東京ネジ「みみ」
東京ネジ
12-July-2008 14:30~16:20
アトリエヘリコプター
「聞きたくない」から「聞こえない」ことに。
それは雲子のような精神性の難聴であったり、森・いちるの会話のように聞こえているけど理解しようとしないことだったり、いちるの父親のように、聞こえていても理解できないことだったり。
言葉を、発する側の立場で「いかに相手に伝えるか」と考える芝居に比べ、「みみ」のように聞く側の立場で考える芝居は、そんなに無いのではないかなあ。
聞こえることを拒絶する自分(佐々木なふみ)と、聞こえる耳を求めるもう一人の自分(佐々木富貴子)のやりとりは、「おもいでぽろぽろ」のような、今の自分と小学生の自分との出会いと自分探しの旅のようで、ファンタジックで面白い。
箱を開けると、封印してしまったコトバが聞こえてくる演出は素敵ですね。
土曜マチネの観劇でしたが、ちょうど雷雨。劇場の屋根を激しく叩く雨音で、セリフが聞き取りにくくなるほど。最初は雨音の効果音で、観客に周囲の音がうるさくて肝心のコトバが聞き取りにくい状況を体感させようとする演出なのかと思ってましたが、本当の豪雨でした。終演後は、ウソのような青空。傘もって来なかったから、止んでよかったです(笑)。
みみ美役の佐々木なふみさんは、ちょっと病的なフランス人のような綺麗さ。
浮気者の会長役の堀越氏、悪役ではないけれど、嫌な男の役。声の高さがイヤラシー度を増していてました。声の高い悪役って、昔の日活映画の金子信雄のように煮ても焼いても食えないイヤラシサがあって、好きなキャラなんですわい♪
蛇足ながら、この声の高さと、かっこよさをあわせ持ってるのが宝塚星組主演男役の安蘭けいだと思う。おまけにコメディアンとしても達者だから、最強の男役だよな(笑)
草居雲子/みみ美 | 佐々木なふみ |
草居雲子/女王 | 佐々木富貴子 |
芹沢光一郎 | 窪田道聡(世界名作小劇場) |
福原均/会長/医者 | 堀越涼(花組芝居) |
福原和歌/美女 | 両角葉 |
守川愛/看護婦 | 中村真季子 |
宇佐美マリ/うさぎ | 太田みち |
乾忠男/犬/家主 | 大塚秀記 |
乾いちる | 清水那保(DULL-COLORED POP) |
森春行 | 印宮伸二(劇団神馬) |
作 | 佐々木なふみ |
演出 | 佐々木香与子 |
舞台監督 | 森貴裕(猫ノ手) |
舞台美術 | 袴田長武+鴉屋 |
照明 | 工藤雅弘(Fantasista?ish.) |
音響 | 北島大輔ミ世六メノ道理(BlueNumber/北) |
宣伝写真 | 松本幸夫 |
宣伝美術 | 長谷川 朋史 |
衣裳 | 土橋歩 |
小道具 | かまくら小鳥 |
制作 | 柴田優子 |
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Comments
このたびはご来場いただきありがとうございました。
「みみ」ブログにリンクを貼らせていただきました。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
Posted by: 東京ネジ | July 14, 2008 09:57 AM