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August 2009

August 11, 2009

「深海獣雷牙」

「深海獣雷牙」公式
圓朝まつり2009
9-Aug-2009 13:00~14:30
谷中全生庵 座禅堂

 圓朝まつり2009の上映会。

 炎天下のおまつりですから、13:00~14:30というもっとも暑い時間帯は涼しい座禅堂での映画鑑賞っていうのが正しいでしょう(笑)。

 前作の「深海獣レイゴー」と比べると、かなりテイストがかわっていました。
「深海獣レイゴー」は戦争~戦艦大和の最後をからめた泣かせる物語でしたが、今回の「深海獣雷牙」は下町人情ホームドラマ、町に起こった事件がたまたま怪獣の来襲だっただけで「怪獣よりも三社祭でしょ♪」という風情のお気楽なお話でした。

 しん平監督も、上映前の挨拶で「見終わっても、なーんにも残りません(笑)。いい大人たちが怪獣と戦う姿を楽しんでみてください」のようなことをおっしゃってました。

 ちょっとホームドラマ部分は弱い(物足りない)気もします。亡くなった奥さん(小円歌)との思い出話や、愛人(?)のますみちゃんとの関係、次女祭のアイドル歌手スカウトの顛末など、もっと家族の話を掘り下げてほしかったかなとも思います。怪獣なしでも一本のドラマになるくらいに。(「深海獣レイゴー」の面白さって、怪獣とはまったく関係ないホームドラマが、怪獣VS防衛隊の話とパラレルで進行するところにあると思うです)。
 芸人さんが登場するたびに大笑いが起きます。落語ファンがいっぱいの圓朝まつりでの上映会ならではでしょうね。

・初っ端、釣り人・歌武蔵師匠の登場に、まず大笑い。
・はん治・時松は、主役の蛍雪次郎氏と組んで町内の仲良し三人組。
・小菊&さん喬のわけありカップルもいい感じ。
・ぽっぽちゃんが紋付羽織を着て二つ目風情で登場。全国のぽっぽファン向けにアップのシーンあり。
・着物姿の男は古今亭菊之丞、伊勢屋の若旦那風に怪獣にツッコミ入れてました。

 テーマ曲の「恋のぐるぐるパンチ」は妙に耳に残ります。三日たっても頭のなかでエンドレスでまわりつづけていますよ(笑)

前作「深海獣レイゴー」DVDにサインをいただいてきますた。
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August 10, 2009

パラドックス定数「五人の執事」

パラドックス定数
30-Aug-2009 19:30~21:20
三鷹市芸術文化センター 星のホール

Corich公演情報

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 客席は後方(入口側)3列のみ、残りのスペースをすべて使い、広大なお屋敷に見立てた舞台。手前にテーブル、中ほどに書斎、奥には階段がある(その先は主人の寝室につながっている)。部屋の壁はなく、部屋同士は廊下で結ばれている。

 部屋を遮る壁が無いため、屋敷内を一望できるのだが、ホールの天井の高さとあいまって、きわめて広大な屋敷に感じられます。ホールというよりも、どこかの実在のお屋敷を借り切っての公演のような気分でした。

 妄想が生み出した執事たちの不条理劇。

 18年前、主の家族は屋敷を去り、残ったのは主と執事の二の人だけ。主は、いつしか家族が戻ってくるのではないかと玄関で待つうちに、自分自身を執事だと思い込むようになる。そして主の頭のなかでは次々と新しい執事たちが生まれてゆきます。

 台本上では、主と、彼の想像が生み出した執事は全く同じ顔で、そして主は、家族が去ったのちに家中の写真を処分してしまったため、執事になりきった主は、自分の顔が主にそっくり(すなわち自分が主であること)にも気がつかぬまま18年が過ぎます。

 しかし主人の死とともに、残された執事たちは、自分が主の想像によって存在していることに気づき、一人また一人と消えてゆく。
 そしてすべての執事がいなくなり、主の人格を取り戻すのでした。

 上演台本を読んでも、ナゾは残りまして、そもそも最初に死んだ主はいったいだれだったのか?たった一人のリアルな執事は、主の想像による執事たちが見えていたのか?

 想像による執事たちは、主が解離性同一性障害のごとくふるまっており、リアル執事が主人にあわせてリアクションしているみたいですね(ときおり、今自分が話しているあいてがどの人格なのかわからなくなる場面がある)。

 違う顔の役者さんが、同一の顔をもつ(という設定の)執事を演じるというのは難しいですね。また、生身の役者さんは、目の前に居るだけで存在感がでてしまうのも、理解を妨げる原因になっているように思うです。

 パラドックス定数というと、濃密な会話劇の印象が強いですが、今回はまるで正反対で、セリフとセリフの間の静寂を味う舞台じゃないでしょうか。無音となった空間には何とも言えない空虚感が漂います。いままでの舞台が、傍観者としてのぞき見している風情がありましたが、今回は、執事たちと同じ空間に存在し、彼らの意識と同化してしまうような不思議な感覚がありました。

 同化しすぎて、意識が遠のく瞬間(つまりウトウトっとしてしまう瞬間)が何度かありましたけど(笑)。
 
 執事のK,Q,B,N,Rってチェスの駒の頭文字かな、各々の執事の性格に合ってっるっぽいっすね。

執事K 植村宏司
執事Q 十枝大介
執事B 西原誠吾
執事N 井内勇希
執事R 小野ゆたか
 
脚本、演出 野木萌葱
照明 伊藤康行
舞台監督 金安凌平
舞台美術 稲田美智子
衣裳 渡辺まり
宣伝美術 成川知也
写真 渡辺竜太
販促 副島千尋
制作補 たけいけいこ
制作統括 赤沼かがみ(G-up)
主催 (財)三鷹市芸術文化振興財団

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August 05, 2009

劇団、本谷有希子「来来来来来」

劇団、本谷有希子
31-Jul-2009 19:00~20:50
本多劇場

Corich公演情報

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 前作「幸せ最高...」、前々作「遍路」に比べると、かなりブラック。

  光代(母)は、夫に逃げられて以来、過度の愛情の方向を息子たちに向ける。
  長男は、そのストレスから妻・千鶴子への暴力で解消。
  次男は、妻の蓉子を身代わりにして家を出てしまう。
 
  義父を愛してしまった妻・江尻アキ。
  誰とでも寝てしまう女・赤堀ヒロ子

 千鶴子は、夫の暴力は姑・光代のせいと、光代に決定的なダメージを与える、ある作戦を実行します。十数年の姑への恨みつらみいが一気に爆発する場面で、恐ろしいけれど爽快。こういう役やると松永嬢はすばらしいですね。

 赤堀ヒロ子に対する別称、「セフティネット」やら「優しいアソコ」はナイスな言いまわし。赤堀ヒロ子はマリア様なのかぁ♪

 自分の居場所を見つけたい蓉子は、夫が失踪しても夏目家に居続けます。光代の介護に、居場所を見つけることになるのですが、自分(蓉子)を頼るしかない&自分(蓉子)の思い通りになる存在としての呆けてしまった光代ですから、24時間テレビでは決して扱われないであろう介護の様子(でも、お互い無理がないのだから、ある意味正しい介護の姿じゃないかとも思います))。

江尻アキの義父の死因は、事故による心不全だけれども、そのシチュエーションを作り出したのは千鶴子...というのは深読みのし過ぎかな。

 ラストがすがすがしいので見終わった直後は気分がよいのだけれど、思い返してみるとかなり怖い。

夏目蓉子 りょう
夏目千鶴子 松永玲子
真野みちる 佐津川愛美
江尻アキ 羽鳥名美子
赤堀ヒロ子 吉本菜穂子
夏目光代 木野花
 
脚本、演出 本谷有希子
作・演出 本谷有希子
美術 田中敏恵
照明 倉本泰史(APS)
音楽 渡邊琢磨
音響 藤森直樹(Sound Busters)
衣裳 畑久美子
ヘアメイク 二宮ミハル
演出助手 菅野將機
舞台監督 宇野圭一+至福団
宣伝美術 新上ヒロシ+上野友美(ナルティス)
宣伝イラスト 中村 珍
宣伝写真 加藤アラタ(kesiki)
WEB製作 ACTSIDE
制作 寺本真美
企画・製作 ヴィレッヂ・劇団、本谷有希子

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あなピグモ捕獲団「永久サテライト」

あなピグモ捕獲団
30-July-2009 19:30~21:15
スタジオあくとれ

Corich公演情報

090730

 奥多摩の奥地、ジュラルミンでできた館に、吸い寄せられるように集まった8人。
彼らは、迷路のような館の中をさまよい、次第に過去の記憶を取り戻してゆきます。
以前、その館は子供たちを対象とした超能力開発の施設であり、8人は病院送りとなり、過去の記憶を消されて一般社会に開放された過去があったのでした。

 研究対象の子供たちは、リーダー格のノアのもと、大人たちに叛旗をひるがえしたものの、鎮圧~病院送りという結果に終わる。施設は閉鎖。しかし、ノアの意思は各々の深層に刻み込まれ、来たるべく新時代のため、"ノアの箱舟"たる、このジュラルミンの館に、再び戻ってきた...っていう設定なのかなと思います。

 この研究施設の謎と政府の陰謀をめぐる展開になればサスペンスものとしては面白そうだけれど、そうはならず。八人の再会~新たな出発までの、彼らの心の変化が描かれてゆきます。サーシーとサナギがお互いに手を伸ばすラストはカタルシスがありましたが、解明されない謎も多いので、ちょっとモヤモヤ感が残りました。

 石井嬢とますだ嬢の脱力系のせりふまわしは、なんともいえない心地よさがあります。二人とは対照的に遠藤嬢は颯爽としていてかっこよしですね。

永久サテライト=永遠に回りつづける衛星=新時代のノアの箱舟=コロニー...ということで、隠しテーマはガンダム生誕30周年じゃないでしょうか。超能力者=ニュータイプだもの。

サーシー 石井亜矢
霧原直春 為平康規
霧原直秋 長野慎也(本田ライダーズ)
珠代 若林史子
ケミコ 遠藤咲子
八嶋 貝谷聡
彦一 力武修一(リケチカ)
サナギ ますだようこ
 
脚本・演出 福永郁央
照明 黒木健史(TKB)
音響 浜本竜太郎
映像 富田礼介(下戸型ロボット)
宣伝美術 Digi-太郎コーポレイション(D-T-C)
舞台、衣裳 さる工房
制作 PIGMIX/稲葉久美子

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