ミュージカル「蜘蛛女のキス」
宝塚クリエイティブアーツ
3-Nov-2007 18:30~21:35 2F-E-40
東京芸術劇場 中ホール
南米の刑務所を舞台にしたラテンのミュージカルだからか、ラテンの曲のもつ明るさと刑務所の暗さが同居していて、さらにモリーナとヴァレンティンの愛による甘美な空気も漂っていて、いかにも荻田浩一の世界っぽい。
最初はどのような作品なのか、さぐりながら見ていたのですが、ヴァレンティンの世話をするモリーナが可愛らしく見えてくたあたりから作品世界に引き込まれました。
モリーナとヴァレンティンの心が通い合い、二人で映画の話をする場面は実に楽しそうで、舞台が刑務所であることを忘れてしまいそうになります。しかし、モリーナが出所した後に残るのは孤独で暗く救いの無い"現実"のみ。出所したモリーナも厳しい現実のなかで命を落とすことになります。
ラストのミュージカルシーンは、死んでゆくモリーナが見た最後の夢かもしれないし、現実から解き放たれて自由になったモリーナの魂が見ている夢かもしれない。
朝海ひかるさん、男役時代そのまんまの低音でしたが、「あれ、こんなに歌上手い人だっけ?」と感じました。同じ声の低さでも、男役としての歌い方と女性としての歌い方って、違うのかもしれません。浮世離れした不思議な雰囲気を漂わせていました。
朝海ひかる目当てで観に行った舞台でしたが、モリーナ(石井一孝)が絶品。健気だし可哀想だし...ホントに泣けるですね。
モリーナ | 石井一孝 |
蜘蛛女/オーロラ | 朝海ひかる |
ヴァレンティン | 浦井健治 |
モリーナの母 | 初風 諄 |
刑務所長 | 藤本隆宏 |
マルタ | 朝澄けい |
ガブリエル/囚人カルロス/ダンサー | 縄田 晋 |
看守マルコス/ダンサー | ひのあらた |
看守エステバン/ダンサー | 伊藤明賢 |
アウレリオ/囚人ライモンド/ダンサー | 照井裕隆 |
囚人フェンテス/ダンサー | 笹木重人 |
囚人エミリオ/ダンサー | 長内正樹 |
囚人/ダンサー | 山田洋平 |
原作 | マヌエル・プイグ |
脚本 | テレンス・マクナリー |
作詞・作曲 | ジョン・カンダー&フレッド・エッブ |
演出・訳詞 | 荻田浩一 |
音楽監督 | 玉麻尚一 |
美術 | 二村周作 |
照明 | 笠原俊幸 |
音響 | 実吉栄一 |
衣装 | 朝月真次郎 |
振付 | 名倉加代子/平山素子 |
映像 | 奥秀太郎 |
ヘアメイク | 中原雅子 |
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