「群論」
「群論」というと、大学の数学の授業で出てきました。当時は抽象的でさっぱりわかりませんでした。
その原因は、
(1)いきなり数式で説明されてもイメージが湧かない
(2)何の役にたつのかわからない
ではないかと思います。
(1)に関しては、教科書は、どうしても"数式を用いた厳格な論述"になるのでいたしかたないと思います。一方、Web上には、サルでもわかる的なイメージ優先で説明しているサイトがありますね。
(2)に関して、工学関係に限らず、経済、社会学の本を読んでいると、逆に「数学の○○の考え方を用いて...」なんて文章を結構目にします。習った当時は存在の意味のよくわからなかった複素数が電磁気学ではあたりまえのように使われてその有用性に驚いたり、シンセの本読んでたら三角関数やフーリエ級数がでてきて「役立つじゃん♪」みたいな驚きがあったり。「群論」も、人文から哲学まで一世を風靡した構造主義的な考え方によるものなのですね(群論が先か構造主義が先かは曖昧みたいですが)。
群、英語ではgroupで、英語の方がイメージを掴みやすいかも。
群とは演算をもとにしたグループ分けで、演算とは加減乗除だけでなく、移動・回転・作用...など、状態を変化させるあらゆる変換方法(そのなかには"状態を変化しない=そのまま"も当然含む)。この変換が、いわゆる写像というやつになります(丸の中にXだのYだのが描かれて、矢印で隣の丸のX'やY'に対応してるっていうやつだね)。
で、この演算によって要素はどうなるか?その関係性(構造)に着目したのが群。集合の要素は数でなくてもよいし、演算は算術演算でなくてもよい。構造が同じであれば、全く異なる集合であっても、同型だといえます。
例えば7回演算を行うと元にもどる群と、毎週日曜は必ずカレーが食卓にならぶ鈴木さん宅は同型。なぜ日曜がカレーなのか、鈴木さんの奥さんに聞くよりも、同じ構造の群を研究したほうが早いかもしれません。
抽象概念ゆえに、数学以外のあらゆる分野に応用可能なんですねぇ。
参考:ムルンギン族の婚姻体系への応用
http://www.math.tohoku.ac.jp/~ytakao/papers/weil.pdf
http://www.las.osakafu-u.ac.jp/~kawazoe/lecture/math-edu01-html/node4.html
Recent Comments