五反田団「偉大なる生活の冒険」
五反田団
9-Mar-2008 19:30~21:40 アフタートークあり
こまばアゴラ劇場

ここに登場するダメ男は、とにかく何もしようとしない。何もしないことを"良くない"とも思っていないようです。
きっと深層心理には罪悪感があると思うのだけれど、その罪悪感に蓋をし一切を考えないようにしているのではないでしょうか。
でも、生きている。これは一種の才能かもしれない。これで天寿をまっとうできれば、それこそ"偉大な生活の冒険"だと思います。
どんな説教も、"のれんに腕押し"。説教する側にしたらイライラすると思うのですが、第三者の我々には、その受け答えが可笑しくてたまらないわけです。
落語にもダメ男は数多くでてきます。観ながら、貧乏神の主人公や、湯屋番や紙屑屋の若旦那が思い浮かんできました。
ただ、ちょっと違和感があって、それは落語のダメ男が総じて"愛すべきダメ男"なのに、この作品の主人公には"愛すべき"感情が沸いてこないのですね。それはきっと彼が何もしていないから。
何もしない姿をそのまま描くというのは落語的に物語が進まないからというのもあるでしょう。ダメ男は口八丁手八丁で渡り歩く様子や、反対にやることなすことすべて頓珍漢な姿を、笑いとばすのが落語の常套手段。そんな姿に同情したり反感を持ったりできるからこそ"愛すべきダメ男"なんてことも有り得るのでしょう。
いままでも、そしてこれからも続くであろう”何もしない人生”の一部分をスケッチしたような作品。これが実に見飽きないスケッチなのです。("サゲ"が必要な落語では表現できない描き方でしょうね。)
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アフタートークメモ
前田司郎、安倍健太郎(青年団)、中川幸子
「二人いる景色」とは言ってみればポジとネガの関係。
同じダメ男でも「二人いる景色」は即身仏になろうと"死"にむかっていくが、「偉大なる生活の冒険」はひたすら"生"にむかっていく話。
ちらかった部屋のセット、モノの位置は稽古を繰り返し、熟考されたものっぽい。
設定はオンタイムらしい。(現在と4年前が行き来する)。
部屋のコミックがパタリロなのは105円で売ってたからっぽい。
主演までやってしまったのは、国立小劇場の仕事が忙しくてなかなか本が出来ず、人にふれなかったっぽい。
小説の原作を戯曲化したのは、最近は戯曲の小説化がはやっているが、その逆は誰もやっていないので先にやってしまおうということっぽい。
ニモのぬいぐるみは内田慈さんがどこぞから持ってきたっぽい。
| 男(村上) | 前田司郎 |
| 女(加奈子) | 内田慈 |
| 村上の妹 | 石橋亜希子(青年団) |
| 田辺 | 安倍健太郎(青年団) |
| 田辺の彼女 | 中川幸子 |
| 作・演出 | 前田司郎 |
| 照明 | 山口久隆(S-B-S) |
| 宣伝美術 | 吉田悠軌 |
| 制作 | 榎戸源胤 |
| 票券管理 | 三橋由佳 |
| 制作補 | 清水建志 |
| 主催 | 五反田団 |
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