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January 24, 2011

ehon「SWEETS ~『可哀想』にたかる蟻たちの話。」

公式サイト
22-Jan-2011 19:30~21:30
座・高円寺1

Corich公演情報

 悠太のひきこもりの原因が春緒にありそうなことは、そこやかしこから匂ってくるのだけれど、真実は。その予想のはるかに上を行った。

 「可哀想」であり続けることで、人から同情され、褒められる春緒。そのために夫を殺し、息子を閉じ込めておく春緒。

 恋をし、家をでる決意をした悠太。その行動は、家族のバランスを崩し、結果、悠太以外の人間は皆殺される。この場面は血まみれで壮絶で悲劇なのだけれど、一人生き残った悠太を真中が迎えに来るラストシーンは希望に満ちたおり、不思議と後味がよい。

 それは悠太の心が救済されたから、やっと旅立つことができるから、なのだろう。

 物語は衝撃的だったが、神話や昔話の世界では、親殺し子殺しなんてのは定番。現代のリアルな話として描いているからこその衝撃。「リアルな大人の絵本」なわけだ。

 2番目の夫の連れ子・千華は温の子を宿したことを機に、やっとこの家から出る決意をするくだり。このときの千華がとてもよい笑顔をする。「この娘には、まじで幸せになってほしいなー」と思った。佐藤みゆき嬢素敵。

 幸田尚子嬢、クロムのすっとんだキャラのイメ-ジが強すぎるので、今回のようなフツーにきれいな女性の役だと、一瞬誰なのかわからないぞ。っていうか幸田嬢ってフツーにきれいなひとだったのだなあ(笑)

 役者さんの手話は饒舌だね。

 美術、柱の上が汚れているのは、あれは夫を殺した血のあとだったのだね、きっと。

 上手側の席だったけれど、葛木嬢のピンポイント出演が下手側のみだったので、ちょっと残念。相変わらずお色気たっぷり声♪

悠太(家から出ようとしない男):福山聖二
春緒(悠太の母):円城寺あや
千華(春緒の二番目の夫の連れ子):佐藤みゆき(こゆび侍)
三菱(春緒の三人目の婚約者):古山憲太郎(モダンスイマーズ)
吉井(温の手話通訳):成松慶彦
温(聾者。千華の恋人):佐々木潤
平岡(接客マナー講師のエキスパート):久保亜津子(向陽舎)
真中(ひきこもり専門の訪問医):幸田尚子(クロムモリブデン)
菅田(事件を追うルポライター):瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ)
重松(ギャンブル好きの訪問看護師):本井博之(コマツ企画)
不動産屋:廣瀬瞬(犬と串)
ウェイトレス:北見友理
風水グッズ売り:葛木英

声の出演:小椋毅(モダンスイマーズ)

脚本、演出:葛木英
照明:伊藤 孝(ART CORE)
音響:平井隆史(末広寿司)
舞台美術:袴田長武+鴉屋
舞台監督:上島倫子
演出助手:北見有理、廣瀬瞬
衣装:浅利ねこ(劇団銀石)
照明操作:須賀谷沙木子
舞台監督助手:鈴木晴香(るうと工房)
衣装助手:色川奈津子、小林由紀
劇中映像:浦島啓(PURE DUST)
殺陣指導:佐野功
手話コーディネート:米内山陽子(トリコ劇場)
舞台写真:石澤知絵子
映像撮影:藤波大地(man & woman film.)
宣伝美術:two minute warning
宣伝写真:アライテツヤ
宣伝ヘアメイク:増田加奈
WEB:小林タクシー(ZOKKY)
制作協力:ヴィレッヂ
制作:武藤博伸、松島瑞江
プロデューサー:阿部敏信
企画・製作:ehon

提携:座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク
後援:杉並区

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Comments

ご観劇ありがとうございました!楽しんでいただけて、ホッ。
またどこかの劇場でお会いできますことを!
ありがとうございました!

Posted by: 佐藤みゆき | January 28, 2011 11:37 AM

今年の抱負は、ズバリなんですか?

Posted by: 荒川区 日暮里 美容院 | January 28, 2011 12:23 PM

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