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February 2010

February 19, 2010

宝塚歌劇団「ハプスブルクの宝剣」

宝塚歌劇団
14-Feb-2010 15:30~18:30
東京宝塚劇場

Corich公演情報

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詳しい内容はこちらで(STAGE GRAPH)

原作、藤木ひとみ著「ハプスブルク家の宝剣」
ハプスブルク家のマリア・テレジアの治世、「ハプスブルク家の宝剣」と呼び慣わされた、隻眼のユダヤ青年の冒険譚。
 ただし、舞台では拷問で左眼を失うくだりは割愛され、従って、"隻眼"ではありません。隻眼のヒーローというのも見てみたいですけれどね。

 ユダヤ系ドイツ人、エリヤーフーはイタリア留学中、ヘブライ語の読めないドイツ人のために、経典のドイツ語訳を作成しますが、紙に書かれた訳本は受けいられず(ユダヤの経典は羊皮紙に書かねばならない)、神を背く行為とされ、村から追い出されてしまいます。そしてアーリア人の恋人アーデルハイトをめぐる決闘で相手を殺してしまう。その恨みから追われる立場となったアリアーフーは、ロートリンゲン公国のフランツ・シュテファン(マリアテレジアの夫)に助けられ、ユダヤ人を捨てエドゥアルト・オーソヴィルとしてオーストリアで生きる決意をします。
 軍人としてめざましい活躍をし、「ハプルブルクの宝剣」と呼ばれるに至るのですが、ユダヤ人であることが知れるにつれオーストリアでの居場所は無くなります。そしてプロイセンの闘いで危うく命を失いかけたところをユダヤ系ドイツ人に助けられる。そこでユダヤ経典のドイツ語訳本を見つけます。自分のドイツ語訳本が、ヘブライ語の読めないユダヤ人のために役立っている様子を見て、自分の本来の居場所をやっとみつけたエリアーフー。
 フランクフルトに戻ったエリアーフーは、懐かしいエーデルハイトと再開するのでした。幕。

 上下巻におよぶ長編大河ドラマを1時間半の舞台にしているので、駆け足感は否めません。「ハプルブルクの宝剣」を呼ばれるに至る活躍をフランツの説明セリフで済ましてしるのは、上演時間の制限で仕方がないとは百も承知ですが、ちょいと物足りない。

 ラストシーンは、橋の上でエリアーフーとエーデルハイトが再開し、これから抱き合うのかな~と思ったところで幕。なんか「宮戸川」の「これから先は本が破けていてわかりません」的で小憎たらしい終わり方ではありますね。
 アリアーフー改めエドゥアルトとマリア・テレジアの二人きりの場面のエドゥアルトの口説き、彼がユダヤ人と知ったあとのマリア・テレジアのツンデレぶりは宝塚的にはおいしいところですが、場面としては少ないです。宝塚観劇系の掲示板やブログを見ていると、一人の男の人生ドラマよりも男女の恋愛ドラマをたっぷりみたいという宝塚ファンには、本作品の評判は、あまりよくないっぽい。

 反面、主役の柚木礼音が、出ずっぱり・熱く歌いまくりなので、柚木ファンにはたまらない作品かもしれません。

 音楽、リーヴァイ氏の主題歌と甲斐先生による重厚なコーラスが秀逸。歌でセリフのやりとりをする場面が多く、ミュージカル的満足度は高いです。しかし、各ブログ・掲示板を見ていると、歌によるセリフのやり取りが苦手な方も多くいるようです。「歌だとセリフが頭に入ってこない」という理由を結構見かけます。歌は、つい聞き流してしまいがちですから、複雑なセリフは歌向きではないですもんね。本作の歌詞はわかりやすいと思うんですけどね。

 夢咲ねね、アーデルハイドの先進ぷり(ユダヤ人の恋人をもつアーリア人)、マリア・テレジアの高貴な美しさが素敵。これで歌がもう少し上手ければ天下無敵の娘役だと思います。いま、五組中で姫役が合うのって、夢咲ねねだけじゃなかろうか。

 英真なおき組長はエリアーフーの父親役。泣かせる歌声。ツボをついてくる。

 植田景子先生の作品というと、中身が無い・薄っぺらと、なんか酷評されることが多いですが、自分的には、そういう作品ほど、面白くて楽しめた作品であることが多いです。自分は、重厚な作品よりも何度見ても楽しめるエンタメ系の作品が好きだからかか、セリフ劇よりもミュージカルやショーが好きだからか、それとも男女の感性の違いがあるのか(って、男女で二元論的に語るのはいかがなものかとはおもうけれど)。

 以上、「ハプスブルクの宝剣」は、自分的にはかなり満足なミュージカル作品でした。とにかく音楽がよい。ぜひ2幕モノとして再演して欲しいと、切に思います。

蛇足

 東京宝塚劇場。数年前に比べると男性客が増えました。奥さんの御供や団体客の男性は昔も居ましたが、男同士の客が目に付くようになりました。「逆転裁判」等のコラボ企画の成功で、男性客を獲得に成功したってことかな?

エリヤーフー・ロートシルト
エドゥアルト・フォン・オーソヴィル 
柚希 礼音
アーデルハイト
テレーゼ(マリア・テレジア) 
夢咲 ねね
フランツ・シュテファン 凰稀 かなめ
フクス伯爵夫人 京 三紗
サヴォイア公子オイゲン 一樹 千尋
モシェ・ロートシルト 英真 なおき
サラ 万里 柚美
皇帝カール6世 にしき 愛
ズィンツェンドルフ伯爵 美稀 千種
リディア 百花 沙里
ジャカン 涼 紫央
ドロテーア 琴 まりえ
ハラッハ 美城 れん
シュタレムベルク 天霧 真世
フンク夫人 梅園 紗千
ラディック・ジリンスキ 彩海 早矢
ヨハン・ゲオルク・フンク 天緒 圭花
ラビ・ダウィド
バルテンシュタイン 
鶴美 舞夕
グレゴール・バチャーニ 夢乃 聖夏
ヘッセン・カッセル方伯
ケーニヒスエック将軍 
水輝 涼
アンドラーシュ・オルツィ 紅 ゆずる
ヤコブ 碧海 りま
モーリッツ 壱城 あずさ
アムシェル・モシェ 美弥 るりか
ズィーゲル 如月 蓮
キンスキー侯爵 汐月 しゅう
アブラハム 天寿 光希
オルガ 稀鳥 まりや
ユーゼフ
特使 
大輝 真琴
マリア・アンナ 音波 みのり
カール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲン 真風 涼帆
待従長ヨハン 夏樹 れい
ゲオルク・カイト 十碧 れいや
急使 漣 レイラ
サムソン 麻央 侑希
 
原作 藤木ひとみ
脚本、演出 植田景子
作曲、編曲 甲斐正人
主題曲作曲 シルヴェスター・リーヴァイ
音楽指揮 御崎恵
振付 麻咲梨乃
御織ゆみ乃
ファイティング・コーディネーター 渥美 博
装置 新宮有紀
衣装 有村 淳
照明 氷谷信雄
音響 渋谷 博
小道具 石橋清利
歌唱指導 楊 淑美
演出助手 野口幸作
舞台進行 宮脇 学

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空想組曲「遠ざかるネバーランド」

空想組曲
13-Feb-2010 14:00~16:10
中野ザ・ポケット

Corich公演情報

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「空を飛びたい」とネバーランドにやってきたウェンディ。一方で、「空を飛ばせまい」と対立いうフック船長率いる海賊たち。
 ファミリーミュージカル「ピーターパン」の如く、話はすすむのですが、そこにリアル世界の少年が登場。彼もまた、ピーターパンとともにウェンディが空を飛ぶことを阻止しようと奔走。

 ネバーランドは一人の娘の心。

 病気で先の無い命である母親は、一人娘に迷惑をかけまいと、病院を抜け出し死を選びます。娘は絶望し、自分も学校の屋上から飛び降りようとするのですが、ネバーランドの物語は彼女が自殺しようとし、やがて思いとどまるまでの心象風景だったのです。

 ネバーランドの子供たちは娘の自身であり、タイガーリリーは娘の友人、フック船長は幼い頃に失った(と思われる)娘の父親、ティンカーベルは娘の母親なのでした。母親の魂が娘の自殺を止めるために送り込んだのが、娘の同級生で少年で、彼だけは娘の心のなかの人物ではないので、ネバーランドの世界にも"リアル世界の少年"として、そのまま登場してしまうのですね。

 ネバーランドの住人のおかしな言動も、それが娘の心が生み出したものとわかれば、すべてが納得。

 公演回によっては、すすり泣きが聞こえる回もあったとのことで、さもありなんな内容。悲しいだけの物語よりも、最後に救いがある物語のほうが、人は泣けるのではないかと思います。これは緊張と緩和で不幸=緊張、救い=緩和にあたります。緩和したとたんに涙腺決壊となるのでしょうね。
 本作は、最後に救いのあるお話で、泣くおともだちの多いのもうなずけます。
 自分の場合は、泣くには至りませんでした。「泣ける」という事前情報のために身構えてしまったせいかもしれません。

 前半は、先に述べた通りファミリーミュージカル風なので「なぜ、そこで歌わないの?フツーは歌うでしょ!」と、ミュージカル好きには物足りなさもあったりして(笑)。
 ミュージカルといえば、死をテーマにしたファンタジックな物語って音楽座ミュージカルの得意分野じゃないかな。「遥かなるネバーランド」、音楽座ミュージカルになったら、絶対泣いちゃうでしょうね。

 ネバーランド=死の世界からの生還を、屋台崩しであらわしたのは爽快。ネバーランドのセットが崩れ、学校の屋上のセットがあらわれたとき、そしてベルが鳴った瞬間に、いままでの謎がすべて解けてました。見事。

 ティンカーベルを演じた、武藤嬢が絶妙でした。カーテンコールもティカーベルとして登場したのは正しいと思います。

 そーいえば、今年の夏のホリプロミュージカル「ピーターパン」は笹本玲奈が復活。ウェンディ・神田沙耶加、フック船長・橋本じゅんと、ミュー好き芝居好きにはある意味最強の布陣(なのかなあ?)。見に行かなくちゃなのだ(笑)

ウェンディ 清水那保
ピーターパン 中村崇
ルフィオ 石黒圭一郎
エコー 奥田ワレタ
トゥートルズ 二瓶拓也
ジェイムズ・フック 中田顕史郎
ドンキー 鶴町憲
フォガーテ 尾崎宇内
スターキー 橋本我矛威
タイガーリリー玉久仁子
ビスカ 横田有加
少年 齋藤陽介
ティンカーベル 武藤晃子
 
作・演出 ほさかよう
舞台美術 松本わかこ
舞台監督 藤本志穂
音響効果 天野高志
照明 榊美香
殺陣指導 梶武志
ドラマターグ 詩森ろば
演出助手 酒匂ささ、渡辺望
衣装 恵美秀彦
イラスト 東京幻想
宣伝美術 詩森ろば
制作 塩田友克
企画・製作 空想組曲
 

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黒色すみれ「ショコラショコラテショコラッタ2010」

黒色すみれ
14-Feb-2010 19:00~21:00
吉祥寺 MANDA-LA2

 吉祥寺駅に到着すると、ロリータさんがちらほら。

 店頭販売チケット買っといてよかったなり。
 立見も大勢、椅子席もお膝送りになるほどの超満員。当日枠でかなりの人数増えたのでしょうね。

 ゆかちん嬢のミスタッチが多かったので体調でも悪いのかと心配しましたが、曲がすすむにつれ声が伸び、狭い内に歌声が響き渡っていました。どうたら杞憂だったみたいです。新しい衣装で弾きづらかったのかな?

 今回は、シンプルに二人だけのステージのため、バンド構成での定番曲「すすめ少年十字軍」は無し。当分、関東でのライブは無いそうなので、次に聞けるのは新アルバム発売後(5月中旬)なのでしょう。

 アンコールでは、さちどん嬢による物販アナウンス。見た目はロリータモデルさんなのに口調は演芸的なので、コミックバンドのボケ担当なんか、かなり似合うのではと思います。お笑いとのコラボなライブとかやったら、
 物販は、オリジナルチロルチョコ(100円)、オリジナル板チョコ(1000円)、ポラ写真(500円)など。

 新曲「大人になったアリス」も収録される、次回アルバム「Alice in wonderland」のお知らせ。うちに帰ってブログを見たら、"ただいま絶賛製作中"とあり、吹いてしまいました。

set list
1.お医者さんごっこ
2.若きグレーテルの悩み
3.赤りんご毒りんご
4.ディゲルナライア
5.ル・ポワゾン
6.恋は野の鳥
7.夢見る少女人形
8.乙女讃歌
9.すずむしのうた
10.灯しび
11.カノン
12.真珠の涙
13.午睡
14.赤い靴シンドローム
15.サーカスの馬
16.純潔は赤
17.サンゴと潮
18.幸福な王女さま
19.月光恋歌

アンコール
1.大人になったアリス(新曲)
2.永久に麗しく、すみれの花よ
3.おしまいのうた

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February 13, 2010

バレンタイン前日企画「チョコレートをつくるReloded」

 前回は、フツーの牛乳バターを使ったせいかアスファルトみたいな生チョコ風板チョコができあがった。今回はカカオバターを使い、ちゃんとした板チョコを作らんと欲っす。

カカオバター
相模大野の伊勢丹は富沢商店にて購入。粉モノたくさんでなんだか楽しい店ですた。
包丁で粉砕中...
Choco201

今回のレシピ

カカオバター80g
純ココア100g
グラニュー糖100g

カカオバターを湯煎して溶かす。常温では包丁でサクサク切れる硬さなのに、約40度でトロ~ンと溶けてゆく。かけらを食べてみたら、食感がまさにチョコレートなのねん。
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溶けますた。オイリー♪
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純ココア+グラニュー糖を溶けたカカオバターに混ぜ混ぜコネコネ。
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いい感じに溶けてまいりました。
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カカオバターって、50度以上に温めてしまうと変性して固まらなくなってしまうそうなので今回はしっかり温度管理。
50度で溶かし、約26度に冷却、ふたたび加熱し約30度で保温するのが御定法なのだそうだ。(実際には冷却が約22度、保温が約34度となったです)。
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チョコの型。板チョコつくるのにちょうどよさそうな羽織紐の箱を発見♪
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クッキングペーパーを敷いてチョコを流す。
Choco208

余ったチョコはサラダせんべいに塗布して食す。
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冷蔵庫にて冷却。
室温でゆるりと冷やしべきだったか、表面は冷却ムラのせいか若干の波うち。
Choco210

これだけ厚いと割るのもかじるのも大変♪
白いのはブルームというやつなのかな?テンパリングが不十分だと表面にブルームが出やすいとのことだが、表面じゃなくて断面に現れている。
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口の中に入れるとジワーっと溶けてゆく。苦すぎず甘すぎず、ちょうどよく仕上がりました。ウマー♪
Choco212

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February 11, 2010

バレンタイン直前企画「チョコレートをつくる」

 Twitterで、

「カカオから作るのが本当の手作りチョコといふものだらう。既製品を溶かしてうんたらかんたらというのは、お惣菜買ってきて皿に綺麗に盛り付けるよーなものだと思ひまふ♪ 」

とつぶやいてみたものの、言うだけならネコにでもできるので、さそく作うてみることにしたです。
Choco11

 カカオ豆から作るのが本寸法なのは百も承知なのだが、近場で入手が困難なので純ココアを使うことにしました。またカカオバターも近所では売っていなかったため、ヨーカドーのセブンイレブンバターで生チョコを作ることにします。

材料
・森永 純ココアさん
・砂糖さん
・セブンイレブンバターさん
・クリープさん
Chico01

混粉。
Chico02

バターを溶かして...
Chico03

粉を入れる。
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こねこね。そばの水回しみたいな感じだ。
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ぼそぼそしてたんで水加えてこねこね。
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ウ○コみたいだ。
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クッキングペーパで包んで成形。
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冷蔵庫に入れて一晩。

色合いといい感触といい、アスファルトみたいな板チョコができますた。
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ふつうのバターを使ったせいか、バリっとは割れずネチョっとちぎれて...大麻樹脂のことをチョコと呼ぶのがよくわかるぞなもし。
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なかなかビターな味わい。ミルク(クリープ)がちょっと多かったか。せっかくの手作りなのだから、もっと暴力的にビターでもよかったと思うですにゃ。


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February 09, 2010

One on One「コエラカントゥス~深海 眠る君の声~」

One on One
7-Feb-2010 18:00~20:30
シアターサンモ-ル

Corich公演情報

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 初見の団体さんです。

 東宝「パイレートクイーン」を見損なって以来、海賊系ミュージカルが見たい気分が継続していたのですが、先週corichを何気なく見ていたら、なんとこちらの劇団で海賊モンミュージカルを演るとの情報!さっそく予約。

<あらすじ>

 海賊船コエラカントゥス号が引き揚げられた。水中考古学者イオリは沈没の原因をさぐる...
 謎の男が現われる。どうやらコエラカントゥス号の生き残りのよう。

 "やさしい海賊"の異名をもつ海賊船コエラカントゥス号は女船長ユーリのもと気ままに航海している。ある日、帝国軍の舟に遭遇。船底に居た海軍少尉シオンとカグラ以外は全員病死。コエラカントゥスの船医アオイは帝国軍の船から、病死の原因となったであろうウイルスの入ったビンを発見する。シオンたちは、帝国軍のウイルス研究所への視察任務の最中だったのだ。
 カイルを生まれ故郷の島に送り届ける途中、再び帝国軍の船と遭遇。戦闘中にウイルスのはいったガラス瓶が割れ、乗組員のルイが感染してしまう。ワクチンを作り出すために自らウイルスの宿主となり死んでゆくユーリ。ワクチンが間に合わず死んでゆくルイ。
 やがてつくられたワクチンは一人分。くじ引きでワクチンを口にしたのは吟遊詩人のユーリ。ワクチンにより眠りに落ちたユーリを救命艇に乗せ、残りの乗組員は、残されたウイルスを処分するために、研究所のある島へ向かう。
 アイリ、コエラカントゥスに乗る前は研究所の研究員だった。病原菌のワクチンをつくるための研究所だったが、偶然から致死率80%以上のウイルスを生み出してしまった。生物兵器としてウイルスに目をつけた帝国は研究所の摂取をもくろむ。アイリは研究所を爆破して逃げ出し、ユーリに拾われた過去あった。
 シオンの父親も研究所の研究者で、帝国軍に捕われウイルス研究を続けることとなってしまう。その見返りに尉にまで出世したシオンであったが。
 カグラは、先代船長の娘であった。

 研究所を襲い、ウイルス全てを持ち出したコエラカントゥス号だったが、帝国軍に包囲されてしまう。ウイルスを渡さぬため、自ら船を沈める選択をするのだった...

--------

 18C~19Cの物語のようですが、ウイルスとワクチンに関して史実では

1796年 ジェンナー、天然痘ワクチンの発明
1851年 ベイエリンク、ウイルスの存在を予測。
1935年 スタンリー、タバコモザイクウイルスの単離、結晶化に成功。

なので、架空の世界の架空の国の話として楽しむのがよいようです。

 凝ったコーラスは聞き応えがありました。コーラスはミュージカルの醍醐味のひとつですもんね(全員で歌うと男声部がちょっと弱かったかも)。

 お話は、愛すべきアウトローたちの、歴史の裏側に隠された冒険譚で、すかっとさわやか、ちょっぴり涙な物語。

 惜しかった点をふたつ。

1.疾走感。
 海賊船が海を疾走してゆく姿、その自由さを感じる場面もしくは音楽があったら...

2.戦闘場面のスペクタクル感
 新感線のように...とまでは言いませんが、手に汗握るスペクタル感はもうひとつだったような。
 (今思えば、宝塚の「エルアルコン・鷹」の海上での戦闘シーンは見事だったなぁ)

 その他

・女船長ユーリ、女医アオイともどもかっこよし。
・コックトーヤ(大津裕哉)、シイラ(岡村さやか)、ソロ歌が心に染みる。
・ミチル役の佐野まゆ香嬢とルイ役の北上智子嬢、そっくりだったけどパンフで確認したら双子でも姉妹でもなかったのねー。

 次回公演は夏、中野ザ・ポケットらしい。行こうっと。

カイリ(海図屋)、キール 内藤大希
シオン(帝国軍少尉) 小野賢章
カグラ(シオンの部下) 荻野恵理
ラミー(吟遊詩人) 井村タカオ(オペラシアターこんにゃく座)
メル(風読み) 田宮華苗(ミュージカル座)
ユーリ(船長) 黒瀬千鶴子(Steps)
ライズ(先代船長) 岩崎雄一
アシロ(航海士) 土倉有貴
ユタ(エノン)(ライズのボディガード) 本橋徹郎
ハヤセ(ユーリのボディガード) 美木マサオ
トーヤ(コック) 大津裕哉
ムツキ(船大工) 梶雅人
シイラ(カイリ妻) 岡村さやか
ミチル(海賊) 佐野まゆ香
アオイ(船医) 武津美奈子
カヤル(ライズの娘) 竹田真奈美
ルイ(トーヤの弟子) 北上智子
イオリ(水中考古学者) 千田阿紗子
 
演奏 はんだすなお(西遊記)
 
作・演出・音楽 浅井さやか
舞台監督 堀 吉行(DDR)
照明 宮野和夫
音響 山本浩一
(サウンドクラフト ライブデザイン社)
美術 須田桃李(DDR)
衣裳デザイン 車 杏里
振付 美木マサオ
歌唱指導 カサノボー晃
制作 下泉さやか
千田阿紗子

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青年団リンク 二騎の会「F」

青年団リンク 二騎の会
7-Feb-2010 14:00~16:40
こまばアゴラ劇場

Corich公演情報

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一人と一体。
あなたのことを思えば思うほど、あなたが遠くなっていく。
棄てられた世界で生きる女とアンドロイドが、季節をたどる物語。

 女は治験の契約で多額の報酬を得たが、他の治療は許されず、死後は献体を義務づけられています。その報酬でアンドロイドを手に入れます。アンドロイドは女の利益を最優先に行動します。

 時代背景、環境破壊がすすみ、富裕層は隔離された安全なエリア、貧困層は汚れたエリアと二分化している様子。

 確実に死に近づいてゆく人間と、廃棄さえない限り存在しつづけるアンドロイドという関係は、ブレードランナー(「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」)の逆バージョンのよう(ブレードランナーは、寿命をプログラミングされたアンドロイドが死に恐怖する話)。人間もアンドロイドもたいした違いはないのじゃないか、と考えさせる点は同じですね。

 アンドロイドは、主人(人間)の最大の利益は"生命を守る"ことだと考えているようです(花火をしたいという女の願いを遮って、身体を休めることを主張しているから)。
 治験を続ける女に対し、アンドロイドは他の治療法ならば助かるのではないかと提案します。しかし、「たとえ助かっても、今の報酬はもらえなくなり、元のひとりぼっちの生活に戻るだけと」女は、その提案を受け入れません。
 命は地球よりも重いというアンドロイドに対し、そんなのはウソッパチだという女。

 ここでアンドロイドがどう学習したのかは興味深いところ。主人の願いは、命を失っても今の生活を続けたいということですから。もし、女が「私を殺して」と願ったらアンドロイドはどうしただろうか?

 やがて女は命つきます。切なさを感じないわけではありませんでしたが、それ以上に「看取ってくれた人がいてよかったね」という気持ちがはるかに強く生じました。一人でしんでゆくのはあまりに悲しすぎる、だからアンドロイドをそばに置いたのでしょう。

 印象に残った場面がふたつ。

 1.二人がキスをする場面。アンドロイドの表情が無表情だったこと。

 2.女が亡くなる場面。目をあけたまま、電池が切れるように動かなくなりました。それは人間というよりもアンドロイドのようでした。

 この2つがなかったら、単なる甘ったるいお話になっていたかも。

 人間の望むことが、最初は理解できないアンドロイドですが、人間同士だって初対面から理解しあえるんなんて滅多にないですし、たとえ長く付き合っても、このアンドロイドのように理解してくれるとは限らないわけです。そういう意味では、この作品、ハッピーエンドなのかもしれませんね。

女 端田新菜
男 多田淳之介
 
作 宮森さつき
演出 木崎友紀子
照明 岩城 保
宣伝美術 
制作 服部悦子、木元太郎
芸術監督 平田オリザ

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一徳会「インヴィジブル」

一徳会
6-Feb-2010 19:30~21:00
D-倉庫

Corich公演情報

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 横溝の世界を堪能♪

 原作は横溝正史『湖泥』。Corichの「見てきた」に、「みんな『湖泥』は読んでるはずですが」的感想があったので、さっそく帰りに本屋で購入です(笑)。演出は奇抜でしたが、物語は原作に忠実であったことにびっくり。インヴィジブルマンというセリフも、原作のままでした。

 開演。男が事件の経緯を語る脇で、御子柴由紀子と志賀秋子が登場、坂を這う様にすすみ、お互いの脚を足先でなぞる、なんてエロティック。

 舞台上は約30度の傾斜のついた緑色の坂となっていました。登場人物は坂の向こう側、あるいは中ほどから登場し、坂の上で芝居をします。
 唯一の例外が、金田一耕介。彼だけは客席がわから登場し、坂には登らない。謎解きをする金田一を、坂の上から村人が覗き込むような構図になるわけです。

 観客からは、ちょうど舞台を俯瞰でみるような感じになります。篠原とおるの漫画に、このような上からのアングルがあったなあ。

 金田一の、余所者で探偵という特異な立場が明確になります。大きな坂からは、閉塞した村に内在した不安定を感じますしし、坂から降りないのはその村から抜け出せないことをあらわしているかのようです。

 衣装は、女性二人は同じキャミソール、男連中は同じ消防団風の服。金田一はアロハで異質感を強調。事件解決後にお約束の着物&袴に着替えて去ってゆきました。

 パンフに配役が書いていなかったので、いまいち誰が誰だかわからないぞなもし。間違ってたらスマソなり。

北神九十郎 前島謙一
金田一耕介 太平
北神浩一郎 沖渡祟史
御子柴由紀子 小助川玲凪
志賀秋子 伊藤祥子
西神康夫 鈴木正孝
志賀恭平 爲近敦夫
 
原作 横溝正史『湖泥』より
演出 石井幸一
美術 一徳会美術部
宣伝美術 武者智美、犬上すくね
照明デザイン 染谷和彦
音響 武者輝
衣装 伊藤祥子
制作 一徳会/K・A・G
協力 角川書店

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むっちりみえっぱり「ムートンにのって」

むっちりみえっぱり
6-Feb-2010 15:00~16:40
アトリエヘリコプター

Corich公演情報


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 それぞれに終わり方が絶妙で、暗転してから笑いがこみ上げてきました。各物語の登場人物の一人が、次の物語へゆるーくつながって、ラストは再び「はてしない物語」に戻り、ゆるーい空間の環ができていました。なんだか心地よい。

「はてしない物語」

 33才の文学少女に説教する25才男子はチーズフォンデュがお得意。

本田正人 齊藤庸介
伊藤あまね 山本由佳

「会議」

 新刊雑誌の企画会議は底なし沼。

本田正人 齊藤庸介
近藤恵子 江川瑠衣
河野健太郎 黒田大輔
勝間絵里 兵藤公美
岩田芳美 吉田麻生

「Dearアゴスティーニ」

 よさこい練習風景。男は女に気があるものの、女は関せず動ぜず。

近藤恵子 江川瑠衣
平岡英二 前田司郎

「千手観音」

 社会人サークル"千手観音"の練習会。生活の苦労自慢に花が咲く。

伊藤あまね 山本由佳
川端玲奈 兵藤公美
竹井正美 吉田麻生
熊谷信也 前田司郎

「劇団シーフード第67回公演『オーマイビルディング!』」

 第1幕 演出家は大事な大事なカーテンコールの稽古に余念が無い。

 第2幕 義理で見にきたバイト仲間の客との会話は、演劇の感想そっちのけでバイト先の換気扇の掃除の件。

演出家・富田政雄 前田司郎
劇団員・藤田航(芸名 Mt.富士)
建築家路ベルト役 
黒田大輔
劇団員・田中ヘブンリー
ロベルトの彼女ペネロペ役 
江川瑠衣
劇団員・つくしのりこ
少年時代のロベルト役 
樋口徳子
劇団員・遠井夏江
大地の精、ロベルトのライバル ホセ役 
山本由佳
劇団員・渡辺章子
大地の精、カフェの店員マチルダ役 
吉田麻生
観客・川端玲奈
 
兵藤公美

「トップランナー」

 今日のゲストは演劇の物販ビジネス会社の社長、でも本人は演出家気取り。

富田政雄 前田司郎
司会者 佐藤沙恵
司会者 齊藤庸介
客 黒田大輔
客 江川瑠衣
客 山本由佳

「若者たち」

 有名文化人の合コンは夢の饗宴。

アンディウォーホール 江川瑠衣
リンゴスター 黒田大輔
ジョンレノン 齊藤庸介
ツインギー 樋口徳子
ジャニスジョプリン 兵藤公美
ボブディラン 前田司郎
バスキア 山本由佳
オノヨーコ 吉田麻生
作、演出 樋口德子
江川瑠衣
山本由佳
吉田麻生
企画、原案 樋口德子
制作 猪川哲一郎
照明 小沢葉月
舞台 松本謙一郎
舞台助手 萩原未来
音響 小早川晋
Web 江崎史享
カフェ 中川幸子
ナレーション 川島致
宣伝美術イラスト 古谷充子
宣伝美術デザイン 海老沢えみ

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February 07, 2010

チョコラッキョ♪

 むっちりみえっぱり公演「ムートンにのって」併設のムートンcafeのタルトがおいしかったせいか、お菓子作りたいモードにはいっちゃまして...

 で、バレンタインデーも近いので手作りチョコなんぞをつくってみました。

 材料は明治ミルコチョコレートとピリ辛らっきょう
Cr1

らっきょうはクッキングペーパーで表面の水分をのぞく。
Cr2

蒸かし芋の在庫があったので、芋チョコも作ってみよう。
Cr3

湯煎中
Cr4

サツマ芋チョコ
Cr5

さつま芋の甘さとミルクチョコレートの甘さが衝突し、お互いのおいしさを消している。甘さの種類が違うのだなあ。やっぱりジャガイモの方が合うようだ。

チョコラッキョウ
Cr6
 予想外にいける(笑)。ミルクチョコレートの甘さとラッキョウの酸味の両方がマイルドになり、甘いものが苦手な人も、酸味が苦手な人もこれなら大丈夫かも。チョココーティングのおかげで鼻をつく匂いがなくなった。
 甘さの後にひろがる酸味が口中をスッキリさせる。チョコなのにシャキっとした食感も新鮮(っていうかラッキョだもんな)。

 欠点としては、お茶にあわずコーヒーにあわずみたいな...

Hey ! Choco Rackyo!
チョコの中に艶やかな輝きがたまらねえ♪
Cr7

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February 05, 2010

SPIRAL MOON「銀幕心中」

SPIRAL MOON
3-Feb-2010 19:30~21:10
「劇」小劇場

Corich公演情報

100203


 日本映画黄金期を迎えた昭和30年代の古都・鎌倉。傲岸不遜な巨匠監督が謎の死を遂げて、プロデューサーや脚本家、主演俳優達は右往左往。おまけに死んだはずの巨匠監督まで現れて、お通夜の席は抱腹絶倒の大騒動!
 端正な芝居作りで定評のあるSPIRAL MOONが圧倒的爆発力で挑む渾身の一作、乞うご期待!!

 初日観劇。

 10年ぶり2度目の再演なのだそう。
 作の横田雄紀氏は、AV製作会社~写真週刊誌記者~PTA会長というファンタスティックな経歴。

 昭和30年代の映画を見ているような、いかにも昔風のセリフとセリフ廻し。長セリフで早口なので大変そうだなあと思ってみてましたが、笑わせどころで台詞を噛んでいたのは、ちょっと残念。初日ゆえか、前半は、笑いのリズムが掴みきれないていないような感じでした。
 ところが、映画監督の幽霊が登場したところから途端にテンポがよくなり、面白くなってゆきました。

 最後は映画「如月心中」のクライマックス・心中場面に女優と映画監督との恋がオーバーラップ。別れの切なさとともに、想いが通じた爽快さがあって、素敵なラストシーンでした。観劇前は、SPIRAL MOON がなぜ、いつもの作風とちがう喜劇をやるのだろうかと疑問だったのですがラストシーンを見て納得、きっとこのシーンがやりたかったのでしょうね。

 秋葉舞滝子嬢、声がいい。個性的な顔の女優という役ですが、ラストは美人に見えてくるから不思議(笑)

 「空気が乾燥しますので...」と、先着枚数限定ですが、希望者にマスクの配布あり。

 もれなくオリジナル布製エコバッグ付き。チラシを持って帰るのにちょうどよい。チラシを置いてエコバッグだけを持って帰るのは、ちょっぴりズルのような気もするなあ(笑)。

 蛇足

 すーっと「銀幕中心」だと思ってた。当日パンフ見て、初めて「...心中」だと気づく。あなわびし。

安城孝之輔(映画監督) 牧野 達哉(銀鯱マスカラス)
二代目・国東千代光(主演男優) 野村 貴浩(劇団め組)
南雲重吉(プロデューサー) 田中 新一(東京メザマシ団)
坂場吉太郎(撮影技師長) 南雲 則治(エクスィード・アルファ)
倉橋健作(脚本家) 鈴木 勇太
和泉柊橙子(主演女優) 秋葉 舞滝子
(声) 河嶋 政規(プロペラ☆サーカス)
星 達也
 
作 横田 雄紀
演出 秋葉 舞滝子
演出補佐 河嶋 政規(プロペラ☆サーカス)
舞台監督 小沢 真史
照明 南出 良治
音響 齋藤 瑠美子
音楽 羽山 尚
美術 星 達也
チラシイラスト 秋葉 陽子
チラシデザイン 岡村 一也
装飾美術 千吉良 麻恵
記録写真 竹内 英和
企画制作 SPIRAL MOON
最上 桂子
制作協力 渡辺 茅花
Daddy Long Legs 小西 慶久

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メーラーのおひっこし

 7年ほど使用してきたメーラー「Winbiff」の挙動が急におかしくなる。

・受信動作が終了しない。
・無理矢理「ひらメール」を開くとIndexが作成されないのか、受信フォルダには新着メールが表れない(受信メールはPC上に保存されているようだけれど)。
・受信動作が完了していないためか、POPサーバのメールが削除されない。

 新規のアカウントを作ってみる → 改善せず。

 ウィルスソフトをオフにしてみる。 → 改善せず。

 Winbiff、すでに開発が終了となっており今年の3月でサポートが終了するというソフト。サポート終了目前にこの不具合とは、他のメーラーに乗り換えろという神の啓示にちがいない。

 Thunderbird、リリースされたばかりのVer.3.0をインストール。アカウント設定して再起動したところ、受信フォルダが消失。なんとなく不安なのでアンインストールした。

 現在、秀丸メールに移行中。
 理由は
 ・秀丸エディタのライセンスを持っているので無料で使える。
 ・メールをテキストファイルで保存するので、いざというときのサルベージが容易。
 ・軽そう。
 ・安定してそう。
 ・小回りがききそう。
 既存メールを移す前に、Winbiff側でいらないメールをdelete。

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「群論」

「群論」というと、大学の数学の授業で出てきました。当時は抽象的でさっぱりわかりませんでした。
その原因は、
(1)いきなり数式で説明されてもイメージが湧かない
(2)何の役にたつのかわからない
ではないかと思います。

 (1)に関しては、教科書は、どうしても"数式を用いた厳格な論述"になるのでいたしかたないと思います。一方、Web上には、サルでもわかる的なイメージ優先で説明しているサイトがありますね。

 (2)に関して、工学関係に限らず、経済、社会学の本を読んでいると、逆に「数学の○○の考え方を用いて...」なんて文章を結構目にします。習った当時は存在の意味のよくわからなかった複素数が電磁気学ではあたりまえのように使われてその有用性に驚いたり、シンセの本読んでたら三角関数やフーリエ級数がでてきて「役立つじゃん♪」みたいな驚きがあったり。「群論」も、人文から哲学まで一世を風靡した構造主義的な考え方によるものなのですね(群論が先か構造主義が先かは曖昧みたいですが)。

 群、英語ではgroupで、英語の方がイメージを掴みやすいかも。

 群とは演算をもとにしたグループ分けで、演算とは加減乗除だけでなく、移動・回転・作用...など、状態を変化させるあらゆる変換方法(そのなかには"状態を変化しない=そのまま"も当然含む)。この変換が、いわゆる写像というやつになります(丸の中にXだのYだのが描かれて、矢印で隣の丸のX'やY'に対応してるっていうやつだね)。

 で、この演算によって要素はどうなるか?その関係性(構造)に着目したのが群。集合の要素は数でなくてもよいし、演算は算術演算でなくてもよい。構造が同じであれば、全く異なる集合であっても、同型だといえます。
 例えば7回演算を行うと元にもどる群と、毎週日曜は必ずカレーが食卓にならぶ鈴木さん宅は同型。なぜ日曜がカレーなのか、鈴木さんの奥さんに聞くよりも、同じ構造の群を研究したほうが早いかもしれません。
 抽象概念ゆえに、数学以外のあらゆる分野に応用可能なんですねぇ。

参考:ムルンギン族の婚姻体系への応用
http://www.math.tohoku.ac.jp/~ytakao/papers/weil.pdf
http://www.las.osakafu-u.ac.jp/~kawazoe/lecture/math-edu01-html/node4.html

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ミュージカル「蜘蛛女のキス」

梅田芸術劇場
31-Jan-2010 13:30~16:45 1F-L-2
東京芸術劇場 中ホール

Corich公演情報

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 荻田演出版、2年ぶりの再演。
 「演出かえたかな?」という場面が何ヶ所はありましたが、初演がどのような演出だったか記憶が曖昧だったりしますが(笑)、初演よりも一段と荻田色が濃厚になっている印象。耽美でダークで白昼夢を見ているような不思議な感覚を堪能してまいりました。

 モリーナ(石井一孝)の乙女の純情(笑)が切なく泣けました。ゲイ度も切ない度も初演比300%!

 蜘蛛女/オーロラ役の金志賢嬢の存在感がすばらしい。初演の朝海ひかると比べると圧倒的に怖く、まさに蜘蛛女。(朝海ひかるは蜘蛛女というよりも本物の蜘蛛の風情だったなあ。)

 看守&囚人のダンスシーンは、囚人をからめとる蜘蛛のような動きで美しくも不気味。

 オーロラが演じた役でモリーナが唯一恐怖した役が蜘蛛女、接吻をした相手を死に誘う。モリーナを死に誘ったのはヴァレンティン、彼と結ばれたモリーナは、彼の望み(外部への連絡)を受け入れ、それがもとで殺されてしまいます。オーロラの映画に希望を見出し、最後はオーロラの蜘蛛女の糸にからめとられるように死んでいったモリーナ。

 モリーナとヴァレンティンのやりとりのなかで、蜘蛛女の瞳がバックに大きく映される瞬間があります。かなりドキッとする場面でしたが、あの時点で蜘蛛の糸につかまってしまったということなのでしょう。

 モリーナの語る映画の場面が白昼夢のように挿入されます。暗い牢獄とは対照的なゴージャスで明るい場面です。モリーナの子供の頃の思い出や、ヴァレンティンによるマルタの思い出なども挿入されますが、すべてが牢獄での生活が生み出した、美化された思い出でしかないようにも思えてきます。

 パンフのスタッフリストを見てびっくり。モリーナの少年時代(映像)、外人の少年タレントでも使ったのかと思ってたんですが、なんと沢樹くるみさんでした。

竹村直哉
鈴木圭
モリーナ 石井一孝
蜘蛛女/オーロラ 金志賢
ヴァレンティン 浦井健治
モリーナの母 初風 諄
刑務所長 今井朋彦
マルタ 朝澄けい
ガブリエル/囚人カルロス/ダンサー 縄田 晋
看守マルコス/ダンサー ひのあらた
看守エステバン/ダンサー 田村雄一
アウレリオ/囚人ライモンド/ダンサー 照井裕隆
囚人フェンテス/ダンサー 笹木重人
囚人エミリオ/ダンサー 長内正樹
囚人/ダンサー 辻本和彦
 
コンダクター&キーボード 大隅一菜
キーボード 田中詞崇
キーボード 柳澤香
リード 
トランペット 中野勇介
工藤正和
トロンボーン 辻冬樹
池田雅明
ベース 一本茂樹
小高正志
ドラム&パーカッション 宮地良幸
マニピュレーター 渡辺博史
 
原作 マヌエル・プイグ
脚本 テレンス・マクナリー
作詞・作曲 ジョン・カンダー&フレッド・エッブ
演出・訳詞 荻田浩一
音楽監督 玉麻尚一
美術 二村周作
照明 笠原俊幸
音響 実吉栄一
衣装 朝月真次郎
振付 名倉加代子/平山素子
映像 奥秀太郎
ヘアメイク 中原雅子

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志の輔らくご2010 in PARCO

しのすけコム
31-Jan-2010 14:00~16:45
PARCO劇場

100130

 Corichの舞台芸術のエントリーされています。落語が舞台芸術なのかどうかは議論すべきだと思いますが、少なくとも「志の輔らくご」は舞台芸術として扱ってよいでしょう。なぜなら、舞台(劇場)ならではの演出を施しているから。
今回は、
 「踊るFAX」では巨大なFAXが登場する大仕掛け。
 「中村仲蔵」は、付打ちと照明で、花道があるかのような演出。
でした。
 過去の作品も同様、「歓喜の歌」ではコーラスグループの登場、「狂言長屋」では劇中劇ならぬ落語中劇で実際に狂言を演じました。

 たとえ演劇用の劇場で公演したとしても、普通の落語会を「舞台芸術」と呼ぶのはちょっと違うような気がします(ex.昇太デラックス@本多劇場)。

 Corich演芸なんてのがあったら、洒落で面白いと思う。感想は、「○月○日の○家○蔵の○浜はいまいち。上下まちがってた。」なんてじじぃのたわごとみたいのばかりになりそうだが、公演データベースとしては有益だと思う。現状は堀井憲一郎氏のデータベースくらいしかないもんね。

「肩代わりのポン太」

 今年の新作。事業仕分けのマクラから、とある村で、下半身だけ作って工事がストップしてしまった巨大狸の置物をめぐる話。

「踊るFAX2010」

 電化製品の進歩を見るとFAXの将来について考えざるを得ないので、この話、できるうちにたくさん演じたほうがよいと思います。手書きデータの送受信というのは無くならないと思いますが、それは現在のFAXとは異なったカタチになるでしょうね。

 お仲入り

「中村仲蔵」

 ここまで泣ける中村仲蔵も珍しい。泣けるけれど決してくさくは無い。絶妙。

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ユニークポイント「シンクロナイズド・ガロア」

ユニークポイント
29-Jan-2010 19:30~21:15
「劇」小劇場

Corich公演情報

100129

 東大紛争の最中、数学科助手・森田は数学科の学生・河合と、彼の高校の同級生である広永に演劇で「ガロアの生涯」をやろうと持ちかけます。河合が本を書き、広永がガロアを演じ、稽古はスタート。一方、東大は大河内一男が総長が辞任し、加藤一郎が総長代行となります。

 「ガロアの生涯」の稽古場風景と、大學と学生との交渉が交互に描かれ、政治活動からやがて当局の陰謀により決闘で死ぬこととなるガロアの生涯が、安田講堂での攻防戦で敗北する学生たちとシンクロしてゆきます。

 「ガロアの生涯」は劇中劇という設定ですが、"舞台上で表現されるもの"としては東大紛争の場面と全く同次元なので、二つの時代の物語がパラレルで進んでいるように感じられてきます。そしてラストでは、二つの物語が劇中劇という設定を超越し、見事に一つに重なります。これがなんとも爽快。演劇ならでは手法だと思います。
 まるでガロア=学生だけれど、よく考えてみるとガロアは数学者としては天才だったが、東大生たちは天才でもなんでもなかった(活動家としてはむしろバカ?)のは大きな違いですね。

 解説者として登場する"女"は、大学紛争をわかりやすく説明してくれます。登場早々、n次方程式の解についての解説がありましたが、あんな数学の講師がいたら、ちょっと楽しいですね。

 エピローグで、河合の子供?が登場しますが、必要な場面だったのか。当時の時間のままエンディングにしたほうが余韻が残ってよかったんじゃないでしょうか。

 大河内総長/加藤代行は宍戸嬢二役、学校側を同じ役者が演じるというのはわかりやすい。

 ガロア役の宮嶋嬢がりりしくて素敵でした。途中アラレちゃんメガネ&あひるくちびるの場面がありましたが、かわいかったなあ♪

 さて、ガロア群についてだけれど、現在はなくてはならない概念だが、当時は誰にも理解されなかったということさえわかれば、観劇上は無問題。でも、わからないのはちょっと気持ちが悪いので、翌日本屋に行って、わかりやすい「群論」の本を探してみました。が、どれも難しい。Web上検索すると、わかりやすく説明しているサイトが結構ありました。
群って、(数と数との)関係性の着目した分野で、構造主義的な考え方によるものなのね...っていうか、数学の群論から構造主義が誕生したのかな?

 群論的には「東大生とガロアは、体制との闘争において同型である」といえるのかな。

おまけ

群論入門
物理のかぎしっぽ代数学の項に群論、ガロア理論がある。

...なんてのを見てたので感想文ブログアップするのが遅れましたよ♪

女 洪明花
森田 村上哲也
河合 安木一之
広永 宮嶋美子
市川(劇団の人) 泉陽二
学生 ナギケイスケ
古市裕貴
戸枝直明
北見直子
久保明美
共闘男 間瀬英正
大河内総長
加藤代行 
宍戸香那恵
 
作、構成 山田裕幸
照明 福田恒子
音響 三木大樹
美術 福田暢秀(F.A.T STUDIO)
舞台監督 鳴海康平(第七劇場)
衣装 兼松光
宣伝美術 西村竜也
制作 河野悟
中村紗夢
柴田瑛未里
上田勝也
主催 ユニークポイント

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