ」。これで2000円@前売り価格は安い♪

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October 22, 2007

天然スパイラル「トワイライト王女-孤独が中途半端で困る-」

天然スパイラル
21-Jul-2007 14:00~26:00 1F-A-15
三鷹市芸術文化センター 星のホール

Corich公演情報

071021a

 宝塚OGの真白ふありさん、声の通り・芝居の大きさは大劇場で育てられただけのことはありますね。"三鷹・星のホール"の空間の広さを埋めるのは、舞台装置や演出ももちろんですが、役者さんの声・演技によるところは大きいように感じます。

 革命グループの三人、金房実加・千葉おもちゃ・中塚未乃が、いかにも二番手~三番手男役風で面白い。なかでもファシズム役の千葉おもちゃさん、見た目も雰囲気も月組在団当時の月船さらら似のかっこよさ♪

 下ネタや毒っぽいネタをのぞけば、宝塚で上演してもおかしくないファンタジーな世界。(もっとも宝塚で娘役主演の舞台はありえないですが)


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 魔女にかけられた呪いを解くため、魔女が棲むという森にやってきた王女マーブル。森には、街では暮らせない貧しい人々が住んでいた。マーブルは彼らの声を聞き、彼らが再び街で暮らせるような国をつくるべく女王を継ぐ決意をする。マーブルにかけられた呪い...それは偽りで、彼女を森の人々に会わせるための方便であった。

 この企ての首謀者である死刑囚Mさん、民衆の声を聞かずにギロチン台に送られた某国の王妃であった...
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 ベルばらをからめてくるあたりは秀逸なオチですね。白髪でMさんと呼ばれている時点で気がつくべきだったなあ(笑)

 マクベス風に魔女が登場しての踊り、中詰(っていうのかなあ?)の森の連中の総踊り...ダンスシーンが素敵。前日に毛皮族を見たから、余計思うのだけれど、ミュージカルシーンで歌と踊りがビシッと決まるというのはこんなにも心地よいものかと思っちゃうのでした。

 家臣オダギリが、中世ヨーロッパの服なのに"腰に手拭・足には草履・口調は江戸弁"ってえのは笑った♪

ダルセーニョ、ドリドス 中塚未乃
マーブル 真白ふあり
ヴィオラ、ライム 梨澤慧以子
ソフィー 丹羽あおい
オダギリ 高橋裕太
ヘンリー、ショパン 武藤心平(7%竹)
シーラ、シリアス 金房実加
シュガー、マグマ 武田佑子
Mさん、エレイン 竹内あすか
マーゴット 田山ゆき
アラン 浜本ゆたか(劇団ミルクホール)
ジュディス 平島茜
イザベル 小此木まゆみ
アクセル 豊永伸一郎
ファシズム 千葉おもちゃ(マリッヂブルー)
アルジーナ 甘城美典(劇団BLUES TAXI)
 
作・演出 金房実加
舞台監督 藤本志穂(うなぎ計画)
照明 奥野友康(株)CAT
音響 鈴木宏(sound craftLIVE DESIGN)
舞台美術 小林奈月
スーパーシャドー 山口久隆、遠藤尚
振付 渡邊夏樹
衣装 坂東智代(Chacott)
宣伝美術 木村茜
イラスト・チラシデザイン 町田レトロ(egocoro.net)
制作 加藤浩之(シアターパレス)、大島鮎美 http://ten-spa.chu.jp/
主催 三鷹市芸術文化振興財団

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毛皮族「おこめ」

毛皮族
20-Sep-2007 19:00-21:45 1F-D-18
本多劇場

Corich公演情報

071020b

第一部「おこめ」

連続強姦殺人犯・小平義男が生まれてから死刑となるまでの話が、小平家の忌まわしい血にからめて語られる。

 立体講談というものがあります。講談の語りにあわせて芝居をするのですが、語りの要素が強ければ芝居仕立ての講談となるし、芝居の要素が強ければ講談風の芝居となるのですが、この「おこめ」、演劇というより、芝居要素の強い立体講談のように感じました。その、いちばんの要因は、語り部として登場する江本純子さんで、観客とフリートークしているような口調が、すごく演芸的だと思うのです。

 もともと講談とは、歴史的な事件や出来事を大衆にわかりやすく語る芸能という一面があるし、ネタ的にも講談向きじゃないかと思います。

 さすれば、随所に挿入されるギャグも、飽きさせないための"くすぐり"のようなものだし、テーマやら主張が感じられないのも、そもそもこれは小平義男の事件の読み聞かせなのだからと考えると納得。


第二部「おこめ外伝」007編

 スチュワーデス物語と、ロジャームーアまでの007のパロディ。
おこめ訓練所の地下にスペクターの基地があり、教官はM16から派遣されてきたエージェントで...

 007の二番煎モノって、ことごとくB級のような気がするけれど、「おこめ外伝」も例に漏れず"B級おバカスパイもの"に仕上がっていました。盛り上がりに欠けるクライマックスも、意味のないお色気シーンも、訓練生がロープにつかまって上昇していくラストも、いかにもB級~で嫌いではありません。

 しかし、最後にもうちょっと盛り上がってくれると、拍手しやすいのになあ。(本編グダグダの「天国と地獄」も、最後のカンカンの盛り上がりだけで、怒涛のカーテンコールだったじゃんね。)あと、歌はもう少し上手くあってほしい...


 演劇というより演芸として面白いと二本立てでございました。

「おこめ」本編 
コダイラ義三(父) 金子清文
    朝子(母) 澤田育子
    義男(兄) 米村亮太朗
    久美子(妹) 町田マリー
    タマ子(祖母) 柿丸美智恵
    ミサ(長女) 羽鳥名美子
    ヒロミ(次女) 武田裕子
    トメコ(三女) 高田郁恵
お浜(横須賀の娼婦) 高野ゆら子
タエ(横須賀の娼婦) 延増静美
中国人母 柿丸美智恵
妊婦の中国人娘 高田郁恵
犯される中国人娘 武田裕子
ミツコ(義男の恋人) 延増静美
テルコ(ミツコの妹) 平野由紀
和江(女子挺身隊員) 羽鳥名美子
小川さん 高野ゆらこ
酒井さん 延増静美
キミエ(久美子の伯母) 柿丸美智恵
愛子(久美子の従姉妹) 高田郁恵
捜査官 江本純子
バンビ 武田裕子
 
「おこめ外伝」007編 
ジェームズボンド(教官) 江本純子
マツダちあき 町田マリー
~おこめ訓練所の訓練生達~ 
木村さやか 羽鳥名美子
石井信子 高野ゆらこ
中条ともみ 高田郁恵
池田かねこ 平野由紀
越智かつみ 延増静美
土佐志津子 武田裕子
~スペクター~
ヒヤマ教官 柿丸美智恵
ミスターコダイラ 米村亮太朗
プロフェルド柿沼 金子清文
~M16~ 
マニーペニー・マリコ 澤田育子
 
作・演出 江本純子
舞台監督 村岡晋
照明 中川隆一
音響 加藤温、藤森直樹
美術 伊藤雅子
装置 C-com舞台装置
衣裳 胡桃澤真理
小道具 清水克晋
演出助手 松倉良子
制作助手 山根千尋(毛皮族)
制作 高田雅士 照井恭平(毛皮族)
企画・製作 毛皮族


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October 17, 2007

cube Presents「犯さん哉」

Cube
7-Oct-2007 18:00-20:10 1F-B-5
パルコ劇場

Corich公演情報

071007b

実にくだらない♪

三遊亭白鳥の新作落語のような"くだらなさ"と"トンデモさ"があります。
設定に似つかわしくない壮大なラストシーン(?)、バカバカしいオチ。

中越典子さんと山西惇さんの並び、顔の大きさがろんでもなく違ってた。

大倉孝二の"大学生"と"神様"の可笑しさは絶品。

有料パンフ@1800円の挨拶文によると、
「残念ながら、このご挨拶文を書かせて頂いている段階では全貌は量り知れません。まだ半分しか脚本が上がってないからです」
とのこと。パンフにも、”あらすじ”は書いてありませんでしたが、あらすじなんかどーでもよいと思うのでした。

アラタ 古田新太(劇団☆新感線)
ノリコ 中越典子
アラタの母、女性編集者ほか 犬山イヌコ(ナイロン100℃)
星くん、覗く女ほか 姜暢雄
コウジ、少年院の看守ほか 大倉孝二(ナイロン100℃)
ユウイチ、アラタの父の主治医ほか 八十田勇一
マサト、長髪の編集者ほか 入江雅人
バケモノ、編集長、まむし ほか 山西惇
美術 小松信雄
照明 原田保
音響 水越佳一
音楽 斉藤ネコ
衣装 前田文子
へメイク 佐々木累美子
映像 上田大樹
演出助手 相田剛志
舞台監督 福澤論志+至福団
宣伝美術 雨堤千砂子(wagon)
宣伝写真 江隅麗志
宣伝衣装・ヘアメイク 堀口健一
プロデューサー 高橋典子
制作 仲谷正資、北里美織子
広報 米田律子
製作協力 花澤理恵
製作 北牧裕幸
制作協力 シリーウォーク、パルコ、リコモーション
企画・製作 キューブ

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October 16, 2007

落語ジャンクション in 下北沢 6DAYS「一本柳道中双六~柳家喬太郎勉強会」

落語王
14-Oct-2007 18:00-21:00
劇・小劇場

071014b

「一本柳道中双六~柳家喬太郎勉強会」の楽日。

柳家小ぞう「堀の内」

最近の小ぞうさんの高座で、いちばん面白かったかも♪

柳家喬太郎「おせつ徳三郎」

上下通し。上「花見小僧」では、こまっしゃくれた定吉が可笑しく可笑しくて。下「刀屋」は、「お材木で助かった」のさげではなく、二人川に身を投げて本当に死んでしまうというさげでした。

-仲入り-

柳家喬之進「天狗裁き」

電車に乗り座っているとると、ついつい眠くなってしまうというマクラから「お前さん、起きとくれよ...」と「天狗裁き」に入ったのが、現代から江戸時代にタイムスリップしたかのようで、なんとも可笑しかったです。フツーは"居眠りのハナシ"よりも"夢のハナシ"のマクラが多いんじゃないかな?

柳家喬太郎「東京無宿、棄て犬」

初めて聞きました。


交通事故で死んだ男が犬に生まれ変わった。女は、その犬が、昔、自分が振った恋人の生まれ変わりであることを知り、一緒に暮らしはじめる。最初は犬の世話を一生懸命する彼女だったが、新しい恋人ができて、犬(彼)は再び捨てられる...

これは推測ですが...

男が死んだ原因が失恋にあり、「彼を振らなければ、交通事故で死ぬこともなかったかも...」という、どこか贖罪の意識が彼女にあったのではないか。

そうなら、男は2度も同じ相手から捨てられたことになりますから、これは悲しい。

 ラストは重いですが、犬と彼女の会話はコミカルで笑いを誘います。たとえ言葉を喋らなくても鳴き声や表情でペットが何を言いたいのか、飼い主にはわかるといいますが、喬太郎師匠の演ずる犬は、表情豊かで言いたい事がよくわかります。(この日、昼間は三鷹で"親子で聞く落語会"だったそうですが、"ペットと聞く落語会"なんてのもアリじゃないかなあ。)

「棄て犬」、一回聞いたことがあると、コミカルな場面も笑うに笑えず、逆に泣けてくるかもしれません。

救いのない結末を聞くと、「あの世できっと結ばれるかもしれない」"おせつ徳三郎"が、とても明るい結末に思えてきます。

濃い三時間でございました。

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October 15, 2007

Doris&Orega Collection Vol.3「コースター」

Doris&Orega
14-May-2007 15:00~16:45
青山円形劇場

Corich公演情報

071014a

TAKARAZUKA SKY STAGE の"OGエンターテイメントTV NAVI"で稽古場風景を見て、面白そうだったのでチケット確保。


 とある街のとあるバーに忍び込んだドロボーと、たまたまその店を訪れたお客たち。
そして、ホントのマスターが巻き起こす抱腹絶倒・支離滅裂・空前絶後の人情満載エキサイティングコメディー。

 笑った~♪

 忍び込んだバーを物色中、客が入ってきたため、マスターのふりをする泥棒。なんとかスキをみつけて逃げ出そうとするが、どんどん客が増えていきます。泥棒の、バーのマスターらしからぬ言動を、客は「さすがは"こだわりのマスター"だ」などと言い出す始末。やがてホンモノのマスターまであらわれますが、なぜか正体を明かさず客のふりをして...

 "抱腹絶倒・支離滅裂"とあるのでベタなドタバタコメディかと思っていたのですが、洒落たシチューエションコメディでした。
ちょっとホロっとくるラストも素敵(別のラストを予想していたので、ちょっと意外だったです♪)

 D,Eブロックが舞台で、円の中央にアリーナ席が設けられてました。これだったら「円形劇場でなくてもいいじゃん」って舞台セットでしたが、全国7ヶ所公演だからなのでしょう。Fブロックだったため、横から覗き込むような位置でしたが、カウンターの両側が見られたので、実は正面席よりも面白い席かも。(高嶺ふぶきさんの御御足が綺麗でした。)

パンフ@1200円は、バーのドリンクメニュー風の装丁。コースター付。
物販コーナーでは、高嶺ふぶき手作りアクセサリー(全て一点もの)販売あり。

豪華な出演者だと思うのだけど、意外にも当日券もでているのだなあ。

塩井(泥棒) 西村雅彦
中原(ファミレス店長) 金子貴俊
江藤(記者) 東根作寿英
窪田(若林の子分) 中山夢歩
若林(ヤクザの組長) モロ師岡
文重(アルバイト) 保田圭
真規子(ファミレスの支部長) 高嶺ふぶき
野田(本物のマスター) 峰岸徹
  
作 金子茂樹
演出 大江祥彦
美術 中根聡子
照明 佐野道洋
音響 秀島正一
音楽 大崎聖二
衣装 増田恵美・忠内もも
ヘアメイク 富田武雄
演出助手 西祐子
舞台監督 宇佐美雅人・大内敦司
演出部 山中由佳・松井啓悟・高木律子
照明操作 東泉誠
音響操作 安井友規
大道具 金井大道具(次郎内昭)
小道具 高津映画装飾(中村エリト)
トランスポート マイド
バーテン指導 佐藤浩之
プロンプター 三原秀俊
宣伝美術 クリタニタカユキ
宣伝メイク 鳥居かがり
宣伝スタイリスト 伊藤まな美・門田文佳
宣伝写真 トゥ・マーキ
票券・宣伝 インタースペース
制作 島袋佳
企画 西村雅彦
プロデューサー 井口淳・大木玉樹
企画製作 Doris&Orega

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October 14, 2007

唐組「眠りオルゴール」

唐組
13-Sep-2007 19:00~21:00(途中10分休憩1回)
井の頭公園木もれ日原っぱ特設紅テント

071013b

 夜になるとけっこう冷えてくる季節になりましたが、テントの中はちょうどよい気温。


眠りオルゴール↓今は亡き父のあとを継いでオルゴール職人となった兄谷。ある日、8年前に受け取りを拒否され、悔し紛れに河へ捨てた特注品のオルゴールを、幼なじみの茶子が見つけたという。その場所とは、人間オルゴールがいると噂されるイタコ病院。河に沈んだ特注オルゴールをそのまま大きくしたような院内で、その特注品の依頼者、梶川と再会する。

 音楽のようなセリフに酔いますた。

 オルゴール発注のナゾ~兄谷と梶川の出会いのくだりまでは、割とわかりやすかったのですが、ドリアン・グレイの肖像やらレイテ島やらタマゴやらと出てくるうちに、やっぱりわけがわからなくなってきました。それでもクライマックスでは、手が切れて回す事が出来ないと言われるクリスタル(ン?)のネジ巻きを使ったり、チャコが自ら犠牲になったりと、ドラマチック。

 ヒロポン打たれて2日間働き続けた後に倒れて動けなくなるチャコが兄谷のオルゴールで目を覚まし、二人で外に飛び出していくラストは、井の頭公園の芝生と木々のせいでしょう、草原を走り抜けていくようで素敵。

 オルゴールにまつわる過去の記憶・心の闇をたどっていく話なのかな?やがて、その闇が晴れて進むべき新たな道が見えてくる、過去から開放され飛び出していく...ってことなんでしょう。

 3列目で観劇。唾と水は多少とんでましたが、特にワケのわからないモノが飛んでくるということもなく、予想外に安全な舞台でした(笑)

 ↓あってるかな?
原茶子(江戸川ナイロンの女子工員) 藤井由紀
橘ほのか(チャコの同僚。ガンダーラの一重瞼をもつ。) 多田亜由美
ナイロン隼人(江戸川ナイロンの株主の息子。恋におぼれ、鯉を追う) 高木宏
衣羽(看護婦長) 大美穂
箱屋(患者) 野村千絵
若(イタコ病院の院長) 鳥山昌克
梶川(「祈りの部屋」を製作し、院内に出入りする) 丸山厚人
池谷(病院の用務員) 唐十郎
兄谷(自称「オルゴール界の新生・牙」) 稲荷卓央
斧セリ(背中にネジ持つ自動仕掛けの女) 赤松由実
弁柄(ワレモノをしっかり守る看護婦) 福元美保
灰子(ナルシス看護婦) 土屋真衣
夏川(江戸川ナイロンの工員) 久保井研
キモイ得子(斧セリと同居人のハーフ) 辻孝彦
レイテの日本兵 
  岡田悟一
  気田睦
  大嶋丈仁
 
作・演出 唐十郎
作曲 大貫誉
舞台美術 劇団唐組
宣伝美術 乃部克人
制作 劇団唐組制作部
データ作成 (有)スタジオ・サラ
協力 (株)文化印刷

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シモキタ☆キラリ Vol.3

神田きらり
13-Oct-2007 15:30-17:50
LA CAMERA

071013a

「寛永宮本武蔵伝より かめ割試合」
「連続 村井長庵より 小夜衣・千太郎~なれそめ~」
-仲入り-》
 講談を歩く
「北沢川の川辺~坂口安吾~」
おまけのコーナー(ご愛嬌)


「寛永宮本武蔵伝より かめ割試合」
剣術指南役をめぐる師匠と弟子のはなし。
空調が暑かったせいか、ちょっとウトウトしてしまったです(笑)

「連続 村井長庵より 小夜衣・千太郎~なれそめ~」
伊勢屋の養子・千太郎と、吉原の小夜衣花魁のなれそめ。
小夜衣の台詞で笑いが起きる。自分で「色っぽくないから」とつっこんでいたけれど、"色っぽくないから"というよりも、講談師から素の女性になっちゃった瞬間が可笑しいからじゃないかなと思ったりして。

 講談を歩く

仲入り後は私服(洋服)で登場。

「連続 村井長庵より 小夜衣・千太郎~なれそめ~」で、千太郎が神田三河町から吉原へ向かう道のりを解説。
古地図のプリント配布あり(3枚)

・西方寺(別名・道哲寺)、まねき猫ゆかりの寺。
・柳橋の料亭"万八" 、当時の大食い大会の様子、「うそっぱち」の由来など。

学校の授業のようで楽しい。

「北沢川の川辺~坂口安吾~」

下北沢駅からLA CAMERAに向かう途中にある代沢小学校(当時は荏原尋常高等小学校・分教場)で、一時期代用教員をしていた坂口安吾の紹介。

おまけのコーナー(ご愛嬌)

この会のオリジナルソングを、自らギターとハーモニカも演奏しながら熱唱。
なかなかよい曲。曲名は募集中、次回の会で発表とのこと。ってことは次回の会でも聞けるということだな。楽しみ♪

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October 11, 2007

落語ジャンクション in 下北沢 6DAYS「白鳥独演会~古典の世界」

落語王
10-Oct-2007 19:00-21:00
劇・小劇場

三遊亭白鳥

071010

「看板のピン」
上方バージョンの「看板のピン」なのかな。江戸版だと若い衆が博打をしているところへ親分がやってくるという流れですが、上方版は、若い衆が、元博打うちで金を溜め込んでる老人から有り金をむしりとってしまおうとして逆にやられてしまうという流れなのですね。

「ねずみ」
ネタ下ろし。入船亭扇辰のCDで覚えたとのこと。登場人物が見事に白鳥ナイズされていて、本寸法の"ねずみ"なのに新作っぽい空気が漂っていたのがなんとも不思議。動物モノを得意とする白鳥さんだけにねずみの真似は面白かったなあ。

-仲入り-

「もう半分~ムーミン谷編」
ムーミンカレンダーのカラーコピーを持参、まずはムーミンをよく知らないおともだち向けに登場人物の説明から。舞台下手側に「ムーミン一家+ミィ」を客席に見えるように譜面台に置いて、噺。

「もう半分」の、居酒屋の夫婦がムーミン谷を飛び出してきたスナフキンとミィで、五十両を持って店におとずれる客がムーミンという設定。なんでムーミンが五十両持ってたのか一切説明はなかったですが、なんだか可笑しい組み合わせですね。

...で、うち帰って、ムーミンで検索してたら、
ミィはスナフキンの異父姉だった
って、これを知った上で「もう半分~ムーミン谷編」を作ってるとしたら、三遊亭圓朝もびっくりのすごい因果噺ではないかと思うのでした。

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October 10, 2007

宝塚歌劇団「MAHOROBA/マジシャンの憂鬱」

宝塚歌劇団
7-Oct-2007 11:00~14:05 1F-19-21
東京宝塚劇場

Corich公演情報

071007a

詳しい内容はこちらで(ENAK STAGE GRAPH)



スピリチュアル・シンフォニー
『MAHOROBA』-遥か彼方YAMATO-
作・演出・振付/謝珠栄

 ヤマトタケルの一生~再生と、一本筋の通った演目で、"クマソ征伐""東国遠征"など、冒険活劇の趣のあるショーでした。ダンスも、普段の宝塚のショーとは一風変わって、コンテンポラリーダンスっぽい。

 冒頭、天女たちの東南アジア的な踊りが艶かしい。神々の衣装が華やか。

 「クマソ征伐~ニライナカイ~秋の豊作」の明るさ華やかさと、東国遠征以降の「嵐、吹雪のなかでの戦い~死」の悲しく寒々とした雰囲気が対照的で面白いです。嵐の場面で、オトタチバナ(彩乃かなみ)が神の怒りを静めるために命を捧げるくだりはショーの山場でもありドラマチック。"吹雪のなかでの戦い"は、上妻宏光の三味線が効果的。雪と津軽三味線って合いますね。

 オトタチバナの彩乃かなみの扇の舞が美しい。洋装より和装の方が俄然似合う人だと思います。
クマソ征伐で女装して潜入するサルメ(霧矢大夢)、もともとバタくさい顔立ちなので、なんだかアラビアンな感じがしますね(笑)

 この公演で退団する嘉月絵理演じるオオワタツミは、両性具有な何とも妖しげな魅力を放っていました。

 アマテラスの出雲綾の歌声はさすがの貫禄。彩乃かなみのふんわりとした歌声には癒されるなあ。


ミュージカル
『マジシャンの憂鬱』
作・演出/正塚晴彦

 透視能力をもったマジシャン(実は裏でスタッフが調査し、その結果を透視にみせかける)が、皇太子妃事故死の真相を透視するよう依頼され、適当なこと言ってたら、周囲の人間は勝手に勘違いするし、犯人は自滅するし、なんだか事件が解決しちゃった...って、「御神酒徳利」の宝塚版っすか?(笑)って趣ですが、楽しいサスペンスコメディでした。

 ボディーガード兼侍女の彩乃かなみ・憧花ゆりの・夢咲ねね三人衆の、強いんだか弱いんだかよくわからないアクションが可笑しい。彩乃かなみは、そういう役柄のためか、始終低く落ち着いた声でしたが、多分地声は低音のほうが近いのだろうなあ。クソまじめなのがかえって笑いを誘うような役で適役じゃないでしょうか。
 第3場で、新聞記者に化けたヴェロニカ(彩乃かなみ)が、端っこで、ダンスの振りを真似るところがヤケにかわいい。

 霧矢大夢は皇太子ボルディジャール、ちょいとセリフを噛んでいたですが、あわてんぼうな皇太子の役作りに違いない...と思っておこう(笑)

 墓堀夫婦の未沙のえる・矢代鴻。墓場での二人の小芝居が面白い。矢代鴻はエリザベートの冒頭にでてくる蘇える死者みたいでちょっと恐いけど(笑)


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October 09, 2007

Dotoo!「ひとおもひのひと」

Dotoo!
8-Oct-2007 19:00~21:00
駅前劇場

Corich公演情報

071008

風邪ひいて不調だったですが、ずーっと前から楽しみにしていたのでアリナミンV&V飲んで観劇しますた(笑)


大正時代、谷崎潤一郎や竹久夢二が下宿していた菊富士ホテルが舞台。
父・国太郎(平川和宏)は隠居し、ホテルは次女・八重(三上綾)、三女・志津(安藤桂子)が切り盛りしている。
母・菊枝(桜岡あつこ)は三女を生んだ後、しばらくして他界。しかしお盆になると幽霊としてホテルにあらわれます。娘にはその姿が見えて会話もできるが、父・国太郎(平川和宏)には見えも聞こえもしない。

ある年のお盆。今年も母・菊枝の幽霊があらわれます。長女・のぶ(森下いづみ)は嫁ぎ先をとびだし実家に戻ってきます。父・国太郎は下宿している作家連中に影響されたのか同人誌をつくると言い出す始末。しかし、ホテル経営の危機がせまり、家族は力をあわせて難局を乗り越えるのでした...

 大正ロマンで着物も見所のひとつと、紹介文にありましたが、女物の着物って帯の色や柄で遊ぶことができて面白いと思います。母・菊枝の黄緑の帯は目にも鮮やかでしたし、兼代が最初に締めていた帯は銀糸で刺繍したステンドグラスのような柄も綺麗。八重の、お太鼓に橋が描かれた帯も面白い。それに比べ男物の帯ってバリエーションが少なくてつまらねえな(笑)

 生前の母・菊枝(桜岡あつこ)は、髪型もキャラもサザエさんみたいでしたが、幽霊になってからは髪を下ろして登場、なんだかオモシロ艶かしい。抑揚のある低い声が心地よいです。

 猫のキンゾウ(初田せつ)が、メチャクチャかわいい。「ひとおもひのひと」では、兼代(二村愛)がキンゾウを抱いた姿を夢二(片平光)が描いた作品が「黒船屋」という設定になっていましたね。

 父・国太郎には幽霊となった母・菊枝の姿が見えないというのが最後に効いてきて、見えも聞こえもしない母・菊枝に向かって父・国太郎が語るくだりはホロっときました。Dotoo!の芝居って、このホロり具合が重すぎず軽すぎず絶妙だなと思います。

野上国太郎(父) 平川和宏
野上菊枝(母) 桜岡あつこ
溝口のぶ(長女) 森下いづみ
野上八重(次女) 三上綾
野上志津(三女) 安藤桂子
竹久夢二 片平光
兼代 二村愛
谷崎潤一郎 タケシタユウジ
小林せい子 小林葉子
益富平蔵 デ☆ら
辰之助 鈴木克昌
キンゾウ 初田せつ
 
作・演出 福田卓郎
美術 西川成美
照明 田所太郎
音響 小笠原康雅・中田摩利子(OFFICE my on)
大道具 八木橋貴之
舞台監督 赤坂有紀子
宣伝美術 ラヴ&ピース川津
写真協力 高橋芳(JPA)
宣伝協力 でじたけ
ポスター協力 b2print.jp
協力 ちぃ~む1K
製作協力 藤野和美(オフィスREN)
サポート 東海林奈美
制作 ドトォ!
製作 Dotoo!

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October 07, 2007

第51回「扇辰・喬太郎の会」

主催 東京音協
6-Oct-2007 18:30-21:25
国立演芸場

071006

ごあいさつ 柳家喬太郎・入船亭扇辰
開口一番 春風亭正太郎「桃太郎」
はなし 入船亭扇辰「お血脈」
 柳家喬太郎「熱海土産温泉利聞-八王子金造-」
―仲入り― 
リクエスト噺 柳家喬太郎「カマ手本忠臣蔵」
リクエスト噺 入船亭扇辰「幾代餅」


幕が開くと、二人並んで高座で頭を下げています。ちょうど
「o ○」
な感じで、"トムとジェリー"というか"いくよ・くるよ"というか、大きさの違いに思わず笑ってしましました。
まずは第50回で扇辰さんが止むを得ず病欠になったお詫びからはじまりました。

「まずは前座の正太郎さん、盛大な拍手でお迎えください」という真打二人の紹介で春風亭正太郎さん登場。「盛大な拍手を...なんて言われて、思わず何演るのか忘れちゃいました(笑)」と言いながら「桃太郎」へ。

「お血脈」。「女は子供製造株式会社、男はそこに勤めるサラリーマン...」のくだりは、そんなこといって辞めさせられた大臣がいたけど、落語は昔からそんなこと言ってたなあ...と思いながら聞く。
 地獄で釜に入っている”石川五右衛門”の場面では「東京ホテトル音頭」を歌唱、大うけ。

つづいて柳家喬太郎さん。
マクラは喬太郎さんをおしゃれにしようという「喬太郎改造プロジェクト」のハナシ、服がXLサイズというところからウルトラセブンXのハナシ、バルタン星人の地域限定グッズのハナシ等。
「熱海土産温泉利聞-八王子金造-」は浅草見番寄席で通しで聞いたことがありますが、今回は、お浜が金造夫婦に騙され、売り飛ばされるところまでを演じました。ひょっとしたら次回はこの続きをやるのかしらん。

仲入り後はリクエスト噺。

「カマ手本忠臣蔵」
リクエストの最高位(5票)は「居残り佐平治」、4票で「黄金餅」...「できませんっ(笑)」ということで、2票はいった話からとのこと。途中、ガシャポンで購入したというオモチャを取り出し、空気で膨らませるとサカナ(真鯖)になりました。「目黒のさんま」でもやるのかと思ったら、全然関係なくて「カマ手本忠臣蔵」でした。

最後、「幾代餅」はたっぷり。扇辰さん、恋煩いで寝付いてしまう、一途だが情けない男をやらせたら上手いなあ。

次回は2008年4月12日。

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October 06, 2007

第14回「せきど落語会」

多摩落語寝床の会主催
5-Oct-2007 19:00-21:00
関戸公民館ヴィータホール

071005

春風亭一左「幇間腹」
三笑亭可龍「子ほめ」
神田きらり「寛永三馬術 誉れの梅花 愛宕山」
―仲入り―
三笑亭可龍「天狗裁き」

前座の春風亭一左さんは、一朝師匠のお弟子さん。なかなかよい声。

神田きらりさんの「寛永三馬術...」は"たっぷり"。今年の4月、下北沢でのきらりさんの会で同じネタを聞いたのですが、当時と比べて格段に進歩しており、堪能しました。

三笑亭可龍さんの「天狗裁き」、内容知っていても面白い。

駅前だし、雨降ってても濡れずに行けるし、1000円だし、なんだか空席がもったいないと思ったのでした。

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October 03, 2007

羽村ゆとろぎ寄席

30-Sep-2007 15:00-17:30

070930b

春風亭正太郎「桃太郎」
春風亭柳朝「不動坊火焔」
春風亭一朝「蛙茶番」
笛「祭囃子」「隅田川」
―仲入り―
襲名披露口上
春風亭柳朝「荒茶」

 チケットは前回のゆとろぎ寄席の会場で購入したため、割引で700円。
この値段で、大真打クラスの一朝さんの噺と、さらに笛の演奏まであるのだから、とってもお得な会でした。

 一朝師匠、「自分が"柳朝"の名を継いだらという声もありましたが、"一朝"という名は大師匠の彦六が晩年改名しようとしていた名前でもあり、この名前を大きくしていきたいと思い、"柳朝"の名を継ぐことはありませんでした...」というような話をなさっていました。

 でもホントは"柳朝"に改名したら「イッチョウ懸命がんばります」のシャレが使えなくなっちゃうからだと思うぞ(笑)

 次回は12/5、「神田京子 and 柳亭こみち」。

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October 01, 2007

回転OZORA「すずらん通り数え歌-Flower Shop Kodama-」

回転OZORA
30-Sep-2007 19:00~20:55
駅前劇場

Corich公演情報

070930c

 すずらん通りにあるフラワーショップ「こだま」は緑の相談室などを手がける商店街の片隅の花屋。樹木医をめざす妹(店長)とリストラされ居候の身の兄。実質的に店を切り盛りしているのはバイトの米山くんだったりする。
 店の前に緑の相談室に、植木を持ち込んでくる客は、なにやら訳ありのよう。店先にはナゾの花束が捨てられていたり。代々受け継がれてきた近所の写真店はケーキ屋として再出発...
 花屋の妹と兄が主人公のようですが、大きな事件が彼らに降りかかり...というのではなく、前述のような町内のさまざまな出来事が淡々と語られ、そのなかで妹も兄も少しずつ変わっていくという、"日常"をそのまま描いたような作品でした。

 だから主たる物語が何なのかよくわからないまま物語が進むし、登場人物は変化はするけれど、それぞれの問題が解決して大団円というわけでもないし、盛り上がりに欠けるような...でも、日常のちょっとした出来事や変化を切り取って見る面白さは確かにあったし、きっとそういう舞台なのだと思います。

 弁当屋の話とか、コスモスの話、ケーキ屋開店の話、...など、サイドストーリーを見てみたくなりますね。(っていうか、この作品自体、サイドストーリーの"花屋"の場面だけをつなぎ合わせてできているようだなあ)

児玉聡美 今藤洋子
児玉大輔 中村良平
米山和義 樋山剛一(バジリコ・F・バジオ)
車田直人 大嶋政浩
飯塚しずえ 梁島美保(劇団マグナムブラザーズ)
瀬川潤一 草苅勲
浜中紘子 幸田尚恵(アーノルド)
宇野幸恵 松下由紀
渡邊路子 水野千草
谷慎太郎 加藤正洋
川俣幸治 中嶋ベン(劇団だるま座)
 
作・演出 村上秀樹
舞台監督 中西隆雄
照明 森規幸(balance,inc.DESIGN)
照明操作 小沢葉月
音響効果 中村成志(SoundGimmick)
宣伝美術 冬乃郁也
スチール 斎藤ジン
記録映像 原口貴光(帝都映像)
制作補 三村里奈(MRco.)
制作 森千江子
製作 回転OZORA

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「きっと長い手紙~かもめ郵便局物語~」

ネルケプランニング
29-Sep-2007 19:00-21:10 1F-C-22
本多劇場

Corich公演情報

070929b

 昭和50年頃。海の見える小さな町にある「かもめ郵便局」。
退職を迎えた郵便局長(小宮孝泰)、エリート気取りのイヤミな後任の局長(春風亭昇太)への引継ぎ期間のお話。

 ラスト、後任の局長は仕事だけではなく、"人を愛し、また愛される"郵便局長としての心も、引き継いでゆくことになります。これを、"ある小道具"であらわしているのですが、使い方が見事です。(あのラストを見ると、なぜ矢口真里さんがキャスティングされたのかがよくわかりますね(笑))

 たっぷり笑えて、見終わってほのぼのと暖かい気持ちになれて、満足満足♪

 春風亭昇太さん、メチャクチャセリフを噛んでいて、カーテンコールの挨拶で「あそこまで噛む予定じゃありませんでした」と言っていました。もともと活舌が悪いのは、笑点で全国区になったことだし、世間に周知の事実だと思うのですが、噛んでるところが可笑しくて笑いと拍手が起きてたのは面白い。それを逆手に取ったのか、はたまたアドリブなのかは不明ですが、郵便局員の真弓(風間水希)の長セリフに、昇太さん扮する局長が「よく、スラスラと喋れるね」と応えるシーンがあり、これまた大笑い。

副局長役の井之上隆志さんは、芸達者振りを発揮。面白すぎ。
男運の悪そうな局員役の福島まり子さん、アングラ女優の過去を持つ局員役の佐藤真弓さんも可笑しい。
吉本菜穂子さんはいつも喪服を着ている葬儀屋の娘(最後には金髪に真っ赤なドレスで登場します)で、これまた可笑しい。

 劇中歌の"レッドポストマン"の歌、ちょっと着うたで欲しい感じの曲でした。

東山由香 矢口真里
山崎敏一 春風亭昇太
岡部六角 井之上隆志
吉岡啓介 江端英久
桜丘妙子 福島まり子
田丸千代 佐藤真弓
山崎真弓 風間水希
吉田わたる 大口兼悟
倉田真一 関幸治
大島八郎 築出静夫
松崎茂 月ゴロー
君島理恵 吉本菜穂子
崎坂伸朗 小宮孝泰
ナレーション 池田鉄洋
 
原案・企画 入山一明
作 中島淳彦
演出 ラサール石井
美術 中根聡子
照明 森下泰(ライトシップ)
音響 石神保
衣装 牧野純子(ダダグラム)
振付 長谷川紀子
殺陣 中村嘉夫
演出助手 長町多寿子
舞台監督 瀬崎将孝
演出部 多和田仁/川嶋清美/松浦孝行
照明操作 本間千鶴/武藤優子
衣装助手 小林菜摘/森彩子/出井広美
衣装協力 水野佳子
大道具 C-COM
小道具 高津映画装飾
履物協力 神田屋
宣伝美術 宇野モンド(東京死錠)
宣伝スタイリスト 篠原さおり
写真 アライテツヤ
票券 高橋文彦/富樫咲子(オデッセー)
制作 中町修章/岡島哲也/下泉さやか/青山恵理子/柳原ゆかり
プロデューサ- ラサール石井/松田誠/石井久美子
主催 石井光三オフィス/ネルケプランニング


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