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April 2010

April 30, 2010

シスカンパニー「二人の夫とわたしの事情」

公式ページ
29-Apr-2010 13:30~16:20
シアターコクーン

Corich公演情報

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  小洒落たラブコメ(離婚コメディ?)で笑わせていただきました。♪コメディエンヌ松さん炸裂。小間物屋政談のおときさんが白鳥麗子だったみたいな話ですね。

 ヴィクトリアのもとに戦死したはずの元夫ビルが突然あらわれる。いまの夫フレディはビルの友人。
 美しい人妻ヴィクトリア、天衣無縫で自分かわいさ第一な女性。ビルもフレディも彼女に振り回され、もうこりごりと思いつつも、彼女を嫌いなわけじゃなし。そして、そんなヴィクトリアの本性を知らない、実業家のペイトンは彼女にぞっこん。ヴィクトリアはいったい誰を選ぶのでしょうか...

 幕開きからヴィクトリア(松たか子)の自分大好きっぷり炸裂で笑わせてくれます。石炭やら食料やらの物品ほしさに、ペイトンには色目を使うヴィクトリア。足やら肩やら胸元やらチラ見せで、そりゃあペイトンでなくてもだまされちゃいます(笑)。過度にいやらしくなく、でも十分魅力的で、そこはかとなく品があるあたりが松さん絶妙でした。

 段田氏演じるビルは痩せでお調子者風、渡辺氏のフレディはおでぶで真面目なタイプで対照的なので、二人のやりとりが面白いんですよね。

 結末は、ヴィクトリアはビルともフレディとも別れ、ペイトンの元に行くのですが、ヴィクトリアには罪悪感など無いし、ビルとフレディは晴れて自由の身となり、スカっとさわやか。湿っぽくないところがよいですニャ。コメディはこうでなくっちゃ♪

ヴィクトリア 松たか子
ウィリアム・カーデュー少左(愛称ビル) 段田安則
フレデリック・ラウンズ少左(愛称フレディ) 渡辺 徹
シャトルワース夫人 新橋耐子
レスター・ペイトン 皆川猿時
ミス・モンモラシー 水野あや
A・B・ラーハム氏 猪岐英人
ポグスン夫人 池谷のぶえ
ミス・デニス 西尾まり
テイラー、クラレンス少年 皆戸麻衣
 
作 W・サマセット・モーム
演出、上演台本 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
翻訳 徐 賀世子
美術 二村周作
照明 小川幾雄
衣装 前田文子
音響 水越佳一
ヘアメイクデザイン 勇見勝彦
舞台監督 瀧原寿子
プロデューサー 北村明子
企画、製作 シスカンパニー

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April 27, 2010

嫌われ松子の一生

公式ページ
25-Apr-2010 17:00~19:00
青山円形劇場

Corich公演情報

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 赤い十字架を型どった舞台。奥に向かう階段の先は大きな祭壇になっています。舞台の下には花や小道具が乱雑に置かれていました。
 入場一番、舞台セットを見て「これは当たりの舞台!?」と予感。観終わって、その予感は的中。松子の死で始まり、松子の過去の人生を振り返る展開なので、祭壇の舞台はぴったりですし、真っ赤な十字架の上で描かれる松子の人生は、とても情熱的で、しかも運命的。

 松子の人生は劇的ですが、心は純粋で、ただ「誰かを愛したい」だけなのでしょう。葛木英さんは、こーゆー壮絶な純愛を描くのに長けた人なんだと思います。

 松子の遺骨を抱えた洋一が涙するラストはじーんときちゃいました。

蛇足

 長谷部優嬢、きれいかわいい。木村 了氏、美形。美男美女で、なんだかとっても環境にやさしくないカップルだと思う(笑)

川尻松子 長谷部優
龍 洋一 木村 了
岡野健夫 津田健次郎
小野寺保 森山栄治
赤木 今奈良孝行
島津賢治 大堀こういち
八女川撤也 KEIJI(EXILE)
 
原作 山田宗樹(『嫌われ松子の一生』幻冬舎文庫)
脚本、演出 葛木英
音楽 伊藤ヨタロウ
美術 伊藤雅子
照明 伊藤孝
音響 中村嘉宏
山下菜美子
振付 伊佐千明
北尾亘
衣装 高木阿友子
ヘアメイク 大宝みゆき
映像 荒川ヒロキ
アクション指導 明樂哲典
演出助手 城野健
舞台監督 牧野剛千
主催、製作 日本テレビ
ネルケプランニング
フォービーズ

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ザ・ミュージックマン

公式ページ
25-Apr-2010 12:30~15:00
東京芸術劇場 中ホール

Corich公演情報

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 1957年が世界初演だそうで、まさに古き良き時代のほのぼのミュージカルでした。
アイオワの片田舎のお話で、トウモロコシ畑を背景にとっても牧歌的な雰囲気が漂っていました。

 ブラスバンドを作ろうと話を持ちかけ、楽器・ユニフォーム・教則本を一式売りつけてそのまま逃げてしまうという詐欺師のハロルド。アイオワのリバーシティで一仕事のはずが街のピアノ教師マリアンとの恋に落ちてしまう...

 ラストはウソから出た誠で、本当にブラスバンドが出来上がって、メデタシメデタシ。とってつけたような大団円も、ほのぼのミュージカルらしい。

 西川氏が、口八丁手八丁の詐欺氏役がぴったり。

 彩乃かなみ嬢、ちょっとお堅いピアノ教師を好演。歌はいわずもがな、天空から真綿で包み込むような歌声に癒されますニャー。

 そしてカーテンコールでは、全員が楽器を持って、舞台上でマーチング♪

 理屈抜きで楽しむが吉!なミュージカルでした♪

ハロルド・ヒル 西川貴教指揮
マリアン・パルー 彩乃かなみベルリラ
マーセラス・ウォシュバーン 植木 豪スーザフォン
ミセス・パルー 竹内都子トライアングル
チャーリー・コーウェル 今井ゆうぞうバスドラム
ジョージ・シン市長 佐渡 稔バスドラム
ユーラリー・マケクニー・シン うつみ宮土里シンバル
トミー・ジラス 矢崎 広アルトサックス
ザニータ・シン 増山加弥乃アルトサックス
ウィンスロップ・パルー 石川新太、吉井一肇コルネット
アマリリス 根本玲奈、蛭薙ありさトランペット
エディ、車掌 石川祐司クラリネット
オリン・ブリット、セールスマン 板垣辰治トロンボーン
セールスマン、デニス 植木達也ユーフォニウム
イワート・ダンロップ、セールスマン 岡田 誠トロンボーン
ジェイシー・スクワイヤーズ、セールスマン 小原和彦トロンボーン
ロック巡査、セールスマン 川口竜也フリューゲルホルン
セールスマン、フレディ 谷口浩久トランペット
オリバー・ヒックス、新聞を読む人 原 慎一郎トロンボーン
ミセス・スクワイヤーズ 秋園美緒ピッコロ
グレイシー・シン 石丸椎菜フルート
モード 植野葉子クラリネット
エセル・トフルマイヤー 遠藤瑠美子スネアドラム
デイジー 木村晶子クラリネット
ライナス 小山侑紀ベルリラ
サラ 高橋あすかトランペット
バーニー 名児耶ゆりシンバル
アルマ 福麻むつ美スネアドラム
 
指揮 清水恵介
トロンボーン 広原正典
バス・トロンボーン 野々下興一
コントラバス、チューバ 古本大志
トランペット1 奥村 晶
トランペット2 川上鉄平
リード1 Bob Zung
リード2 近藤 淳
ドラム&パーカッション 萱谷亮一
キーボード 金子浩介
 
原作 メルディス・ウィルソン
フランクリン・レイシー
脚本、作詞、作曲 メルディス・ウィルソン
演出 鈴木裕美
翻訳 山内あゆ子>
上演台本 鈴木哲也
音楽監督 清水恵介
振付 前田清実
美術 二村周作
照明 原田 保
音響 井上正弘
衣装 有村 淳
ヘアメイク 佐藤裕子
歌唱指導 ちあきしん
編曲 中川幸太郎
タップ振付 本間憲一
舞台監督 二瓶剛雄
林 和弘
企画、制作 フジテレビジョン

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劇団桟敷童子「厠の兵隊」

劇団桟敷童子
24-Apr-2010 19:00~20:40
すみだパークスタジオ

Corich公演情報

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 すみだパークスタジオ落としお披露目公演。

 入場すると、一面真っ赤な紅葉で、思わず「おぉ!」。


 父を亡くした母子が父の実家を頼ってやってきます。その村は厠の神への信仰がありました。息子の透は、「けちんば屋」と呼ばれる汲み取り業者にあこがれます。
 透の前に現れたけちんば屋は、山嵐黄金尊率いる厠の兵隊でもありました。そしてその姿は透にしか見えないらしい。

 美しい母・月子には男が寄ってくるが、皆、謎の死をむかえる。透が厠の兵隊の力を借りて、母に近づく男を成敗していたのでした。

 やがて、透の実の父とは双子である梁瀬与市と母・月子は結ばれます。透は厠の兵隊とともに与市を「すらりの沼」に沈めてしまいます。しかし、月子の腹には、与市の子、透の弟の命が宿っていたのでした。生まれてくる弟のために、透は兵隊たちと与市を沼から救い出します。
 ひとつ成長した透は、厠の兵隊たちとともに、母の前から去ってゆくのでした。

 その村では、7歳までの子供は神様みたいなものだといわれています。神様の世界から命が授けられるから子供は神様のようなもの。子供にしか見えない世界=神様の世界なのでしょう。しかし世俗にもまれ次第に普通の人になると、もう神様の世界は見えない。
 厠の兵隊は、透の心そのものですが、同時に神様の世界から透の成長を見守るためにやってきた兵隊さんなんでしょうね。

 ラスト、透は、乳離れをして母の前から去ってゆきます。本当に去っていったのか、神様の世界に戻っていったのか、それとも単に息子の独り立ちを象徴した場面だったのかはわかりませんが、切ないラストでした。
 透役の鳥山 茜嬢がすばらしい。「風街」でも少年役で観客を泣かせましたっけ。

 板垣桃子さんは、なんであんなかわいらしく無邪気な笑顔をするのだろう。あの笑顔見たら、周りの男はたまらないでしょう>月子♪

 与市と月子が抱き合う場面は色っぽかったですね。ちょうど与市の横顔が見える席だったのですが、月子を見る眼が印象的でした。

 
梁瀬 透 鳥山 茜
梁瀬月子 板垣桃子
 
梁瀬源蔵 原口健太郎
梁瀬瀧枝 鈴木めぐみ
梁瀬与市 池下重大
梁瀬純 大手忍
綾乃 もりちえ
桐乃 山本あさみ
佐吉 稲葉能敬
丙三 小野瀬弥彦
博 井上昌徳
 
興櫓木杏 中井理恵
 
寺崎史郎 深津紀暁
西由香里 新井結香
 
山嵐黄金尊 椎名りお
八幡 山本亘
猫目堂 朱源実
夜顔 川原洋子
彦丸 桑原勝行
飛蝗 外山博美
 
作 サジキドウジ
演出 東憲司
美術 塵芥
照明 Jimmy
照明操作 (株)FREE WAY
チラシ画 横岳由紀子
チラシデザイン 山田武
助成 平成22年度文化芸術振興費補助金
(芸術創造活動重点支援事業)
制作 劇団桟敷童子事務所

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ルドビコ★「HAMLET-青い薔薇のくちづけ-」

ルドビコ
24-Apr-2010 13:00~15:30
原宿クエストホール

Corich公演情報

100424a


2012年、マヤの予言通り世界は週末を迎えた。
2150年、父王の死と母の再婚に心を痛めていた、とある小国の王子ハムレットは、友人ホレイショーから、全ての願いがかなう「青い薔薇が咲く森」の伝説を聞き、悪魔召還の儀式をする。ところが、そこに現れた闇の王子メフィストはハムレットとはもう契約が交わされているという...

 その昔、W.シェイクスピアは、未来永劫残る戯曲を書くためにメフィストと契約。永遠の命を与えられ「青のバラが咲く森」で悲劇を書き続けています。メフィストへの報酬は"悲劇"そのもの。2150年のハムレットは、シェイクスピアが書いた戯曲の世界の主人公であり、シェイクスピアの分身なのです。だから、「すでに契約が交わされている」というわけです。

 人間関係は原作よりも複雑で、オフィーリアとハムレットは実は双子の兄妹であったり、レイアティーズがクローディアスの実子であり、そこから悲劇が生まれてきます。
 ガートルードは、息子ハムレットの王位継承権を守るためにクローディアスと結婚、しかし本気でクローディアスを愛してしまう女性に描かれていました。
 ハムレットに色々な話をミックスしているような感じはありますが、おもしろい設定&展開でした。

 ミュージカルシーンがありますが、あまりお上手ではないキャストには歌わせないほうがよいと思います。ミュージカル歌唱に関しては日向薫、叶千佳両嬢と他のキャストの差がありすぎ。叶千佳嬢もずばぬけて歌ウマというわけではないですが、今回の座組だと相対的にすごい歌ウマさんになちゃってます(笑)
 日向薫さんは仕草が優雅で女王の貫禄。オープニングの全員のダンスシーンでも、手の動きが抜きんでて綺麗でした。叶千佳さんは、尼寺(売春宿)で娼婦(泡姫)になって踊る場面でセクシーダンスをたっぷり。他の娼婦役のキャストは健全すぎてセクシーのセの字も感じられませんでした(笑)。
 叶千佳嬢、宝塚時代から胸の大きいジェンヌとして評判でしたが。娼婦になった叶千佳嬢、胸揺らしながら胸元の開いた衣装で前かがみで踊ったりして、きっと前列のお客さんは、胸の谷間バッチリだったでしょう(まー、男子キャスト目当ての女子客ばかりでしたが)。
 
 クライマックスの日本刀の殺陣は同劇団の売り物でしょう。迫力ありました。

 ブリミュ系様子の良い男子は全く詳しくないのですが、ベーゼルブ役の寿里氏は芸達者でおもしろい方ですね。

 客層、女子率高いし。男子トイレガラガラでお大名気分(笑)。昼の公演だったこともあり、小中学生女子のお客さんが結構いました。テニミュとかブリミュって、こんな客層なんだろうなー。

ハムレット/W.シェイクスピア 林修司
レイアティーズ いしだ壱成
ホレイショー/ロビン 矢吹卓也(Takuya)
クラウス 鈴木拡樹
ローゼンクランツ 倉貫匡弘
ギルデンスターン 木咲直人
フランヤスカ 齊藤ヤスカ
マルコラス MARCO
マーナーブト 加藤学
オフィーリア 叶千佳
ポロニアス 今里真
クローディアス 康喜弼
メメーリア 愛萌
ナナーリア 阿久澤菜々
ミヒーリア 上杉美浩
カナーリア 須上佳名子
ウチクレン ウチクリ内倉
リューットリッヒ 森田龍
亡霊の声 加藤久雅
メフィスト 桜木さやか
ベーゼルブ 寿里
ガートルード 日向薫
 
作、演出 桜木さやか
演出協力 佐山泰三
音楽 浅野五朗
Leno(are 大政和寛、飯田智生、いしだ壱成)
舞台美術 加藤ちか
舞台監督 桐渕隆信((有)加藤事務所)
映像、照明、音響 QUESTスタッフ
衣装 小原敏博
衣装アシスタント 小林由佳
ヘアメイクデザイン 井村祥子(アトリエレオパード)
殺陣指導 TeamAZURA
歌唱指導 大隅一菜
ダンス振付 川村比呂美
演出助手 高嶋みあり
DVD撮影 (有)スーパーボム
宣伝写真、スチール 沓掛章子
offショット写真 上谷佳澄
制作 サンモールスタジオ
制作協力 TUFF STAFF
芝居屋 風雷坊
高松志帆(ルドビコ★)
企画、製作 株式会社サンモールスタジオ
ルドビコ★
原宿QUEST

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April 22, 2010

立川亮とタンゴアカシアーノ×部活動の『鱈。』×渡辺塾国民学校Presents 「この世界からの卒業~コレがコレでコレなもんで…2010~」

18-Apr-2010 19:00~21:50
渋谷7th Floor

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第一部
Hula-Hooperの、部活動 『鱈。』の(そ)
~私は、あなたたちから卒業するんです~

 ポニーテールは振り向かないスピンオフ & Perfumeトリビュート。

 仲良し三人組のよしみか、ゆーちゃん、たっち。ところが一番大人しいゆーちゃんに医大生の彼氏(名倉邦男)がいることが発覚。ゆーちゃんの恋、三人の友情の行方は...

 畔上嬢の"恋する乙女の面白芝居"炸裂。

 
ゆーちゃん(飯倉ゆきこ) 畔上千春(ボーダビッチ)
よしみか(吉田みかこ) 上枝鞠生(Hula-Hooper)
たっち(石井たつこ) 菊川朝子(Hula-Hooper)
りりこ先輩(学級委員長) 沖田愛(テアトル・エコー)
SAKURA先生 安田奈加
とっつぁん 瀬尾雅也
ナベ 岡野直史(SGT)
博士 前田卓次

第ニ部
「渡辺塾国民学校」

 いじめ、薬物、政治、宗教、JAL、子供手当て、高校授業料無料化...渡辺校長先生のかなり真面目なお話。笑い、ほぼゼロ(笑)なんですが、口調が心地よかったです。

第三部
「立川亮とタンゴアカシアーノ」

 ラジオ"ミッドナイトメロー"
 連続ラジオドラマは"ひとりぼっちミュージカル"。

 立川亮氏の大衆演劇っぽいノリが楽しい。トークが達者な日本人ミュージシャンのステージって、なぜか歌謡ショーっぽくなるケースが多いですよね(笑)。Pianoのお姉さんのテンションが高くて面白いです。

※安田奈加ソロCD@1000円発売中でしたが、手元不如意にて次回購入予定。

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April 18, 2010

第56回「扇辰・喬太郎の会」

17ーApr-2010 18:30~21:30頃
国立演芸場

辰じん「道灌」
喬太郎「そば清」
扇辰 「宿屋の仇討」
お仲入り
扇辰 「阿武松」
喬太郎「へっつい幽霊」

前半戦

「そば清」は、師匠のさん喬さんがよくやるネタなので師匠直伝かと思いきや、しっかり喬太郎ナイズされていました。みんなの前で蛇眼草を食し体が溶けていくというホラーな「そば清」、出囃子がウルトラQだったのですが、大いに納得。

 「宿屋の仇討」。旅の話のまくらは温泉場での"のぞき"の話。「知らない人のぞいたら犯罪になるけど、知ってる人はのぞいてもいいんです(笑)」っていうのは、絶対間違いなのだけれど説得力のある理論ですねー。

後半戦

 「阿武松」扇辰氏は、こーゆー評伝物というか出世噺を語ると上手いですね。喬太郎氏だったらもっとドラマチックになってしまい、扇辰氏のような淡々としているが故のドキュメンタリな味わいは出ないでしょう。

 「へっつい幽霊」。喬太郎氏のへっつい幽霊は初めて聞きましたが、そんなことよりも「阿武松」を聞いた後なので喬太郎氏が相撲取りに見えてしまって困りました。

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サイドショウ

公式ページ
17-Apr-2010 11:30~14:10
東京芸術劇場 中ホール

Corich公演情報

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 「あの名作が日本初上陸!」的な宣伝文句に期待して見に行ったら、言うほど名作でもないじゃんってことは、多々あります。本作もその類と思い、それほど期待していなかったのですが、オープニングからがっつり引き込まれました。音楽は文句なくすばらしいし、出演者みなさん好演で、大当たりなミュージカルでした。


 フリークスの見せ物小屋のシャム双生児のデイジー&バイオレットは、と に見出され、歌手としてデビューします。バイオレットとバディ、デイジーとテリーの恋の行方はいかに...

 フリークスの見せ物小屋のショーで幕開け。ニワトリ男や蛇女など。でもそこはミュージカルですから、あくまで美しい衣装で、妖しく耽美な場面となっています。そしてデイジー&バイオレットの登場です。腰が結合しているシャム双生児なので、樹里嬢・貴城嬢は常に腰をつけています。主役のソロ歌が、常に二人のデュエットになるのはおもしろい。髪型・衣装が同じなのでぱっと見は双子に見えます。しかし、二人の夢はちょっとばかり違います。デイジーは名声を得ること、バイオレットは幸せな結婚生活。積極的なデイジーと慎重なバイオレット。それぞれ樹里嬢、貴城嬢にピタリとはまっていました。

 バディと結婚直前までゆくも、シャム双生児という壁は乗り越えられず破局。"普通の人と同じように暮らしたい"という彼女たちの望みは適わず、あるがままの自分を受け入れ(フリークスとして)生きてゆくことを決心、幕となります。
 フリークスに対して差別・偏見をもつ世間よりも、見世物小屋で生きているフリークスたちのほうが余程素直で優しい。醜い心をもつ普通の人になるよりも、心の美しいフリークスで居ることを選んだように感じました。

 カーテンコール、スタンディングオベーションを見て樹里嬢おもわずガッツポーズ。オモシロカワユス♪

おまけ

 ウチに帰って、「少女椿」を読んでみたり。「少女椿」もミュージカルにできるんじゃないのかな?誰かやらないかな?

ヴァイオレット・ヒルトン 貴城けい
デイジー・ヒルトン 樹里咲穂
テリー 下村尊則
ボス 大澄賢也
バディ・フォスター 伊礼彼方
ジェイク 岡幸二郎
アンサンブル 安部美佳
石井雅登
岩本やよい
越智則英
小野田龍之介
笠嶋俊秀
小林遼介
白木原しのぶ
高田亜矢子
谷合香子
谷口ゆうな
田村雄一
本田育代
牧勢海
水月舞
山田展弘
山中紗希
 
演出 板垣恭一
脚本、作詞 Bill Russell
作曲 Henry Krieger
翻訳、訳詞 平田綾子>
訳詞 高橋知伽江
音楽監督 宮崎 誠
振付、ステージング 大澄賢也
振付助手 鳥居かほり
美術 大田創
照明 原田保
音響 井上正弘
衣装 十川ヒロコ
ヘアメイク 中原雅子
オーケストラ 
 エレクトーン 宮崎誠
 キーボード 田中詞崇
 ギター 阿部寛
 パーカッション 小松玲子
 ドラム 小出じろう
 

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April 17, 2010

はちみつシアター「さくら餅キャンディ」

はちみつシアター
16-Apr-2010 19:30~21:30頃
中野MOMO

Corich公演情報

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とある田舎町。
古くからある和菓子店、そこで働く女達は泣く子も黙るレディース"しし座の流星群"。三代目襲名を一ヵ月後にひかえていた。
新しく出来たカフェで働く女達は怖いもの知らずのギャル。両者はぶつかり、和菓子店vsカフェの売り上げ対決がはじまる...

 仲間、友情がキーワード。

 売り上げ対決っていうのが、なんかとっても健全です♪義理人情を大切に、町人に愛されるレディース"しし座の流星群"。清水次郎長などの任侠モノのレディース版のような風情があります。

 眼目は、やっぱり看板女優の氏家康介氏の女っぷり。物語がレディースものなので、必然的に全員が男らしくなり、氏家氏がいちばん可愛いキャラになってます(笑)。登場毎に衣装チェンジするので、次はどんな衣装で来るのか楽しみになってきます。

 後半のダンス場面、ダンスがやりたくて芝居をしてるんじゃないかと思わせるくらい、充実したダンスシーンでした。

 田淵恭子さんの、近所のよくしゃべるおばさんみたいなキャラは可笑しいんですが、周囲が受けきれなくて、空回りしてるよーに感じる場面も無いではない。そのなかで氏家氏は、さすが受け方が絶妙でした。

レディース連 
 おはぎ 秋元佐和紀
 きなこ 前薗幸子
 ようかん 山川多恵
 みたらし 大八木麻衣
 かたせのり のもとあき
ギャル連 
 ミルキー 郡司みわ
 チェルシー 粟野未悠
 ハイチュウ 森崎友紀子
 エグゾイル 田淵恭子
 
 ハニー.B 氏家康介
 奨 大出乃史
 学 前田真視子
 金 笠井渚
 
脚本、演出 巣鴨五反田
照明 山田匡男
舞台監督 宮田公一(Y's factory)
美術 鎌田朋子
音響 須坂あゆみ(スタジオえっせんす)
メインテーマ 中村光志
編曲 志賀匡則
チラシデザイン 石川順子
振付 宮田直美(メインテーマ&奨学金)
Anz(レディース)
卑猥2010
ビデオ撮影 松本敏明
宣伝写真 小池博
Web製作 古川順
制作協力 伊原浩史
制作 83フスキー
オープニング映像スタッフ 
 製作 加賀直也
 制作 K-Front
 監督 菊池拓巳
 撮影、編集 大瀧光司
 照明 高橋拓
 照明助手 名嶋真
 助監督 原口大輔
 車輌 安藤裕之
 フォト 梅本寛
 応援スタッフ 白井悟
 

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ワワフラミンゴ「息つくとき」

ワワフラミンゴ
14-Apr-2010 20:00~20:40頃
下北沢 3rd Stone Cafe

Corich公演情報

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 カフェにやってきた女性たちの姿をスケッチ。ゆるーい時間が流れます。突拍子もない言動に思わず吹きだしてしまう場面が多々有り。ムーミン谷に住む生き物を見ているような不思議な40分間でした(笑)。

3つのスケッチで構成されています。備忘録がてら強引にタイトルをつけてみると
 1.奄美大島は沖縄じゃないよの巻
 2.吉永は結婚詐欺師の巻
 3.ケーキ全種を少しずつ食べてしまった藩ちゃん非難するの巻

紀伊 宍戸円
古長 すどうりえこ
水野 浅川千絵
藩 菊地千里
吉永 北村恵
 
作、演出 鳥山フキ
撮影 佐藤拓央
制作 宍戸円、ワワフラミンゴ

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かたりの椅子

ニ兎社
11-Apr-2010 14:00~16:40
世田谷パブリックシアター

Corich公演情報

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 東京郊外のある町で開催予定の地域おこしのアートイベント。
 文科省からの天下りの文化財団理事長(銀粉蝶)と都庁から出向中の部下(大沢健)らの企画案に対し、アートディレクターを任された地元アーティスト・入川(山口馬木也)は、全く違う企画案を提出。入川案をボツにしようと画策する理事長たち。プロデューサー・りんこ(竹下景子)はなんとか接点をさがそうとするのですが...

 面従背服、はなから妥協するつもりのない理事長たちは、表向きは入川案を受け入れ、裏では入川案が失敗するよう賛成派を切り崩してゆきます。やがて入川とりんこは孤立。理事所らの次なる目標は、りんこ...

 最初は、ほのぼのした喜劇の風情でしたが、気が付けば社会派ホラーな世界に戦慄。ひとりひとり理事長派に寝返ってゆき、りんこの説得にやってくるあたりは、ゾンビに襲われた人間が、ゾンビになって襲ってくるようでした。笑顔で近づいてくるゾンビ、これは相当怖い。

 ※これが戦国モノなら、敵を見事に諜略した理事長派は「あっぱれ」なのですよね、きっと(笑)。

 ぱっと見地味な市役所職員役の内田慈嬢もかわいかったですが、竹下景子さんのかわいらしさは国宝級。入川(山口馬木也)が抱きしめちゃうのもむべなるかニャ♪

六枝りんこ 竹下景子
入川クニヒト 山口馬木也
雨田久里(あまだくり) 銀粉蝶
目高陽倫 大沢健
北条美月 内田慈
田中栄太 吉田ウーロン太
戸井ひずる 松浦佐知子
沼瀬圭作 でんでん
九ケ谷章吾 花王おさむ
 
作、演出 永井愛
美術 大田創
照明 中川隆一
音響 市来邦比古
衣裳 竹原典子
音楽 近藤達郎
ヘアメイク 清水美穂
舞台監督 泣谷壽久
演出助手 鈴木修
大道具 C-COM
小道具 高津装飾美術株式会社
照明操作 吉田裕美/横田幸子/安田正彦/林美保
音響操作 徳久礼子ステージオフィス
舞台監督助手 竹内章子/加瀬貴広/尾花真/今村智宏
衣裳助手 矢作多真美
衣裳製作 砂田悠香理
コサージュ製作 鈴木真育
プロンプター 日沖和嘉子
運送 マイド
宣伝美術 マッチアンドカンパニー
宣伝写真 ノニータ
舞台写真 林渓泉
ウェブデザイン 泰明俊
学芸 松井憲太郎
票券 松本恵美子
票券助手 坂田厚子
制作助手 松村安奈
制作 本郷みつ子/安藤ゆか
製作 二兎社
後援 財団法人せたがや文化財団(世田谷公演)

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伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪

Project Nyx
10-Apr-2010 19:30~21:00
芝居砦・満天星

Corich公演情報

100410b

 七つの大罪とは、「傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲」なんだそうである。

これぞお金持ちの道楽、貧乏人はそんな大罪犯している暇はないですもんね(笑)


凋落した貴族邸の応接間。掬子に留守を任せられた、田舎くさい派出女中のつぐみは、皆が出かけて一人きりになると、豹変し、掬子たちの悪態をつきだす。自分をみにくいアヒルの子のように思っているつぐみは、化粧を塗りたくり、ドレスを着て、さながら伯爵令嬢のように振る舞い、空想の世界に入り込んでいく。しまいには電話で、空想の恋人と話し、愛を語りだす。その滑稽な様子をすっかり見ていた掬子たちが、つぐみを嘲笑する。これは、つぐみの空想癖を知っていた掬子のたくらみであったのだ。意地悪な掬子や、赤ずきんたちに追いつめられるつぐみだか、実は、それは逆に、伯爵令嬢であるつぐみの、暇つぶしの女中ごっこであった。本当の女中であるもう一人のつぐみは、美しい容姿に猿ぐつわをかまされ、後ろ手に縄で縛られ、テーブルの下から転がりでる。うそがほんとか、ほんとがうそか、次第に誰も分からなくなっていく・・・。そして、このミステリーの結末は・・・。

本当の女中に...も芝居ごっこのようであり、ひょっとして貴族であることも全てが芝居ごっこじゃなかろうかと、わけがわからないまま月夜で水遊びする場面となって幕となりました。きっと全部が芝居ごっこなんだろうな。

 宇野亜喜良の美術がすばらしい。氏のイラストを元にした人形の視線が妙に色っぽくてドキリ。人形にはまる気持ちがわかりますね。

 便所のマリアは森田晋玄氏の人形。この人形遣いの技を間近で見られただけでも、狭い桟敷席に座った価値があるというもの。

 高橋理通子の舞踊に引き込まれる。

 貴婦人たちのキャラが濃くって(役者さんご自身が濃いのか、役が濃いのか判別しがたい)。

 音楽・黒色すみれ、サチドン嬢はいつもどおりの様子ですが、ユカチン嬢はフェアリー役にかなり入り込んでいる様子でした。ライブハウスよりも狭い空間で黒色すみれを堪能できて幸せ♪

 次回は、「星の王子様」の再演@吉祥寺シアターとのこと(本劇中でオーマイパパによる宣伝あり)。

掬子 松熊つる松
アナベラ夫人 フラワー・メグ
赤ずきん 水嶋カンナ
鰐夫人 野口和美
つぐみ 村田弘美
麻耶子、人魚 傳田圭菜
アリス 南かおり
テレス 今井和美
もうひとりのつぐみ 今村美乃
オーマイパパ 遠藤好
小人の少女 白井妙美
便所のマリア 市川梢
便所のマリア人形、金魚 森田晋玄
金髪のジェニー 中山ラビ
舞踏 高橋理通子
演奏 黒色すみれ
 
照明 泉 次雄+ライズ
舞台美術、衣装 宇野亜喜良
美術、衣装助手 野村直子
振付 大川妙子
ヘアデザイン 伊藤五郎(be・glee)
ヘアメイクアップ 川村和枝(P.bird)
宣伝美術 宇野亜喜良・福田真一
プロデューサー 広島かつら
制作 Project Nyx
協力 九條今日子、森崎偏陸

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戯伝写楽

公式サイト
10-Apr-2010 12:30~15:10
青山劇場

Corich公演情報

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 作・中島かづき、演出・荻田浩一というスタッフリストと、チラシの大和悠河のかわいさに惹かれての観劇。

 能役者・斎藤十郎兵衛(橋本さとし)は、おせい(大和悠河)の描いた役者絵を、自分が描いたと偽り、蔦屋重三郎に売り込む。
その嘘はすぐにばれたものの、役者の真の素顔を描いたその絵に惚れこんだ蔦屋は、「誰が書いたかなんて問題じゃない」と、"東洲斎写楽"という名で、絵を売り出す。
 "十郎兵衛は写楽ではないという"という歌麿たちの疑惑も払拭し、写楽の絵はますます売れてゆくのであったが、あるとき花魁の死に顔に魅せられたおせいは役者絵が描けなくなってしまう。
 死に顔にとりつかれたおせいを救うために、十郎兵衛は、おせいの眼に刃を向けるのであった...

 楽しいラテン系ミュージカル時代劇。浮世絵は当時の流行最先端のポップアート、陽気なラテンのリズムが合うのは当然かもしれません。ストーリーはシンプルで、ショー要素の強いミュージカルでした。

 浮遊感のあるメロディラインは、もしかして大和悠河の音痴っぷりを隠蔽する目的じゃないかと勘ぐってしまいます。宝塚現役時代の彼女の歌を知っている身としては「思ったより音程ずれていない」のですが、全体的にシャープしてるのは相変わらずでした。荻田浩一氏、最後に大和悠河に歌わせず影ソロとしたのは懸命だと思います。
 しかし、ビジュアルに関しては大和、綺麗&可愛いで◎。年齢不詳不思議女(間違っても少女じゃないよ)がピタリとはまっていたと思います。願わくばポスター写真のように、前髪を下ろしていたほうがよかったなぁ。

 橋本さとし氏、小賢しさ・お調子者・色気・男らしさと、彼の多種多様な魅力が満載。

 辛島小恵嬢、ラテンにあわせて陽気に歌い踊っていました。このような役は初めてらしいのですが、意外とコメディエンヌ体質じゃないでしょうか。「ファンクラブに入ってもいいかなー」フラグが立っちゃいました。

斎藤十郎兵衛 橋本さとし
おせい 大和悠河
鉄蔵(後の葛飾北斎) 葛山信吾
花魁・浮雲 ソニン
与七(後の十返舎一九) 東山義久
大田南畝 岸祐二
喜多川歌麿 小西遼生
おるみ 辛島小恵
おくき 高谷あゆみ
おうい 林 希
中山富三郎 石井一彰
市 遠山大輔
蔦屋丁稚 海老澤健次
鶴屋喜右衛門 コング桑田
蔦屋重三郎 山路和弘
 
作 中島かずき
演出 荻田浩一
音楽 立川智也
振付 青木美保
美術 横田あつみ
照明 吉川ひろ子
音響 大坪正仁
衣裳 宮本宣子、山下和美
ヘアメイク 中原雅子
歌唱指導 矢部玲司
音楽制作 林恭子
ミュージシャン
作曲/ベース 立川智也
サックス/ディジュリドゥ ANDY BEVAN
パーカッション CHRISTOPHER HARDY
ピアノ 泰輝
パーカッション 中島オバヲ
企画・製作 フジテレビジョン
東宝芸能、キューブ
協賛 天使のララァ

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快快「スナック しばはま」

快快
9-Apr-2010 19:30~21:30頃
SNAC

Corich公演情報

 コンセプトは「お花見」だそうで、床にブルーシートが敷かれ、プロジェクタで壁に桜が映されていました。ふるまい酒とふるまいおでんもあり。おでんメインねたは玉子or大根の2択。

 演目
・三題噺
・紙細工"快快マスコット製作"
・踊り(パラパラ)
・唄(カラオケ)
・立ち落語「しばはま」

"スナック"らしく快快女子とのご歓談タイムあり。

しばはま

 ベースは魚熊さんがでてくる古今亭系の芝浜。途中BGMで志ん生の「芝浜」が流れました。快快ブログでは、談志の芝浜に感銘を受けた云々が書かれていました(志ん生の芝浜をブラシュアップしたのが談志の芝浜なのだそうです)。
 時代設定は現代。芝浜の現代版を作っている噺家さんは何人かいますが、皆さん、かなり改変しています。快快のアプローチは、ストーリーはそのまま、演出に趣向を凝らすという対照的なアプローチをとっていますね。
 現代女子に「釜の蓋があかないよう」なんてセリフを言わせちゃうのは、新作落語に古典のくすぐりをいれる感覚に近いかも。熊さんを三人の役者で演じ、うち1人が片言の日本語っていうのが大笑いでした。

 6月の本公演では、どんな芝浜になるか楽しみです。

劇中に飲み放題タイム、さらに6月公演チケット購入で一杯サービスで、結構飲んだ。ぽわわわ~んと気持ちよい帰り道でした。

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April 10, 2010

月蝕歌劇団「『津山三十人殺し』幻視行」

月蝕歌劇団
4-Aug-2010 19:30~21:30
ザムザ阿佐ヶ谷

Corich公演情報

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 初演は2008年4月。

 大量殺人犯を兵士として日中戦争に投入しようと計画する日本軍、ムツオを救うために彼の小説から抜け出てきた三人の男(江戸川、須崎、鬼志本)。ムツオの運命の相手とされる阿部定。それらが複雑に絡みながらムツオがなぜ事件を起すことになったのか。

 時空を飛び越えたトンデモ展開ですが、ムツオの生涯のくだりはかなりまっとうな物語。希望に満ちた少年時代、家庭の事情で進学を断念、肋膜炎で兵役につけず非国民扱い...ムツオの人生、彼の心の叫びが泣かせますね。

 ムツオを救うために、小説の登場人物が抜け出てくるのはファンタジックで、これも泣かせる要因。

 少年ムツオ役の大島嬢、青年ムツオ役の合沢嬢、ともに好演。大島嬢は少年役は得意分野、彼女の実力からは想定内の質の高さ。合沢嬢は、キザな男役よりも、こういうなりふりかまわない役の方が似合うと思います。

 小説から抜け出た男達のリーダー江戸川役のスギウラユカさまは剛な感じがして良い。男役はこうでなくっちゃ。

 日本軍の陰謀無しで見てみたい気もするのですが、そうしたら月蝕歌劇団じゃなくかっちゃうか(笑)

 役者さんのレベルの差が激しいのはデフォルトで、もう慣れましたが、せめて月蝕踊りだけは、全員かっこよく踊って欲しいな。

 2010年2008年(初演)
青年ムツオ 合沢萌 合沢萌
定 しのはら実加 紫乃原実加
真樹 赤城美波 三坂知絵子
鬼志本 清水雄也 あおい未央
トモミ あおい未央 藍山みなみ
少年ムツオ 大島朋恵 笹生愛美
姉ミサ 倉敷あみ 有村深羽
須崎 本多一麻 大島朋恵
ユリエ 沙夜 白永歩美
看護婦山下 白永歩美 白永歩美
ナミ 白永歩美 高田ゆか
軍人根本  高田ゆか
レイコ 國崎 馨 -
軍人大崎 國崎 馨 安東彩
お蝶 石田七穂 姫宮みちり
女将校 松林らんぜ 姫宮みちり
雑貨屋のせがれ JIN 大室優絵
看護婦田中 沙夜 大室優絵
軍人吉河 福井アキラ 藍山みなみ
和、軍人山裏 関 隆行 鈴木真理
軍人石井 森 勇人 橘ひかる
良 磯部 映見 341
祖母イネ 佐倉萌 佐倉萌
江戸川 スギウラユカ スギウラユカ
大友 岡崎哲也 スギウラユカ
乱堂博士 阿部能丸 阿部能丸
 
脚本、演出 高取英
音楽 J.A.シーザー
照明 小境春二
照明操作 外川千代
音響 阿部健司
演出監督 門田京三
演出美術 北崎正人
宣伝美術 吉田光彦
写真 濱口太
振付 しのはら実加
磯部英見

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箱庭円舞曲「とりあえず寝る女」

箱庭円舞曲
4-Apr-2010 14:00~16:15
駅前劇場

Corich公演情報

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 前説で、「とりあえず、寝ないで下さい」と冗談めいた注意事項がありましたが、面白すぎて寝るどころの騒ぎじゃない(笑)。

 母親の死を目前に妹・殊(片桐はづき)が戻ってきます。そして母親の死。
 その家は公営住宅で、再開発のため立ち退きを要求されていました。交渉にやってきた市役所職員・今野(須貝英)と自治会長・丹波(小林タクシー)に対し、姉・真理(村上直子)は断りつづけます。理由は「この家が好きだから」。母親の死後、真理はナルコプレシーになってしまいます。
 近所の喫茶店ギャラリーの久慈夫妻を含め、近所の若い者が立ち退きを受け入れる最中、真理は丹波にたきつけられ、立ち退き反対派のリーダーとなり、活動を始めます。するとナルコプレシーも自然に発症しなくなり...
 妹・殊は"誰とでも寝る女"とうわさされ、また母親も同様。だから「坂梨家の女は...」と近所ではうわさされている様子。真理の恋人・椎名(玉置玲央)は、殊の処女を奪った男でもあり、そのことを知っている真理は、椎名との同棲にふみきれないでいる。
 娘の受験で短期滞在中の榊親子、母親の千代海(赤澤ムック)はバツイチで真理のペンフレンド。
 居候の叔父は現在無職で押入れに住んでいる。
 殊を追いかけてきた青年・塩野谷幸蔵(和知龍範)はテント暮らし。
 久慈夫妻はセックスレス。
 自治会長の丹波はロリコン変態とうわさされ...

 それぞれに語りたくない過去や秘密をかかえながら日常を過ごしています。立ち退き問題やら母親の死という重大事に際し、それらの過去や秘密が見え隠れしてくるのがとてもスリリングでした。同時に笑いの多い舞台でもあり、これは居候の叔父さん、自治会長の丹波さん、ペン友の榊千代海という第三者による笑いが多かったですね。シリアスな当事者にコミカルな第三者というのがよい。。
 緊張と緩和の按配が絶妙。だから135分退屈するどころか、短くさえ感じました。

 千代海は、学もセンスもないけれど、とってもよいお母さん&世話焼きねえさん。都会では見かけなくなった存在として登場しているんでしょうね。屈託なく人のプライバイ-に首を突っ込んでくるタイプですが、終盤に勃発する、ある出来事では彼女が大活躍します。コミュニティにはこーゆー人が必要なんですよね、きっと。

 殊は「自分は誘ってない。男が勝手にやって来てるだけ。なぜ断らないかって?だって力じゃ敵わない」と叫びます。痛々しくて、「だったら俺が守ってやろう」とかって男を、また引き寄せてしまうんでしょう。

 ラスト、暗転して空家になる場面転換は見事。それまでのすべてが過去の思い出になってしまいましたね。

蛇足

・井上みなみさんってリアル高校生なのねん。
・赤澤ムックさん着用の「アストロ」Tシャツは、アストロ球団Tシャツ?御本人の私物かなあ。ものすごい出オチ。
・小林タクシーさんの自治会長、松竹とか東宝とかの昭和モノにでてきそうな愉快なおじさん(笑)。
・下手側に座ってたので、村上直子さんが、指で目を大きく開いた顔がよく見え、妙に脳裏に焼き付きました。村上直子さんて、見ていてほっとする顔立ちですね~♪

坂梨真理(長女) 村上直子(ホチキス)
坂梨殊(こと 次女 離れて住む) 片桐はづき
吉田茂雄(母方の叔父) 爺隠才蔵
椎名謙一郎(真理の恋人) 玉置玲央(柿喰う客)
塩野谷幸蔵(殊の先輩) 和知龍範
久慈義春(近所のギャラリー・カフェ店主) 小野哲史
久慈純子(義春の妻) 真下かおる(くねくねし)
榊千代海(真理の友人) 赤澤ムック(黒色綺譚カナリア派)
榊美麗(千代海の娘) 井上みなみ
丹波秀徳(自治会会長) 小林タクシー(ZOKKY)
今野衛(市役所職員) 須貝英
前澤尊仁 古川貴義
 
脚本、演出、前説 古川貴義
舞台美術 稲田美智子
照明 工藤雅弘(Fantasista?ish.)
音響 岡田 悠(One-Space)
衣装 三木葉子
舞台監督 鳥養友美
宣伝美術 Box-Garden House
演出補佐 菅原功人、川端美郷、末吉康一郎
制作協力 林みく(Karte)
企画製作 箱庭円舞曲

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BQMAP「太陽の砦」

BQMAP
3-Apr-2010 14:30~15:00
サンモールスタジオ

Corich公演情報

100403

 1人の青年が、戦国時代の砦跡にやってきます。これから高速道路が建設されるという、その土地に残された砦...

 
 戦国時代。織田信長が台頭する少し前室町幕府の権威は地に堕ち、秩序は消え混沌にまみれた頃村々や集落は野盗の襲撃にさらされた。ある野盗は襲撃の帰り、雨宿りにと朽ちた砦に立ち寄った無人かと思われた砦には、そこを護る者たちがいた怪我人と女や子供たち・・・ いつしかそこは「太陽の砦」と呼ばれた

 火焔衆と呼ばれる野武士達がやってきた砦。斎藤氏との戦の末、侍は逃走し、残されたのは怪我人と女子供だけ。彼らは斎藤氏への復讐のために砦に残っており、火焔衆に対し、一緒に戦ってくれるよう頼みます。しかし火焔衆の長・悪之介は、「戦っても死ぬだけ。ならば逃げるべきだ。」と主張しますが、砦の連中と交流することで心が揺れます。悪之介、元はれっきとした武士で、叔父の不正を見逃せなかったことから、妻と娘を殺され自らも刺客に追われ野武士となった身。砦の連中とが重なったのか、悪之介は砦に残り斎藤氏と戦う決意をします。
 斎藤氏に勝利するのは無理。悪之介は「敵の第一陣を足止することができたら勝利とし、全員で砦を去る。」と命じます。そして最後の闘いが始まります。

 歴史上の名も無い人々が必死に生きた(戦った)瞬間の物語。
 最後の戦闘場面は、音楽のみセリフなし・スローモーションで映画を見ているようでした。敵と闘い、敵を足止めし、さて、無事に逃げられたかどうか...というところで、場面は現代の砦跡に戻り、暗転、幕となりました。暗転した時点で号泣フラグが立ったんですが、すぐにカーテンコールになったので泣きそびれちゃいました(笑)。もうちょっと余韻があるとよかったなぁ。

 竹内順子さんCDデビュー。物販コーナーにて購入、サインもらった♪

火焔衆 
 悪之介(井上善之介) 栂村年宣
 斬刃 臼井琢也
 鴉 立花拓也
 土武六伊達康浩
砦衆 
 加納茂右衛門 篠崎高志(POOL-5)
 平太 土屋真由美
 千代 竹内順子
 たね 本多可奈
 鶴丸 高瀬郁子
 よね 知桐京子
 さと 明神杏奈
 砦の女 伊藤奈実子
嶋田あきえ
 松造 矢部亮
 寝間着の武士 森貞文則
 叔父(井上十郎貞行) 山本伸一
 妻(八重)丘崎杏
 娘(さな)斎藤智美
 青年山井克馬
ナレーション 前田剛
 
作・演出・美術 奥村直義
音楽 佐藤太、竹下亮、山本伸一
照明 泉次雄(RISE)
照明操作 宮崎絵美子(RISE)、鳥海 咲
音響 竹下亮(OFFICE my on)
衣装 山下和美(宮本宣子ワークショップ)
ヘアメイク 井上益美、KIMIKO
殺陣 清水大輔(和太刀)
舞台監督 筒井昭善
イラストレーション quolia
宣伝美術 日置好文、須田裕之
宣伝写真 久保田育男(OWL)
制作 木田昌美、上地美華、鈴木暁子、岩渕史、COMPASS
制作協力 ネルケプランニング
企画・製作 BQMAP

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Prius 202T45P W2K Driver

Mobile Celeron450MHz
Memory 256MB
Windows98SEプリインストールモデル

 ためしにXPをインストールしてみたらインストールできてしまったのでFAX専用機として設置したのだけれど、設置後4ヶ月強、FAXとしての稼働率は0%。最近はRadiko専用機として稼働率があがってきたが、立上げだけで数分かかり、真空管のラジオより使い勝手が悪い。
 そこでWindows2000にダウングレードすることにした。

 手持ちのWindows2000はアップグレード版のため、まずWindows98SEをインストール。
 IE5.0+FLASH9では、Radiko稼動せず。

 Windows2000を上書きインストールする。1時間ほどで終了。動作快適♪

 以下2種のW2K用ドライバが無いといってアラートがでた。

 内蔵Audio
 LANアダプタ(corega CB-TXD)

 LANカードはCoregaのサイトからダウンロードすればよいのだが、困ったのは内蔵Audio、日立のサイトではW2K用ドライバを公開していない。どこのサウンドチップを使っているかもよくわからない。

 再度 Windows98SE をインストールし、デバイスのプロパティを見ると、

 ALi Audio Accelerator WDM driver

 とあった。ググってみたら富士通のサイトにドライバが置いてあった。

Windows(R) 98SE/2000 サウンドドライバ ALi Audio Accelerator WDM driver V 4.10.5113
http://www.fmworld.net/product/lib/biblodrv/sound_2.html

 結果はOK。
 IE5をIE6にアップデートし、FLASH10をインストールすると、Radikoが聞けるようになった。

 さて、サウンドドライバインストール後、今度はsoftware Modemドライバが無いというアラートがでるようになった。
なるほど、Audioドライバを入れないと、アラートがでないのね。これも富士通のサイトにあった。

Lucent Technologies Soft Modem AMR 内蔵モデムドライバ for Windows 2000 (v3.1.66.7)
http://www.fmworld.net/support/otheros/swebnb/nb/lib/modem/ltamrw2k.html

 ここで、もう一度日立のサイトをさぐってみると、ビジネス用FLORAシリーズは、W2K用のドライバを公開していることが判明。 発売時期・写真・スペックを見ると、どうやらFLORA 20NV/NV6 が202T45Pのビジネス向けモデル(LAN搭載モデル)っぽい。

FLORA 270GX シリーズ / 20NV NV6 用サウンドドライバ Ver.5.12.01.5117 (Windows2000対応版)
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/OSD/pc/flora/download/snl_0001/tpc09132/0442aud5.htm

FLORA 20NV NH8/NV4/270SX NH8/NH9用 モデムドライバ Ver. 1.65
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/OSD/pc/flora/download/snl_0000/dat_h/m9xwsinf.htm

 サウンドドライバのSetup.iniを見ると、ALi Audio Acceleratorとあるので多分大丈夫。
モデムドライバのINFファイルには"Xircom MPCI Modem 56 WinSwift"とあったので使えないかも。

 多分、今後もFAX使わないと思うので、モデムドライバは入れずに、デバイスを無効化したニャー。

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April 01, 2010

月蝕歌劇団「夢野久作 少女地獄

月蝕歌劇団
28-Mar-2010 17:20~21:20
ザムザ阿佐ヶ谷

Corich公演情報

100328b

 東京激寒。買ったばかりの鯛焼き食べながら開場待ちましたが、食べ終わる前に鯛焼きが冷たくなった...(泣)

 夢野久作「少女地獄」に、「あやかしの鼓」「犬神博士」...をミックス。「少女地獄」に登場する女性が男たちを惑わすのは"あやかしの鼓"の呪いという趣向。その鼓を巡り、曼荼羅一味と犬神の分身(幼少時代の犬神)が時空を越えて対決するという冒険モノ。

 強引に月蝕歌劇団フォーマットに落とし込んいでいるので原作の風情は薄れていますが、ここまでハチャメチャにアレンジされると見事としか言い様がないです(笑)。良くも悪くも月蝕らしい作品に仕上がってました。

 ツル子(しのはら実加)のボンデージも、松子(佐倉萌)
 クライマックスの戦闘シーンの最後は大爆発ですが、何が爆発したのか意味不明(笑)

 音丸久弥・あおい未央、かわいい少年役が似合うなあ(宝塚在団当時の水瀬千秋に匹敵だニャ)

 曼荼羅・合沢萌、この人のビジュアルのかっこよさは貴重だと思うが、仕草がいまいち柔らかい(女性らしい)のが惜しいです。もそっと剛な感じがでると、立派な男役さんになると思うです。

 姫草ユリ子・佐藤真澄、適役。

 チイ・藍山みなみ、金太郎さんみたい。巨大化しました?

 歌枝の父・スギウラユカ(特別出演)、特別出演ってなんだ?退団でもしたのかと思いましたが、そうでもないらしい。専科さん扱いなのかな?

 白永歩美嬢、後説のしゃべりうまい。彼女の司会でPPTでもやったらいいと思う。

 知らない役者さんが多く、しかも人数が多いので、配役表みただけでは、誰が誰だかわからない。役者紹介してくれるとありがたいぞ。

ツル子 しのはら実加
曼荼羅 合沢萌
音丸久弥 あおい未央
綾姫/甘川歌枝 倉敷あみ
チイ 藍山みなみ
ヨモ/殿宮アイ子 白永歩美
姫草ユリ子 佐藤真澄
看護婦・斉藤/歌枝の母 小池みき
安藤/女中/川村 赤城美波
ポン 磯部映見
ともえ 石田七穂
音丸久能 清水雄也
看護婦・下田 国枝みか
まみ 沙夜
山崎/左近 関隆行
看護婦・山内 竹内あき子
給仕/犬神 ほか 福井アキラ
ミイ JIN
カン 伊吹
長崎 江沢翠
弟子 ほか 黒瀬唯
吉本/右近 森勇人
弟子 ほか 鳥沼里
妻木 本多一麻
白鷹夫人/虎間トラ子 ほか 樹林れもん
犬神博士/高林老先生 岡崎哲也
田宮特高課長 門田京三
臼杵の妻・松子・・・実は 佐倉萌
臼杵院長 阿部能丸
歌枝の父 スギウラユカ(特別出演)
 
脚本、演出 高取英
音楽 J.A.シーザー
照明 小境春二
照明操作 外川千代
音響 阿部健司
演出監督 門田京三
演出美術 北崎正人
宣伝美術 吉田光彦
写真 濱口太
振付 しのはら実加
磯部英見

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宝塚歌劇団「シャングリラ -水之城-」

宝塚歌劇団
28-Mar-2010 15:00~17:30
日本青年館

Corich公演情報

100328a

 小柳先生&宙組、会心の一撃!快作!

 核戦争により水が汚染され、数少ない清浄な水源を支配する王が絶大な権力を握っている近未来の日本(国家の枠組みは崩壊しているようで、戦争前に日本とよばれていた場所)。

 ある時、荒野で倒れていた男が、旅芸人の一座に助けられる。一命をとりとめた男は、だが、過去の一切の記憶を失っていた。身元の手がかりは身につけていた蒼玉の首飾りのみ。それは、一座の踊り子、美雨が、かつて王の住む幻の都“シャングリラ”を探しに向かったまま行方不明の恋人・嵐に送ったものだった。美雨によって空と名付けられた男は、恋人・嵐を探す美雨と共に、過去を取り戻すため“シャングリラ”を探す旅に出る。それは、国の存続をも左右する二人の運命の始まりであった…。荒廃した世界を舞台に愛と友情を描く近未来ファンタジー。

 空は、自分が王国の傀儡の王であり、氷は自分と弟を助けてくれた恩人であるという記憶を取り戻します。そして都庁下にある水門を舞台に、嵐率いる反乱軍と、王国の実力者・氷との最終決戦をむかえます。

 宝塚には珍しい近未来ファンタジーで、「新感線みたい」という声もあるようです。世界観や対立の構図が似ていると思います(関西から東京までの道のりがドリフのようなベタなお笑い演出なのも新感線っぽい)。大きく異なるのは、新感線では殺陣となる場面が、宝塚ではすべてダンスになるところかな。戦闘シーンをダンスで表現するのは、宝塚の伝統だもの(笑)。

 開幕早々→Pia-no-jaC← の音楽に乗せて、コスプレで総踊り。かっこよすぎ。
 →Pia-no-jaC← はヴィレバンに行くたびに耳にするので、もうメジャーデビューしてるのかと思ってたんですが、まだインディーズだったんですね。

 休憩時間、ロビーで「野々すみ花、編みタイツが似合わない、なんか品がない」という声を耳にしました。なるほど、そういう風に感じる人もいるのだなあ。今回のすみ花、旅回り一座の踊り子でちょっと水商売っぽい雰囲気の役だから、花組時代のお嬢様役が好きだったファンには不評なのかも。私は、美雨や「銀ちゃんの恋」の小夏のような、水商売っぽい役の野々すみ花が大好きなんですけどね。いい意味での"下品な色気"が似合う娘役さんだと思うです。

 空・大空祐飛、今回も苦悩する男を好演。記憶を取り戻すうために苦悩し、記憶を取り戻してからも苦悩し、水を解放してからも過去を償いたいのか、ひっそり生きる道を選んでいます。

 氷・悠未ひろ、「水による争いを無くしたい」という志は空と同じでしたが、水の解放を主張する空とは反対に、水の統制の道を選びます。統制はやがて巨大な権力となり、その権力を守るためには反対勢力を潰す必要がある。氷も、その苦悩をずっと抱えていたんでしょうね。

 霧・純矢ちとせ、浄水器を開発した美人科学者。金髪&タイトスカート&白衣と、萌え要素満載なコスチューム。白衣見た目は白衣ですが、フォルムはロングコートに近くセクスィー♪

 嵐・蘭寿とむ、1人だけスーツ。旅に出るときもスーツかいっ!と突っ込みたくなりましたが、カッコよいので許す。

 霙・藤咲えり。シャープな女性兵士、かっこいいなあ。"みぞれ"って字、初めて知りました。字面がかっこいい。

 風・十輝 いりす、陽気でお人よしの芸人一座の座長を好演。雲・鈴奈沙也とは夫婦役ですが、雲よりも年上に見える貫禄(...というか爺臭さ)は貴重(笑)。老け役、似合いすぎ。

蛇足

 宝塚だから、主役は空(大空祐飛)だけど、実質敵には美雨(野々すみ花)が主役だよなあ。

空(ソラ) 大空 祐飛
美雨(ミウ) 野々 すみ花
雲(ユン) 鈴奈 沙也
嵐(ラン) 蘭寿 とむ
欣欣(ヤンヤン) 天羽 珠紀
氷(アイス) 悠未 ひろ
海(カイ) 北翔 海莉
風(フォン) 十輝 いりす
文雀(ブンジャク) 鳳翔 大
芳芳(フォンフォン) 花露 すみか
雹(ヒョウ) 蓮水 ゆうや
霧(フォグ) 純矢 ちとせ
飛燕(ヒエン) 愛花 ちさき
涙(ルイ) 七海 ひろき
霙(ミゾレ) 藤咲 えり
蒼(ソウ) 蒼羽 りく
紅(コウ) 愛月 ひかる
 
作、演出 小柳奈穂子
作曲、編曲 吉田優子
振付 御織ゆみ乃
KAZUMI-BOY
擬闘 栗原直樹
装置 稲生英介
衣装 有村 淳
照明 笠原俊幸
音響 加門清邦
小道具 市川ふみ
映像 奥秀太郎
演出助手 田淵大輔
舞台進行 押川麻衣
舞台美術製作 (株)宝塚舞台
録音演奏 宝塚ニューサウンズ
制作 横山卓之
制作補 原田豊浩
制作・著作 宝塚歌劇団
主催 阪急電鉄(株)

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宝塚歌劇団「ソルフェリーノの夜明け/Carnevale 睡夢」

宝塚歌劇団
27-Mar-2010 16:00~19:00
東京宝塚劇場

Corich公演情報

詳しい内容はこちらで(STAGE GRAPH)

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ソルフェリーノの夜明け

 赤十字思想誕生150周年・雪組公演「ソルフェリーノの夜明け」―アンリー・デュナンの生涯―

 オープニングは、真っ白なお花畑のようなショーではじまります。

 第二次イタリア独立戦争の激戦地を通りかかったデュナンは、悲惨な光景に衝撃を受け、野戦病院で傷病者の手当てを手伝うことになります。両親をオーストリア軍に虐殺された過去からオーストリア兵の手当てを拒否している看護婦・アンリエット、に対し、デュナンは「命に敵も味方もない」と主張します。イタリア軍師団長ファンティと参謀長ポルリノは「綺麗事だ」とデュナンを責めます。それでも主張しつづけるデュナン。
 戦況が悪化、野戦病院では手当てしきれなくり、デュナンは傷病者のマントヴァへの移送を提案します。そのためには激戦地を抜けていかなくてはなりません。傷病者であることを示すために赤十字の旗を掲げて出発しますが、イタリア軍に止められてしまいます。デュナの大演説に心を動かされたイタリア軍師団長ファンティは、敬礼をし、彼らを通すのでした。

 植田紳爾先生というと、時代がかった作劇がお得意で"植田歌舞伎"と言われて、最近では「古くさい」という声も聞かないわけではありませんが、今回は、その作劇が見事にはまり、感動大作に仕上がっていました。
 クライマックスでイタリア軍の拠点を通るくだりは、さしずめ勧進帳か。デュナンの熱い主張がストレートに響いてくるのも、植田先生の演出あってこそだと思います。

 デュナン役の水夏希、質実剛健な男を公演。無精ひげも似合う(顎鬚だけっていうのは、ちょっと納得いかないけど(笑))

 医師エクトール・彩吹真央、白衣&眼鏡姿に萌えたおともだちは多かったんじゃなかろうか。かっこよいぞなもし。アンリエッタを見送る場面が白衣じゃなくて緑のスーツなのは、退団公演だからか(笑)

 イタリア軍師団長ファンティ・未来優希、貫禄十分。戦争モノの敵役は、軍人としては優秀でも敵であるがゆえに憎たらしい存在で、そこが悪役とは違う魅力につながると思います。未来さん、憎たらしさと優秀さが絶妙。

Carnevale 睡夢

 Carnevaleとはヴェネツィアのカーニバルのこと、水の都を舞台に繰り広げられる、幻想的なショー。楽しすぎる♪Corich基準で文句無しの五つ星の満足度。

 "迷宮の結婚式"の花嫁強奪、パラレルワールドに迷い込んだ様。

 "サンマルコ広場 黄昏"の楽隊対決、華やかで楽しい。

 "カルネヴァーレⅠ 狂宴"、ディアーヴォラ・愛原美花、人間離れした役の方が似合うんじゃないかな。(愛原美花ってお稲荷さんに見えるんだよなあ)。幕を下ろさず、そのままロケットに突入するのは御趣向。

 インナモラータ・大月さゆ、真っ赤なドレスでこまねずみのように走り回る姿が印象的。「たいへんたいへんっ!」って感じで走るときの大月さゆは最高に面白い。貴重なコメディエンヌだと思いますが、これで退団とは惜しい。

 ハマコ先生の歌唱たっぷり。

 舞咲りんちゃんのソロ歌は、ドラマチックで好きだ。

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 芝居とショーの二本立ての場合、たいていどちらかが良くて、一方はいまいちなことが多いけれど、今回は芝居・ショーとも大当たり。植田センセー&稲葉センセー、GJ!

 蛇足

 芝居、ショーとも、指揮が塩田氏だった。ショーでは指揮者と演者がからむところがあったけど、塩田氏だから入れた場面だろうな、きっと♪

ソルフェリーノの夜明け

アンリー・デュナン  水 夏希
アンリエット  愛原 実花
ルオニード・ベネディック  汝鳥 伶
ルニオール・ハーベルマン  未沙 のえる
シスター・メーラー  飛鳥 裕
マンフレッド・ファンティ  未来 優希
ジャン・エクトール  彩吹 真央
アンドレ・ポルリノ  音月 桂
シスター・アンヌ  麻樹 ゆめみ
シスター・ネネット  舞咲 りん
御者ヘルディー  奏乃 はると
モラルド  彩那 音
シスター・アメリー  涼花 リサ
ジョージ・グラン  真波 そら
ハンデル  緒月 遠麻
ベルガー  早霧 せいな
シスター・イザベル  晴華 みどり
カルドナ  沙央 くらま
メアリー  早花 まこ
パルフィ  大凪 真生
ローデン  大湖 せしる
マリアン  大月 さゆ
ジーナ  沙月 愛奈
グレタ  花夏 ゆりん
マニヤーニ  蓮城 まこと
ゴーダン  香綾 しずる
ロザンナ  愛加 あゆ
エレーナ  白渚 すず
コゼット  透水 さらさ
ルチアーノ  凛城 きら
ポポリーノ  真那 春人
ジョゼフ  彩風 咲奈
ロージー  舞羽 美海
 
脚本、演出 植田紳爾
作曲、編曲 吉田優子
音楽指揮 塩田明弘
振付 羽山紀代美衣
若央りさ
装置 関谷敏昭
衣装 
照明 勝柴次朗
音響 加門清邦
小道具 伊集院撤也
歌唱指導 楊 淑美
演出助手 鈴木 圭
樫畑亜依子
衣装補 
舞台進行 政村雄祐
森田智広
後援 日本赤十字社

Carnevale 睡夢

作、演出 稲葉太地
作曲、編曲 高橋 城
太田 健
高橋 恵
音楽指揮 塩田明弘
振付 御織ゆみ乃
名倉加代子
麻咲梨乃
平澤 智
装置 大橋泰弘
衣装 
照明 永谷信雄
音響 渋谷 博
小道具 福原 徹
歌唱指導 楊 淑美
演出助手 上田久美子
樫畑亜依子
衣装補 
舞台進行 中村兆敷成

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廻天百眼「死ぬ機械」

廻天百眼
26-Mar-2010 19:30~21:20
萬劇場

Corich公演情報

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劇々しい、暗闇機械論!
史上初のインダストリアルミュージカル!
歯車・残骸・怨恨機械!蒸気・嬌態・レティクル機械!
冬の真昼の人体矛盾が私を貴方とテアトロ機械!
浮上する超絶機械都市型劇場装置!
外骨格の道化と俳優!
バラバラ少女の体は何処に!?
黒色綺譚カナリア派の牛水里美、東京グランギニョルの常川博行、
昭和精吾事務所のこもだまり、世界的な舞踏家の泰造など、『鬼姫』のチームが再集合!
全編機械音楽で送る廻天百眼劇場最新作!

と、センセーショナルな文言満載なのだけれど、どんな物語なのか、さっぱりわからないので、あらすじを...

 機械(ロボット)が労働力・愛玩用として日常の存在になった時代。感情を持たされた機械たちは、人間以下の扱われ方に不満をもちます。人間に反抗できないようプログラミングされている機械ですが、マリー・レベントロフという人間の娘の煽動(命令)で、人間に対して反乱を起こしてしまいます。
 マリーは、足を痛め、踊れなくなった踊り子で、自らの身体を機械化することを望んでいました。しかし、反乱を鎮圧させるために、戦闘用の身体に改造されてしまいます。
 機械たちは捕らえられ、破壊されてゆきます。最後に残ったクオリアは、ロボットメーカーの社長・敷島プリンと対決することになります。クオリアは自分が敷島プリンの息子の脳を機械の身体に移植された存在であることを知ります。彼は、自らの命を絶つのでした。

 クオリアは脳だけは人間なので、ロボット三原則に基く安全装置が働きません。だから自殺することもできる=死ぬ機械なのですね。「人間と機械の境界はどこか?」というのがテーマになっているようです。
 登場人物の名前は、古今東西のロボット小説・漫画から引用しているようです。 クオリアは、「心的生活のうち、内観によって知られうる現象的側面のこと、とりわけそれを構成する個々の質、感覚のこと」という意味だそうで、人間の脳だからこそ持っている感覚とも言えるでしょうか。
 スケさんカクさんは...そーいえば水戸黄門をパロったSFものがあったっけ(笑)

 史上初のインダストリアルミュージカル!、史上初かどうかはわかりませんが、騒音でまともに会話ができない工場のように、大音量の音楽でセリフが聞こえない場面も多く、これがインダストリアルミュージカルなのか。難聴ライブを聞きにきたような気分。
 大音量でセリフが聞き取りにくいのは、前作も同様でしたので意図的な演出なのでしょう。聞き取れなくても、どんなこと言ってるかは大体想像できましたし、大昔のサイレントSF映画を見ていような趣がありました(いっそ、字幕スーパーにしちゃったらいいんじゃないかな♪)。

 マリー役の牛水嬢、やさぐれた踊り子少女がぴったり。
 クオリア役の大島嬢、"買い物籠片手におつかい"っていう姿が妙に似合ってました。
 マリーvsクオリアの対決は、もっとたっぷり見たかった。
 奥様役のこもだまり嬢、ドレスで片肌脱いで日本刀。やっぱり日本刀だもの、片肌脱がなくちゃ絵になりませんね♪。
 音楽CD購入。もうちょいちゃんとミックスダウンして欲しい感じ。

クオリア 大島朋恵
マリー・レベントロフ 牛水里美(黒色綺譚カナリア派)
トビオ 紅日毬子
アトラス 宮田真奈人
プリウス 八木岳(アニマル王子)
ビッコ いちご
プレジデント(敷島プリン) 常川博行
奥様(敷島イライジャ) こもだまり(昭和精吾事務所)
敷島カレル 倉垣吉宏(SAI)
オーゴン・コガネスキー 桜井咲黒
秘書村熊猫 仲村弥生
スケさん 伊藤花りん
カクさん/警官 泰造
 
作曲 TETRAと狂った目黒ネグロ達
脚本、演出 石井飛鳥
舞台監督 naru3(劇団Human Dust Union)
照明 棚橋悦子((株)A.S.G.)
音響 阿部琉翔(Alea)
楽曲 TETRAと愉快な人面機械
美術造形 奥山友太と愉快な暴徒機械
小道具 リボ双夢
衣装 大島朋恵、いちご
制作 紅夜

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