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November 29, 2007

ワンアワーパーキング「兄かえる」

ワンアワーパーキング
28-Nov-2007 19:00~20:20
小劇場 楽園

Corich公演情報

071128

約80分。


 余命わずかと宣言された兄が、十数年ぶりにふるさとに帰ってきた。

 兄は、若い頃は学生運動に熱中し警察の厄介になったり、父親の葬式で香典を盗んだりで、実家の農業を継いだ弟との関係は最悪。それを承知で実家にやってきたのは、自分が死んだら両親と同じ墓に入れてくれるよう頼むためだった。

 兄・貴史が通うスナックで働いている女性・原田菜実(相原美奈子)のキャラがいい。貴史に医者に行くよう勧めたり、貴史が田舎に帰るときは、妻の振りをして同行したり、貴史の病気のことをそれとなく弟に伝えたり、兄弟と仲直りを願ったり...と、脇だけれど重要な役で、別に親類縁者でも幼馴染でもないけれど、貴史への接し方が、とても温かくてよいのです(これは恐らく菜実が、亡くなった父親と貴史と重ね合わせているのでしょう)。

 開店前のスナックで、貴史と菜実が、サンドイッチと牛乳で食事をとるのですが、なんともいえず下町人情ドラマ風で好きな場面。ぜーんぜん根拠はないのですが、阿佐ヶ谷とか高円寺のスナックじゃないかな。


 兄・貴史と会うことを拒んでいた弟は、菜実から兄の病気のことを聞き、兄と会うことを決意する。

 決意するまでに、弟の心の中ではさまざまな葛藤があったのではと思いますが、そのあたりは詳しく描かれていません。そのかわり、和解した兄弟が楽しそうにバーベキューをするシーンなどがあります。「あぁ、これは余命がどうのこうのとか、兄弟のいがみ合いがどうのこうのというよりも、(パンフにも書いてある通り)ふるさとっていいものだよねっていう芝居なのだ」ってことなのですね。

 前作は見ていないのですが、前々作「ウツワノイツワ」と同様、ともすれば重くなりがちなテーマなのに、お涙頂戴瀬にせず、ほんわかした舞台になっています。

 とにもかくにも菜実のキャラが自分としてはツボ。「男はつらいよ」の寅さんというか「釣りバカ日誌」のハマちゃんというか、松竹映画に出てきそうな「実際にこんな人が近くにいたらいいよなぁ」というキャラで、"菜実ちゃん"シリーズで連続モノが見てみたいと思っちゃいました。

 菜実ちゃん、いいよなあ♪

長井貴史(兄) 宮澤正
長井勝(弟) 中村哲也
長井君代(勝の妻) 鈴木美生代
民男(貴史・勝の友人) 今野伸洋
原田菜実(貴史の通うスナックの店員) 相原美奈子
山崎里美(貴史・勝の妹) 貝原怜菜
山崎祥治(貴史・勝の友人、里美の夫) 小井土一章
 
作・演出 コイドイッショウ
照明 葛生英之(日高舞台照明)
オペレーター 森田祐介
音響 東海林梨紗
宣伝美術 小嶋裕
制作 ワナワーパーキング

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