柿食う客
19-Sep-2011 14:00~15:30 + アフタートーク
シアタートラム
Corich公演情報
ハムレットを現代口語にて、ホスト&キャバ嬢に演じさせたらどうなるか...という趣向。
アフタートークの中屋敷氏によると、
(1)シェイクスピアのセリフはきわめて音楽的で、そこが魅力でもあるのだが、残念なことに過去の日本語訳は原文の音楽的面白さを再現できていない。日本語でラップのようにリズミカルにするには...ということで現代口語に行き着いたらしい。
(2)宝塚のようだ感想を聞くが、宝塚の動き(ダンス)が直線的であるのに対し、日本舞踊のようなやわらかい動きを(悩殺ハムレットでは)しているのだそうだ。
(3)女優さんの魅力をいかにひきだすかというのが主眼らしい。
(4)ことさら男っぽくはしていない。声も女声のまま。
(5)ハムレットは夜の場面、酒にまつわる場面がよく出てくる。夜の世界からホストの世界ということになったらしい。
宝塚の男役は、男らしさを表現するために直線的な動作になる。一方、本作では女性特有のやわらかでしなやかな動きをするため、きわめて女性的な男性となる。声もことさら低くするわけではないし、胸をつぶすわけでもない。「いかに男のように見せるか」ではなく、「男装女子のかっこよさをいかに見せるか」ということなのだろう。
ぱっと見、宝塚の男役さんのような、スラっとした男前な方が何人かいらっしゃったが、演技は絶対宝塚の舞台では見ることができないものであった。
VO5でガッチリ髪を固めてる宝塚に対し、長髪をなびかせてるのも宝塚ではなかなか見られないところか。前髪が眼にかかってる深谷嬢のハムレットしかり、ストレートヘアの高島嬢のポローニアスしかり。
中屋敷さんって、多分歌舞伎が大好きなんだろーなーと思う。歌舞伎は基本的には歌と踊りで、セリフも歌うように語られる。リアルな芝居であることよりも、人間の生理に忠実であることが優先される。だから歌いたい気分なら歌ってしまうし、踊りたい気分なら踊ってしまう。1秒が100秒に感じられるのなら100秒で演じてしまう。
「悩殺ハムレット」も、そんな歌舞伎的な手法でつくられているようだ。いっしょに歌いたくなる、踊りたくなる、見得をきりたくなる。見ていて自然に体が動く。肉体的興奮がいつまでも残る。これがたまらなくイイ。
東京公演中にUstreamで公演を流すという、なんともファンタスティックな企画があった。19日に生で観劇したときに、数箇所、くどいと感じられる場面があったのだが、膨大なセリフ量とスピーディな展開のせいで、観劇後、どの場面だったか忘れてしまった。Ustreamで再確認しようとしたのだが、2度目のせいか、くどいと感じる部分がまったくなかった。不思議だ。"何度観ても楽しめる"リピート向けの演目なのかもしれない。
以下、箇条書きで。
・クローディアスの青シャツに真っ赤な照明が、たいへん美しかった。
・ハムレット・パパ、かっこいい。
・登場時間が短いのに、脳裏にやきつく七味嬢のフォーティンブラス。すごい。
・岡田あがさ嬢の、美形なのにおやじっぽい役作りが◎
・高島嬢のポローニアス、インテリヤクザっぽい感じがたまらん
・葛西嬢のレアーティーズ、髪型がお侍さんみたいでかっこいい。
・新良エツ子さん、かわいー♪、立派♪
ハムレット:深谷由梨香
クローディアス:コロ
亡霊:兵頭祐香
ガートルード:右手愛美
ポローニアス:高島玲
レアーティーズ:葛西幸菜
オフィーリア:新良エツ子
ホレイシオ:荻野友里
マーセラス、役者、墓掘り:岡田あがさ
バナードー、役者、ノルウェイ隊長:熊川ふみ
フォーティンブラス:七味まゆ味
ローゼンクランツ:葛木英
ギルデンスターン:大杉亜依里
ヴォルティマンド、役者、司祭、イングランド使節:葉丸あすか:
フランシスコ、座長、墓掘り、オズリック:渡邊安理
原作:W・シェイクスピア
作・演出:中屋敷法仁
美術:原田愛
照明:富山貴之
音楽:佐藤こうじ
音響:上野雅
衣裳:高木阿友子
ヘアメイク:田中順子
舞台監督:棚瀬巧
宣伝美術:山下浩介
宣伝写真:引地信彦
制作:斉藤努、赤羽ひろみ
助成:芸術文化振興基金
企画・制作:柿喰う客
主催:柿喰う客、有限会杜ゴーチ・ブラザーズ
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