宝塚歌劇団「黎明(れいめい)の風/Passion 愛の旅」
宝塚歌劇団
6-Apr-2008 11:00~14:05 1F-20-44
東京宝塚劇場

詳しい内容はこちらで(ENAK STAGE GRAPH)
宝塚プレシャス「榊原和子の宝塚初日&イベントレビュー」(東京初日)
「黎明の風」
日本が軍国への道を歩き始めた1920年代から、第2次世界大戦~敗戦~サンフランシスコ講和条約調印で再び独立国となるまでが、白洲次郎とマッカーサーの二人の男を中心に語られます。
戦前~戦後の日本の姿を、白洲次郎(轟)とマッカーサー(大和)の両方からの視線で描かれているため見応えのある歴史物に仕上がっています。轟悠特出でWトップ状態となったことが良い方向に作用していると思われます。
プロパガンダ放送の東京ローズ(美風舞良)や、天皇の人間宣言後に自ら正統な皇位継承を主張した熊澤天皇(夏大海)を登場させ、それとなく日系アメリカ人問題や天皇問題を匂わせるあたりは憎い。一般民衆の悲劇や混乱の代表のような存在になっており、作品に深みを与えています。
朝鮮戦争のくだりでは、次郎が将来の北朝鮮に対する危惧を露骨に表現していましたが、あのセリフは事実だったのか創作だったのか?宝塚でそんな気骨のあるセリフが聞けるとは思わなかったので、ちょっとびっくり。(宝塚だから無問題っていうのはあるかもしれないですね)
次郎が正子へ求婚する京都の夜の場面は、石田先生らしく大衆芸能風味というか「宝塚って関西の劇団だなあ」と感じさせてくれて、宝塚っぽいかどうかは別にして、個人的には好きな場面。
神風特攻隊の出陣を轟歌う"群青"をバックにダンスで表現した"レクイエム"の場面は、ベルばらのバスティーユに匹敵する名場面かも。
ラストシーンで全員登場...しかし、ソ連大使テレビャンコ(天羽 珠紀)と熊澤天皇(夏大海)だけがセリで下げられるます。その場は笑って見ちゃいましたが、結構皮肉が効いた演出ですよね。
歌劇にもグラフにもENAKのSTAGE GRAPHにも写真が無くて残念なのは、マッカーサーのミニスカ女性秘書(華凜もゆる)。
007シリーズのマネーペニーみたいな役割だけれど、男主体の物語には、本筋にからまないお色気要員って必須だと思うので、"主な配役"リストに載せてあげてください(笑)
骨折で休演した陽月華の代役・和音美桜。先進的でありながら大地に根ざしたような母性もあってよろしかったと思われます。これが陽月華だったら、かなり攻撃的な、それこそ「将軍の妻は、将軍の将軍」的な最強の奥さんだったでしょうね。冒頭とラストのソロ歌がすばらかったですが、休演しなかったら陽月華が歌ってたってことでしょうか?想像するとちょっと怖い(笑)。
吉田茂(汝鳥 伶)は、世間の評判とおり見事でした。ラストに流される「サンフランシスコ講和条約調印」のニュース映像の中の本物の吉田茂を見ても、違和感無し。
東京ローズ(美風舞良)の歌う"蘇州夜曲"は聞き応えあり。美風舞良って、ちょっと小生意気な雰囲気が魅力だと思うのですが、そんな彼女が涙ながらに歌うと、哀愁が出てたまらないです。
ブギの女役の音乃いづみは、本公演にて退団。また、歌える娘役さんが居なくなっちゃった。残念。意外に戦後の洋装が似合わないのね。
2Fロビーに白洲次郎コーナーあり。リアル男性よりもかっこよいのが宝塚の男役ですが、今回は、白洲次郎氏御本人が
見た目の生き様も、男役に匹敵もしくはそれ以上のかっこよさがあるですね。劇中「タカラジェンヌに手を出して英国留学という島流しに会った」というくだりがありましたが、実際に10才年上のタカラジェンヌと付き合っていたそうですね。そんな白洲次郎を芝居にしてしまう宝塚、懐が広いなあ(笑)
「Passion 愛の旅」
幕開早々、黒燕尾・黒ドレスに真っ赤な照明。シックな衣装に淫靡でゴージャスな雰囲気が漂い、いきなり期待度120%増。
ミラーボールを手に持って踊るのも妖しげで面白い。
続いては「Passion 大空へ」。スチュワーデス物語か愛と青春の旅立ちか、青空バックにさわやかな群舞。
アラビアンナイト風の「Passion 砂漠の薔薇」では、夢先案内人の怪しげ親父っぷりがいかにも美郷真也。
ショーでの娘1の代役は美羽あさひと凪七瑠海。美羽あさひは陽月華とは対照的に非常にしなやかな踊り。言ってみれば本寸法の娘役さんなのでしょうね。
「Passion 砂漠の薔薇」のみ凪七瑠海が代役。長い手足を生かして妖艶かつダイナミックな踊りで活躍。もともと陽月華の魅力全開の振付け(by KAZUMI-BOY)だったのでしょうが、その代役が男役から選ばれるって、やはり陽月華って破格な娘役さんなのですね(笑)。
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